ベトナム伝統料理Hến xúc bánh tráng ヘンスックバィンチャン
Hến xúc bánh tráng(ヘン・スック・バィン・チャン)は、ベトナム中部の伝統的な料理で、特にフエ地方で人気があります。
この料理は、小さな川の貝(日本のシジミと同じ分類)「Hến」ヘンを主材料としており、香ばしい野菜、ハーブ、スパイスと炒めて作られます。
独特な点は、この炒めた貝「Hến」ヘンを薄くてカリカリのライスペーパー(バィン・チャン)に乗せて食べることです。
貝「Hến」ヘンはニンニク、レモングラス、唐辛子とともに炒められ、その香りと辛味が特徴的です。
盛り付けして食べはじめる際には、生の野菜やハーブ、さらにはピーナッツのトッピングを加え、豊かな食感と味わいを楽しめます。
ライスペーパーに具材をのせ、手で巻いて食べるスタイルは、親しい人たちとの食事にぴったりで、楽しみながら食べることができます。
1. 特徴
Hến xúc bánh tráng(ヘン・スック・バィン・チャン)は、ベトナム中部地方、特にフエ地方の特色を持つ伝統料理です。
主材料の「Hến」ヘン(小川の貝)は、ミネラル豊富でユニークな風味を与えてくれます。
※「Hến」ヘンは、別の記事で解説してみたいと思います。
これをさまざまなハーブ、香辛料とともに炒め、カリカリに焼いたライスペーパー「バイン・チャン」で包んで食べるのが伝統的なスタイルです。
野菜とハーブが加わることで、味わいはさっぱりとしていながらも、香り高い仕上がりとなります。
2. 歴史性と地域性
この料理はベトナム中部の貝が豊富な川沿いの地域で発展しました。フエは元々ベトナムの古都であり、王室の料理としてもその起源を持つと言われています。
地元の人々は川から採れる新鮮な貝を利用し、地元の食材を活かした料理方法を工夫しました。この地域性が、料理の独特な味わいと食文化を生み出しています。
3. 作り方
この料理はベトナムの伝統的なスナックで、特に雨の日にぴったりです。シンプルながらも絶妙な味わいが特徴です。
①材料(2人分)
ヘン(小さな貝またはタニシ)の肉:300g
にんにく(みじん切り):大さじ2
紫玉ねぎ(みじん切り):大さじ4
レモングラス(みじん切り):大さじ4
玉ねぎ:1個
魚醤:大さじ3
味の素:大さじ1
塩:小さじ1
砂糖:大さじ2
唐辛子:2本
ラオラム(ベトナムのハーブ):20g
②作り方
材料の下ごしらえ
ヘンの肉をきれいに洗い、水気を切ります。
玉ねぎは皮をむき、小さく切ります。
ヘンを炒める
中火でフライパンに油を熱し、にんにくを金色になるまで炒めます。
にんにくが金色になったら取り出し、同じ油で紫玉ねぎとレモングラスを炒め香りを出します。
ヘンを加え、2分ほど炒め合わせます。
魚醤、味の素、塩、砂糖を加えてさらに炒めます。
ヘンがしっかりと火が通ったら、玉ねぎ、スライスした唐辛子、ラオラムを加え、全体をよく混ぜます。
仕上げ
全てが均一に混ざったら火から下ろし、炒めたにんにくを再度加えて混ぜ合わせます。
熱いうちにクリスピーな米のクラッカー(バインダ)に盛り付け、家族や友人と共に楽しみます。
4. 食べ方
このHến xúc bánh tráng(ヘン・スック・バィン・チャン)は、特に、完成した貝の炒め物を、カリカリに焼いたライスペーパーの上に乗せ、その上に生の野菜(レタス、キュウリ、ハーブ類)を加えます。
これを手で巻いて、甘辛いタレ(通常はフィッシュソースベース)に浸して食べます。
ヌクマム魚醤やチリソースで味を調整すると、さらに美味しくいただけます。
甘みと旨味が詰まったヘンの肉と、スパイスの効いた香り高い味わいが特徴で、食感も楽しめる料理です。
手軽に作れる点と、味わいのバランスが良いことから、親しい人々との食事に最適です。
5. 人気度
ベトナム国内ではこの料理は家庭料理として、また地方の居酒屋や市場で一般的に提供される人気の料理です。
特にフエやその周辺地域では、観光客にも推奨される一品で、地元の食文化を象徴する料理として評価されています。
その独特な味と食べ方が、国内外の食通からも注目されています。
ベトナムを身近に感じて頂けると嬉しいです。
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