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『円安の波紋・外国人就労者からの視点⑭』揺れる円 - 世界を読む鍵は?

 
  4月10日のニューヨーク外国為替市場では、アメリカの消費者物価指数の発表を受けて円安が加速し、円相場は一時、1ドル=153円台まで値下がりしました。1990年以来、およそ34年ぶりの円安ドル高水準です。

  円安が進行する背景には、日米の間の金利差が何度も指摘されますが、これ以外にも多様な争いが絡み合い、複雑なダイナミクスを形成している点をより見ていきたいと思います。

1.インフレ率の相当とその影響

 アメリカでの消費者物価指数の上昇率が市場予想を上回るということ。

 インフレ率が上昇すると、反動して通貨が上昇する可能性が考えられます。

 アメリカと日本の間でインフレ率に差がある場合、特にアメリカのインフレ率が高い状況では、ドルの価値が円に対して上昇しやすくなります。これは、投資家が高いリターンを求めてドルに流れるためです。

2.経済成長率とその通貨への影響

 アメリカ経済が堅調に成長している一方で、日本経済の成長が鈍化していると見られた場合、その差はドルを円に対してより魅力的な経済成長が期待されると見られることになります。
 
 経済が堅調に成長する国は、投資の流入を重視し、それが通貨の価値を押し上げる一因になります。

3.市場への介入の警告とその効果

 日本政府や日本銀行が市場介入を行う可能性に対しての警戒感も、市場に不安定性をもたらしています。特に、円安が進行する中で、市場が政府や銀行の動きに敏感に反応する傾向があります。

4.グローバルなリスクセンチメント

 地政学的な緊張や経済的な不確実性が高まると、投資家はより安全と見られる資産へと逃避します。これが側面的には「リスクオフ」の状態であり、多くの場合、アメリカドルや金このような動きは円に対してドルの価値をさらに押し上げることになります。

5.貿易バランスと資本フロー

日本貿易や資本フローの変動も、円の価値に直接的な影響を与えます。日本からの資本が海外に流出すると、その結果として円の需要が減少し、円安が進むこと要因のひとつとなります。特に、使用料支出及び代金決済、クレジットサービス支出や海外投資が増えることは、円に対する圧力売りになります。

 日本が輸出よりも輸入に多くを費やして貿易収支の状態が継続するとなると、それは円の供給過剰を意味し、円安の圧力になります。

 短期的には円の需要が増え、円高に働くこともありますが、長期的にはこれらの資金が回収される際に円売り圧力になります。

6.グローバルな政策の動向とその影響

 世界各国の金融政策や短期政策の動向も、通貨相場に大きな影響を与える可能性があります。

 特に、アメリカの連邦準備制度(FRB)やヨーロッパ中央銀行(ECB)、日本銀行(BOJ)などの主要中央銀行の政策決定は、世界的な資本フローを左右します。

 例えば、FRBが設立することを決定した場合、ドルに対する投資魅力が増し、円や他の通貨に対してドルが強くなる可能性があります。

7.テクニカル制約と市場の心理

 市場の技術的分析や心理的課題も、短期的な通貨価値の変動に大きく対処します。

 特定の水準やトレンドラインが重要な「サポート」や「レジスタンス」として機能し、これらの水準の想定を超えることがあります。

 また、市場参加者の心理状態やセンチメントも、特に不確実性が高い時期には通貨価値への影響を考慮することとなります。

8.次回に向けて

やはり、円安の進行を理解するために、単一の課題を超えた多角的な視点が求めらることがわかります。

 経済成長への期待感、市場介入への警戒感、グローバルなリスクセンチメント、貿易バランスと資本フロー、そして世界的な政策の動向といった多様な要素が相互に作用しています。

 通貨の価値は単純な数字以上のものを反映しており、その向こうにはグローバルな経済活動、政策決定、そして市場心理が絡み合っています。さらに、現在の急激な円安トレンドがもたらす日本での労働市場で起こっている国内労働力の海外流出という問題。

 これに対処するためには、国内での労働条件の改善これらを先取りして、円安の進行による損失の影響を極力抑え、日本経済の持続可能な成長を実現する方向へ向かうことが重要だと思います。

~次回に続きます~


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