見出し画像

19/頭のいい甘えん坊

<2,614文字>

【記事のポイント】『ウルトラマン』のスタイルがシュールだったり、『ダダ』『ブルトン』といった怪獣が登場したのには、きちんとした文化史的背景がありました。


第2章/8. ダダイスムとウルトラマン


未来派は「早さ」に魅力を感じましたが、「遅さ」に興味を持った前衛芸術家もいました。

マルセル・デュシャンです。

彼は自分の代表作を成立させている場を「ガラス製の遅延」と呼びました。


その難解な解釈はひとまず置くとして、社会全体を飲み込んでいく「早さ」という価値観に対して、デュシャンは逆向きの棹をさしたわけです。
ことほどさように、ダダイストの活動は反社会的・反芸術的でした。

未来派は理解の容易さによって人気を博しましたが、ダダイスムは理解の難しさによって人々を魅了しました。

ここから先は

2,284字 / 1画像

現在の日本の文化がいかにしてつくられたかを、ルネサンス以来の大きな流れの中でひもときます。

マインドブロックをつくり出しているのは、自分自身です。それが腑に落ちると、すべては一気に好転し始めます。ただし、つくり出す過程は『自分一人…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!
1975年には、時間意識の大きな断層があります。 そのことをテレビマンガをテーマにひもときます。

日本人の意識が、なぜ1970年代に大きく変わったのか? それは、ビデオの登場によって映像の視聴体験がまったく別の形になったからです。 ビデ…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?