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鑿壁読書 2020年の10冊

今年印象に残った本を読んだ順に紹介します。 1)黒田龍之助『はじめての言語学』講談社現代新書(2004) 「ことば」に関心を持ったので読みました。なにより興味を惹かれたのはその文体です。リズムがよくてすらすら読めちゃうんです。そのうえで内容はしっかりしている印象。入門書として言語学の扱う範囲や、誤解してしまいそうなポイントがきちんと説明されています。そして、この本に出合っていなければ著者に関心を持つこともなく、noteを始めることもなかったでしょう。 関連して読んだ本 a

    • 鑿壁読書 2022年の5冊

      2022年に読んで印象に残った本を記録しておきます。 1)田中克彦『ことばと国家』岩波新書(1981) 母語と母国語の意味するところの違いや、言語の規範について考えるきっかけになりました。 「母国語とは、すなわち国語に母のイメージを乗せた煽情的でいかがわしい造語である。母語は、いかなる政治的環境からも切りはなし、ただひたすらに、ことばの伝え手である母と受け手である子供との関係でとらえたところに、この語の存在意義がある。」(41頁) ○ 関連して読んだ本 ・田中克彦『国

      • 日本語学、入門してみた。

        理系出身一般男性の備忘録。 2021年は日本語学および方言学に挑む年になった。その間に通読した書籍を、簡単なメモとともに残す。 なお、筆者は全くの門外漢なので悪しからず。 1)山口堯二『日本語学入門 しくみと成り立ち』昭和堂(2005) 図書館で最初に借りた本。 「成り立ち」とあるように、日本語史を絡めながらの説明がされていた。特に音韻や文法について、高校で学ぶ古文の世界から現代の日本語へのつながりが感じられた。 後になって気づくのだが、最初に読む1冊ではなかったかもしれ

        • 鑿壁読書 February 2021

          1)山本芳久『世界は善に満ちている:トマス・アクィナス哲学講義』新潮選書(2021) 手に取ることを躊躇してしまうタイトルですが、中身はしっかりした哲学案内でした。「善」という言葉をどういう意味で用いているのかもしっかり説明されています。大学の教員と学生との対話なので読みやすかったです。 2)川本淳『はじめて出会う会計学 新版』有斐閣アルマ(2015) 簿記の勉強をしているときについでに読みました。簿記検定のための勉強では問題を解くことに重きが置かれているのですが、会計

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        鑿壁読書 2020年の10冊

          鑿壁読書 January 2021

          1)エピクテトス、國方栄二訳『人生談義(上)』岩波文庫(2020) 「何に対しては大胆であり、何に対しては用心深くあるべきかということ、つまり、意志に関わりのないものに対しては大胆であり、意志に関わりのあるものに対しては用心深くあること、これらのことについて訓練し心の準備をしておくがよい」(p.188) 中古でウン千円していた岩波文庫の『人生談義』。待望の新訳をさっそく購入しました。『語録』というだけあって、通読しなくても気になる章だけつまみ読みできます。「間違ってい

          鑿壁読書 January 2021

          鑿壁読書 December 2020

          1)平田オリザ『わかりあえないことから』講談社現代新書(2012)  しかし、そういった(スピーチやディベートのこと:引用者注)「伝える技術」をどれだけ教え込もうとしたところで、「伝えたい」という気持ちが子どもの側にないのなら、その技術は定着していかない。では、その「伝えたい」という気持ちはどこから来るのだろう。私は、それは、「伝わらない」という経験からしか来ないのではないかと思う。(p.25) 章ごとの内容の一貫性が薄くて「で、何が言いたいんだっけ」となるけれど、冗

          鑿壁読書 December 2020

          鑿壁読書 November 2020

          1)河合隼雄『心理療法入門』岩波現代文庫(2010)  個人を大切にする、と言っても、その個人は社会のなかに生きているのだ。社会の状勢を無視して、個人のことを考えることはできない。と言って、時に誤解されるように、社会に早く適応することを目標として心理療法をするわけではない。社会の一般的傾向と異なるにしても、その個人の意志、欲求を尊重して考える。(中略)あくまで、その個人を中心として考えてゆく。(p.203) 2)寺山修司『幸福論』角川文庫(2005) ある種の人たち

          鑿壁読書 November 2020

          鑿壁読書 October 2020

          1)河合隼雄『心理療法序説』岩波現代文庫(2009)  心理療法というのは、時に誤解されて、環境にただ順応するような人間をつくるもの、というように考えられていることがある。そのようなことを目指したところで、それほど簡単にできるはずもないが、われわれの目指しているところは、与えられた環境のなかでクライエント自身がいかに自分の生きる道を自主的に見出してゆくか、それを援助しようとしているのである。(p.137) 2)三島由紀夫『不道徳教育講座』角川文庫(1999)  ここに一

          鑿壁読書 October 2020

          KFC

          「ケンタッキー・フライド・チキン」って中黒があると読みにくくないですか? 「けんたっきーふらいどちきん」で変換したら勝手に挿入されてしまいました。 そんなことよりもケンタッキー・フライド・チキンが食べたいのです。オモコロチャンネルでケンタッキー・フライド・チキンの動画を見たら、そのほかにもケンタッキー・フライド・チキンにかぶりつく動画が多数おすすめに出てきました。しかもご丁寧にケンタッキー・フライド・チキンの定番であるオリジナルチキンの部位も解説してくれたりなんかしちゃって

          冷たい斧

          「彼女はあらゆる約束事から解放されてるように見えたんだ。重力とかしきたりとか、それに運命といったような目に見えないものすべてからね」(金城一紀『対話篇』新潮文庫、p.45) 大事なことを忘れそうなときは金城一紀に帰ってきてしまうな。 おわり

          冷たい斧

          Yes, boys!

          照り焼きチキン 鈴カステラ ゆで卵 ポップコーン 洗い物する気がまったく起きません。そもそもやる気なんてのは存在しないらしい。なんと自堕落な。 おわり

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          ルーティン

          モーニングルーティンはどこいった? やりたいことはいくつかあるけれど、順序付けができていないのが問題か。散歩と瞑想と朝食がケンカしている。 そんなことよりも「モーニングルーティン」のモーラ数が気になってしまった。「ルーティンワーク」の「ルーティン」は4モーラなのに対して、「モーニングルーティン」のときは「ルーティーン」と5モーラで発されている気がする。気のせいだろうか。英語の”routine”では「ルーティーン」のように長音だ。 YouTubeでは、「モーニングルーティン

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          靴下ぬれた

          ピザを焼いてたら一日がなくなった。おかしいな。 今日は気持ちがいいくらいに雨が降って、調子に乗って散歩に出かけた。風があることを失念していて思ったよりも濡れてしまった。 惰性で土曜日を過ごしたので、惰性で文章を書いている。面白みがないので16進数に変換して投稿してやろうかと思ったけれどやめた。奇を衒って注意を惹こうとするのが許されるのは中学生までだ。うんち。 おわり

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          併読失敗

          久しく小説を読んでいないことを思い出し、本棚で熟成させていた『人間失格』(太宰治)に手を出すことにしたのだが、これがあまりよろしくなかった。『人間失格』を読むならば気分がまともなときがよいと考えていて、今日こそがその日だ、と覚醒した。ふむふむ、なるほどこれは日の落ちているときには読まない方が身のためだ。ただし、内容は別に問題ではなく、併読しているもう一冊との相性がよくなかったなと思っている。どんどんと落ちていく小説に対して、「幸福論」なんて読むべきではないのだ。躁と鬱が入り乱

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          友好的なものにせよ

          『ラッセル 幸福論』(岩波文庫)は後半戦に突入。幸福な人についての考察が始まる。  幸福の秘訣は、こういうことだ。あなたの興味をできるかぎり幅広くせよ。そして、あなたの興味を惹く人や物に対する反応を敵意あるものではなく、できるかぎり友好的なものにせよ。(p.172) なんでもかんでも受け入れろと言っている訳ではないんですね。「友好的」という表現も絶妙です。なんとなく、肯定/否定で考えてしまっていた気がします。 おわり

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          またしてもピザ

          久方ぶりに自作ピザに挑む。我が家のオーブンレンジではミラノ風の薄い生地がうまく焼けなかったので、ふっくらした生地を作ってみることにした。 出だしから不運に見舞われた。うちにない材料のドライイーストを買いに行ったはずなのに、せんべいとジンジャーエールを購入して満足してしまい、肝心のドライイーストを買い忘れた。一日に二度もスーパーに行くことになるとは。 いざ、調理。材料の粉たちを混ぜまぜ、こねこね。生地を寝かせる。 みるみる大きくなる小麦の塊は、まるで赤子のようであった。

          またしてもピザ