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鑿壁読書 January 2021

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1)エピクテトス、國方栄二訳『人生談義(上)』岩波文庫(2020)

「何に対しては大胆であり、何に対しては用心深くあるべきかということ、つまり、意志に関わりのないものに対しては大胆であり、意志に関わりのあるものに対しては用心深くあること、これらのことについて訓練し心の準備をしておくがよい」(p.188)

中古でウン千円していた岩波文庫の『人生談義』。待望の新訳をさっそく購入しました。『語録』というだけあって、通読しなくても気になる章だけつまみ読みできます。「間違っている人に腹を立てるべきでないこと」の問答では、「暴君は首を切り落とすだろうが、汝の意志を切り落とすことはできない。訓練しなさい」みたいなことを言ってて面白いです。


2)『ニーチェかく語りき』岩波現代文庫

「三島由紀夫にとってのニーチェ」ってなんだか面白そうだと思い図書館で借りたものの、そもそもニーチェなんてろくに読んでなかった(読むつもりもあまりない)ので難しくて挫折しました。古今東西の著名人別に、各人が引用したニーチェの言葉をたくさん取り上げてくれています。


3)上山安敏『フロイトとユング ―精神分析運動とヨーロッパ知識社会』岩波現代文庫(2014)

河合隼雄は読んだけれどユングの思想そのものには触れてないなと思って借りてきました。文庫本なのに500ページに迫るボリュームでおったまげました。話はフロイトから始まるのですが、当時のヨーロッパの思想をふんだんに織り交ぜていて圧倒されました。ゲーテ、ダーウィンの名前が頻繁に出てくるとは思わなかったし、マッハら科学者も関わってくるなんて…… 文字を追うので精一杯だったので、強くなってまた帰って来ようと思います。

おわり

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