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ランニング初心者が「ケガなく気持ちよく走る」ための3つのコツ

現在、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、自分や身近な誰かがいつ感染してもおかしくないような状況です。また、自粛の影響を受けて、僕には想像出来ないほどの苦労をされている方が大勢いるのだと思います。そんな中、運動不足解消のため、ストレス発散のため、気持ちをスッキリさせるため、などの様々な理由によって、走り始める方も多いのではないでしょうか?

僕はこれから走り始める方々が「脚のケガや痛み」によってランニングを嫌いになってほしくありません。むしろ、これをきっかけにランニングの良さに気づき、ランニングを習慣化させてほしいと願っています。

僕の今までの約20年間の競技人生は、ずっと「脚のケガや痛み」と向き合うことの連続でした。そんな自分だからこそ、皆さんのお役に立てるのではと思いました。

そこで今回は、「ケガなく気持ちよく走るコツ」をお伝えすることで、まずはランニングを継続して楽しんで頂きたいと思っています。

一人で行うランニングについては、感染のリスクが低いことから、厚生労働省が推奨しています。また、先日の安倍首相の緊急事態宣言の会見でも一人で行うジョギングは問題ないと仰っていました。なので、走る際は、ソーシャルディスタンスを確保して、一人で黙々と、修行僧のごとく走りましょう。そして帰ったら、すぐに手洗い、うがいをして、シャワーを浴びましょう。

ランニングを継続できない本当の理由

いま、たくさんの人が走り始めて、気持ちの良さを感じていることと思います。しかし、多くのランニング初心者が「脚が痛くなる」という理由で挫折してしまう、という現実があります。あるアンケート調査によれば、ランニングを1年以上「継続」できたランナーは23.6%だったそうです。しかも、6か月以内に走ることを辞めてしまったランナーは68.0%でした。

僕は、ランニング初心者が「脚が痛くなる」最大の理由は、「走るコツが分からずにただ力任せに走っていたから」だと思っています。

走るモチベーションは自ずと上がっていく

僕はランニング初心者の方には「ケガをせずにランニングを継続してほしい」と思っています。

まずは、ケガをせずにランニングを継続することで、ランニングに適した筋力がついていき、次第に楽に走ることができます。そして、段々と気持ちよく走ることができ、ある段階になれば、ゆったりしたペースのランニングがそこまで苦痛ではなくなります。むしろ、心や身体の疲労を回復させるような効果を得られるはずです。そうすれば、自ずとランニングに対するモチベーションも上がるはずです。

ランニング初心者の方は、まずその状態になってから、レースのプランを立て、「速く走るため」のアプローチをしていくのがいいと思います。つまり、「段階を踏んで走る」ことをオススメしたいのです。

「ケガなく走る」ための3つコツ

そこで僕が考える、ケガをせずにランニングを継続するための3つのコツをご紹介したいと思います。

1.走る前に身体のバランスを整える
2.「脚を回すこと」に意識を集中する
3.「気持ちよく走ること」を目標にする

それぞれについて詳しく説明していきます。

1.走る前に身体のバランス整える

人間の身体は多かれ少なかれ歪むものです。今まで身体のケアに無頓着だった方々の身体は相当に歪んでいることと思います。特に今は、在宅ワークによる座りっぱなしでの作業や、感染症による不安や恐怖を抱えていることによって、身体は歪みやすくなっています。

身体が歪んだままの状態で走れば、特定の筋肉に負担がかかり、脚を痛めやすくなります。だから、走る前に身体の歪みを取り、バランスを整えた方がいいわけです。なので、本来ならトレーナーに身体をほぐして整えてもらうのが理想ですが、今はそうもいきません。

簡単なストレッチで身体のバランスをある程度整えることが出来るので、その具体的な方法を紹介したいと思います。とはいえ、僕はトレーナーではないので、そこはプロに任せたいと思います。次に紹介するのは、僕もお世話になっている宮川トレーナーの動画と記事です。

今回、「身体のバランスを整えるようなストレッチをランニング初心者の方でも分かるように教えてください」という無茶ぶりに快く応えて頂きました。笑


2.「脚を回すこと」に意識を集中する

ランニング初心者の方は、地面からの衝撃を怖がりがちです。そのため、身体の大きな筋肉が使えずに、末端の筋肉ばかりを使って、ふくらはぎがパンパンに張ってしまう傾向が強いと思います。

そういう方に一つ、アドバイスがあります。それは、「地面を蹴るのではなく、脚を回すことに意識を向けてください」ということです。これを簡単に説明すると、地面を蹴る意識が強すぎると、脚の筋肉を過度に使って疲れてしまうんですね。だから、蹴るのは最初だけでいい。あとは脚を回すだけ。動き始めたら「慣性の法則」にしたがって自分の身体が勝手に進みます。意識するのはそれだけです。

そして、「このままの動きなら楽に走り続けられそうだな」という感覚になってきたら、脚を回す意識を外し、その感覚を身体になじませていってください。そうすれば、自然と身体の大きな筋肉を使い、「気持ちよく走れる」ようになっていくはずです。

3.「気持ちよく走ること」を目標にする

僕はランニング初心者の方は「自分の走力以上に速く(長く)走ろうとしたり」、「追い込むことに満足を得ようとしたり」する傾向が強いように思います。それらは身体への過負荷やランニングフォームの乱れを招き、結果として脚を痛めてしまう原因となります。

なので最初に「段階を踏んで走りましょう」とお伝えしました。そこで、僕はまず、ランニング初心者の方には「気持ちよく走ること」を目標にするのをオススメします。第一ステップは、身体の歪みを取り、脚を回す意識を持つことで「気持ちよく走る感覚を身体になじませること」です。そして、第二ステップは、徐々に走る距離を伸ばして「30分間気持ちよく走り続けること」です。これって意外とクリア出来ない市民ランナーの方が多いような気がします。

まずは「楽に走ること」を身体に慣れさせることが必要なのです。そうしたうえで、自分の身体にとっての適切な負荷を感じ続けることが重要です。「もう少し走りたいな」と思うくらいで止めておくのが良いと思います。

ランニングシューズだけあればいい

最後になりましたが、これから走り始める方に一つだけお願いがあります。それは必ず「ランニングシューズを履いて走って下さい」ということ。時々、普通のスニーカーで走っている方を見かけますが、間違いなく脚に良くないです。ケガを防ぐだけでなく、足部の機能を最大限に活かすためにも、必ずランニングシューズを履きましょう。

何を買っていいかわからないという方は、底が厚く、クッション性や安定性に優れたランニングシューズをオススメします。また、その中で気に入ったデザインのシューズを選ぶのが良いと思います。

さあ走りましょう

まずは、5分走ることからで構いません。気持ちよく感じられる、ゆったりとしたペースで走りましょう。走っている最中に様々な思考や感情(良いことも悪いことも)が巡ると思いますが、それらが通り過ぎていく様をぼんやりと感じながら、淡々とリズムを刻んでいきましょう。ランニングフォームや呼吸や足音など、細かいことを気にする必要はありません。それと他人の目を意識する必要も全くありません。(とはいえ通行人と距離を取り、感染リスクを避けましょう)

間違っても力任せに走ったり、感情的になってペースを上げて走ったりしないでください。それと、音楽を聴きながら走るのは構いませんが(周囲の音が聴こえる範囲で)、ゲームをしながら走るのは止めましょう。また、交通ルールは守りましょう。安全第一です。

気持ちよく走れるようになったら、少しずつ走る距離を増やしていってください。あとは継続あるのみです。そして、30分ほど気持ちよく走れる段階になったら、ランニングの良さを何かしら実感できているはずです。

それでも脚が痛くなった時には

今まで「ケガなく走るコツ」をお伝えしてきたわけですが、残念ながらどんなに気をつけても、脚が痛くなってしまうことがあります。

そんな時はランニングを中断し、適切に対処することが大切です。ケガには段階があり、適切に対処できれば、長期にわたって走れなくなるケガを防ぐことが可能だからです。

それについては、以前僕が書いたnoteがあるので、興味のある方はこちらも参考にして頂ければと思います。

故障ばかりしていた僕が「ランナーが故障するメカニズム」を解説してみた。①

故障ばかりしていた僕が「ランナーが故障するメカニズム」を解説してみた。②

最後に

ここまで、ランニングのアドバイスをつらつらと述べてきましたが、僕は元々、「気質的に」ランニングに向いている人々はそんなに多くないんじゃないかなと思っています。だって、ランニングって基本的にはつらいし、孤独だし、喜びを誰かと分かち合えるわけではないですから。でも、少なくとも「体質的に」ランニングに向いていない人々というのはほとんどいないのではないかと思うんです。体質的に無理だと思っていた方々は、「走るコツ」をただ知らなかっただけじゃないでしょうか。

今回走り始めた方々が、少しでもランニングの良さに気づき、ランニングを習慣化できたら嬉しいなと思っています。その手助けとして、今回お伝えした情報が役立てば幸いです。

感染症の影響によって、様々な苦難を強いられている方々へ

感染症という性質上、おそらく一気に事態が収束することはないでしょう。僕たちが想像している以上に長期戦になるかもしれません。長期戦を戦い抜くには、絶対的な心身の体力が必要になります。「ランニング」を味方につけることが出来れば、心身の体力をつけることが可能です。僕にはこんな事しか出来ませんが、この記事が、あなたにとって、少しでも力になってくれたらと心から思います。

陸上競技・スポーツ関係者の皆様へ

浅学にも関わらずランニングについて長々と偉そうに語ってしまい、申し訳ございません。ですが、ほとんどのスポーツを行うことが困難な今、今まで以上に「ランニング」には出来ることがあるはずです。それと同時に「ランニングの価値」を高めるチャンスでもあるはずです。走る人が増えれば、走る人に興味を持つ人が増え、走る人を応援してくれる人が増えるかもしれません。そのような思いで、この度、発信させて頂きました。皆様の知恵と力を集めて、「ランニングの価値」を一緒に高めていきませんか?

もしご賛同頂けたら、このnoteを拡散して頂けると大変嬉しいです。

プレス工業陸上競技部
山田翔太

最後までお読み頂きありがとうございました!いただいたサポートは本代に使わせていただきます。