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虚船

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虚船より、フラジオレットを吹く天使へ

虚船より、フラジオレットを吹く天使へ

聴こえていますか。

私が宇宙に放たれて一体どれほどの月日が経っただろうか。「どれほど」と多くの時が経っているわけではないような気もするけれど、今はなんだかノートに記した正の字を数えてみる気にもならないのだ。私はここ数日由来のわからない倦怠に襲われている。

私の文体の変化に気づいた読み手はいるだろうか。際立った意味はない。ただ、私のこの随筆が「記号」に変化して、それだけの時を旅して故郷の青い惑星

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虚船より、未知のあなたへ

虚船より、未知のあなたへ

聴こえていますか。

星流しの刑に処されて、あの青い惑星から宇宙空間に放たれて、どうやらもうひとつきが経つようですね。閉鎖的な空間に閉じ込められた人間が壁を傷つけて日にちを数える様子は、様々な物語で描かれているのを何度も観ました。幾何か憧れはあったものの、私には古風にもシャープペンシルとノートが与えられています。

私の住んでいた極東の島国では、極刑には「死」が据えられているので、「星流し」の私に

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虚船より、青い惑星へ愛を込めて

虚船より、青い惑星へ愛を込めて

聴こえていますか。

私はこの「虚船」で無限の宇宙を旅しています。

いくつか、淡い桃色の約束を携えて。桜の咲くころにきっと会いましょう、徒然、空白の時を彩った交々の話に花を咲かせましょうと、空(くう)で指を切った大切な人が両手、両足に指では足りないくらいいるのです。

視界は、出航の日と変わらず良好であります。人類の罪を可視化した無数のデブリが、宇宙の爛漫な風景を汚している様を私は目に焼き付けて

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