ふるさと─ 心を育んでくれた場所 ─
◇◇はじめに◇◇
詩を3篇とスマホで撮った写真11枚で小さな詩集を編んでみました。この緑の世界はわたしの原風景です。
初めての有料記事になります。途中までは無料で読んでいただけます。
気に入って続きも読んでいただけたら幸せです。
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「山の家へ」
朝一番のバスは
さすがに人も少なくて
窓を少し開けたわたしは
風をマスク越しの頬に受ける
車内から見る街は
変わりがないようなのに
やはりどこか張り詰めて見える
乗る人のいないバス停が続く
いつもよりも少し早く着いた
いつもの停留所で降りて
ゆっくりと歩き出す
山の家へ向かうこの道
舗装されていない土を踏みしめる
緑の匂いを胸いっぱいに吸い込む
あちこちに野の花、タンポポの群生
囀る鳥の声に耳を傾けて
此処はいつも変わらない
わたしの故郷
疲れた心と身体を抱きとめてくれる
ただいま
【詩集】「三日月想詩」つきの より
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◇タンポポの階段◇
自然に囲まれた場所でわたしは育った。ブロックでできた段々は暖かくなると所々がタンポポの階段になる。
踏まないようにこの時ばかりは、そっと階段に足を下ろす。
いちめんに咲くタンポポは元気をくれるよう。
◇ノアザミも好きな花のひとつ◇
ノアザミ(野薊)の花言葉は「独立」「素直になれない恋」ちょっと切ないけれど。
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「野薊」
薄赤紫の野薊(ノアザミ)の蕾を見つけた
わたしは
野に咲いている薊(アザミ)が好きだ
野草に紛れるようにして
すっと伸びている硬い茎に棘のある葉
媚びぬ姿の先には
綿毛のついた丸い可憐な花
今年も野薊(ノアザミ)の蕾を見つけた
嬉しくなって写真を撮った
此処でまた花を咲かせておくれ
咲く姿を見せておくれ
野にあるからこそ美しい
誇り高き薊(アザミ)よ
初夏の風が優しく蕾を揺らし
蝶がゆっくりとその先にとまった
【詩集】「三日月想詩」つきの より
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そして、初夏になると
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