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ウィンター・ブレイク後に波にのったチームは? :: TW11-14 :: WSL Watch #041

WSLは2月の代表ウィークで中断するんで、1節〜4節までをチェックした"WSL Watch 003"、5節〜8節までをチェックした"WSL Watch 017"、年末年始のウィンター・ブレイクに入るまでの1節〜10節までを振り返った"WSL Watch #026"に続いて'TW = Table Watch'、つまり順位表の確認の第4弾、ウィンター・ブレイク明けの11節〜14節の振り返りを。"WSL Watch #034"でまとめた移籍マーケットがあったことも含めて、たった1ヶ月くらいの期間だったけど語るべきポイントがけっこうたくさんあったんで。

この期間に最も多く勝点を稼いだのは?

下に貼ったのは10節終了時点と現時点の順位表。11〜14節の4試合だから稼げる勝点は最大で12ってことになるんだけど、全勝で勝点12を加えたのはマンチェスター・シティだけで、チェルシーとアーセナルは勝点9、アストン・ヴィラは勝点7、マンチェスター・ユナイテッドとレスター・シティとウェスト・ハム・ユナイテッドは勝点6、リヴァプールとトッテナム・ホットスパーは勝点4、エヴァートンとブライトン&ホーヴ・アルビオンは勝点3、ブリストル・シティは勝点1加えたことになる。

10節終了時点の順位表
14節終了時点の順位表

獲得可能な勝点の半分以下しか獲れなかったチームについて先に触れとくと、勝点4のリヴァプールとトッテナム・ホットスパー、勝点3のエヴァートンとブライトン&ホーヴ・アルビオン、勝点1のブリストル・シティってことになるけど、ちょっと低調だったって言わざるを得ないかな。特にリヴァプールとトッテナム・ホットスパーはマンチェスター・ユナイテッドを捕まえられそうな順位にいるだけに、イマイチ不安定なパフォーマンスだったのがちょっともったいなかった。

優勝争いを左右する一戦を制したシティ

11〜14節の試合で一番注目を集めたのは、やっぱり代表ウィーク直前に行われた14節の首位と2位の直接対決、14節のチェルシー対マンチェスター・シティの6ポインターってことになる。"WSL Watch #040"でレビューしたんでここでは詳細には言及しないけど、チェルシーが勝てば抜け出しちゃいそうだったのをマンチェスター・シティが阻止して、勝点でも得失点差でも並んで総得点の数でチェルシーがギリギリ首位っていう熱い展開になってる。

マンチェスター・シティは年明けからの約1ヵ月で公式戦8戦8勝、リーグ戦は4連勝で、FAカップのラウンド5ではアーセナルに勝ってベスト8進出、コンチ・カップも準々決勝でトッテナム・ホットスパーに勝ってベスト4進出を果たしてるんで、全チームで一番調子がいいチームって言っていいはず。

個別に見ると、オランダ代表MFのジル・ロード(Jill Roord)の負傷離脱はものすごく痛いけど、チェルシー戦では若手のジェス・パーク(Jess Park)が見事な活躍でジル・ロードの穴を埋めてたし、1月の移籍マーケットではローラ・ブリンドキルデ・ブラウン(Laura Blindkilde Brown)みたいな期待のタレントも獲得したし、GKのキアラ・キーティング(Khiara Keating)の最近のプレイぶりも際立ってるし、もちろん、カディジャ・ショウ(Khadija Shaw)とかクロエ・ケリー(Chloe Kelly)とかローレン・ヘンプ(Lauren Hemp)とか長谷川唯とかアレックス・グリーンウッド(Alex Greenwood)といった主力選手は好調をキープしてるし、チームが好調なのも納得って感じ。リーグ戦だけじゃなくカップ戦も含めてタイトルと来シーズンのUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)出場権の獲得が十分期待できそう。

未だに取りこぼしがないチェルシー

直近のマンチェスター・シティ戦は負けちゃったけど、ここまでの全試合でチェルシーが勝点を取り逃がしたのは3試合だけ、具体的にはマンチェスター・シティ戦の引き分けと負け、アーセナル戦の負けだけなんで、いわゆるトップ4以外の8チームには全勝で、トップ4のチームで下位との対戦で取りこぼしがないのはチェルシーだけだったりするんで、やっぱり王者らしい強さは健在って感じ。

絶対的なエースであるオーストラリア代表FWのサム・カー(Sam Kerr)の負傷離脱はもちろん痛いんだけど、コロンビア代表FWのマイラ・ラミレス(Mayra Ramírez)を獲得したし、ローレン・ジェイムズ(Lauren James)は得点を量産してるし、選手層の厚さではやっぱりちょっと抜けてる印象があるかな、正直なところ...って書いてたら、代表ウィークに入った後の2月20日に悪いニュースが。アメリカ代表に合流したミア・フィシェル(Mia Fishel)が練習中にいわゆるACL、前十字靭帯を損傷したらしくて。まだ、詳細はよくわからないけど、通常であれば全治10カ月程度のケガなんでもちろん今シーズンは絶望だし、マイラ・ラミレスを獲ったとはいえ、サム・カーに続いて同じポジションの選手を欠くのはさすがにシーズン終盤に向けて大きな不安材料になりそう。

もうひとつ、選手層の厚さもあってなかなか出場機会を得られてない浜野まいかがコンチ・カップのサンダーランド戦でチェルシーの選手として初めてスタメン出場を果たしたのもこの期間のトピックだったかな。トップ・チームでの出場は年末のブリストル・シティ戦で途中出場して以来だったと思うけど。基本的には4-2-3-1の左WG起用で、カテゴリーが下のチーム相手だったんで基本的には攻める時間が長い試合だったんだけど、アシストもあったし、初スタメンとしては上々だったんじゃないかな、と。あと、ミア・フィシェルの負傷離脱で浜野まいかの出場機会が増えることになるのかも。

ちなみに、チェルシーはリーグ戦で首位なだけじゃなく、コンチ・カップのベスト4とFAカップのベスト8にも勝ち残ってるし、UWCLの決勝トーナメントにもグループ首位で勝ち抜けてるんで、現段階では全タイトルの可能性が残されてる。

メモリアル・マッチと痛恨の敗戦があったアーセナル

チェルシーと同じ3勝1敗で勝点9を稼いで上位2チームと勝点3差の3位のアーセナルは、すごく良かった出来事とすごくショッキングな試合があって、プラスとマイナスの振れ幅が大きいっていうか、なかなか評価が難しい感じだったのかな。先に良かった出来事に触れると、14節のホームでのマンチェスター・ユナイテッド戦でWSLの最多入場者数記録をまたまた更新したこと。エミレーツ・スタジアムでの試合では初めてのソールド・アウトだったらしいんだけど、結果的に60,160人も入って。今シーズンは開幕戦のリヴァプール戦、9節のチェルシーとのロンドン・ダービーでそれぞれ最多記録を更新してたんだけど、今回は初めての60,000人超え。試合内容も快勝だったし、文字通りメモリアルな試合だったって言えるんじゃないかな。

反対にショッキングな試合だったのは、残留争いをしてるウェスト・ハム・ユナイテッドとのアウェイ・ゲームでのこの期間唯一の敗戦。もちろん、残留争いをしてるチームとの対戦は簡単じゃないし、ウェスト・ハム・ユナイテッドは1月の移籍マーケットで積極的な補強もしてるんだけど、それでも、アーセナルにとってはやっぱり痛恨だったって言わざるを得ないかな。

試合内容としては、この期間を通じて全然悪いわけじゃないし、新加入のアメリカ代表SBのエミリー・フォックス(Emily Fox)なんかは早くも存在感抜群だし、総合的にはもちろん普通に強いんだけど。ただ、何となく不穏なムードが漂ってる感じもちょっとあって、今シーズンの3敗が全部トップ4以外(リヴァプールとトッテナム・ホットスパーとウェスト・ハム・ユナイテッド)だってこともあるし、ベスト16でマンチェスター・シティに当たっちゃったとはいえFAカップも敗退しちゃったし、そもそもUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグの本戦に進めなかったことも含めて、現地ではわりと厳しめの意見も多いっぽい。ただ、リーグ戦はチェルシーともマンチェスター・シティとも直接対決が残ってる(しかも、1巡目の対戦ではどっちにも勝ってる)んで、まだまだ全然可能性はあるんだけど。あと、3月に行われるコンチ・カップの準決勝はアーセナルの相手がアストン・ヴィラで、もう1試合の準決勝でチェルシーとマンチェスター・シティが潰し合ってくれるから、アーセナルとしては是が非でも優勝したいはず。

残留に向けて貴重な勝点を稼いだウェスト・ハム

上位3チーム以外でこの期間に勝点を多く稼げたのは2勝1分1敗だったアストン・ヴィラ、2勝0分2敗だったマンチェスター・ユナイテッドとレスター・シティとウェスト・ハム・ユナイテッドってことになると思うんだけど、それぞれのチームで意味合いは違ってる気がする。先にサラッと触れちゃうと、アストン・ヴィラに関しては、別にそれほど驚きはないっていうか、昨シーズンの調子がちょっと戻ってきた? くらいの印象だったりするかな。

この4チームで一番際立ったのはやっぱりウェスト・ハム・ユナイテッド。10試合で勝点5しか得られてなかったのに4試合で勝点6を得られたんだから、他のチームにとっての勝点6とは重みが全然違ってる。しかも、勝った相手も最高で、林穂之香がゴールを決めたブリストル・シティとの直接対決での勝利は残留争いの6ポインターだったし、普通に考えれば勝点が計算できる相手じゃないアーセナルに逆転勝ちしちゃったのはただただビックリだったし。

ウェスト・ハム・ユナイテッドに関しては、やっぱり即戦力を積極的に補強した1月の移籍マーケットでの動きが大きかったのかな。移籍マーケットを総括した"WSL Watch #034"と重複するから詳しくは言及しないけど、特にオーストラリア代表MFのカトリーナ・ゴリー(Katrina Gorry)は期待通りっていうか大当たりっていうか、十分なインパクトを残してる。林穂之香との補完性もポイントで、ブリストル・シティ戦もアーセナル戦も林穂之香のプレイが出色だったんだけど、少なからずカトリーナ・ゴリー加入の影響もありそう。もちろん、ウェスト・ハム・ユナイテッドがこの期間で一気に勝点を稼いだようなことがブリストル・シティに今後起こらないとは言えないから油断はできないし、まだまだ安全圏って言える感じではないと思うけど、ブリストル・シティとの勝点差を5にできて、ブライトン&ホーヴ・アルビオンも残留争いに巻き込めたのは率直にすごく大きい意味があるはず。

上位争いから後退したユナイテッド

4試合で勝点6は稼いだけど、チェルシーとアーセナルとの直接対決で両方負けて3位のアーセナルとの勝点差が7に広がった4位のマンチェスター・ユナイテッドは、残念ながら優勝(とUWCL出場権)争いから脱落しかかってるって言わざるを得ないのかな。結果だけじゃなく内容的にも力の差を見せつけられた感じで、けっこうダメージが大きい負け方だったし。このまま調子を崩したらリヴァプールとかトッテナム・ホットスパーと4位を争うことにもなっちゃうかも? とか思ったりして。

1月の移籍マーケットで補強がなかったこととか、宮澤ひなたが長期離脱しちゃってることとか、マンチェスター・ユナイテッドがイマイチ波に乗れない要因はいくつかあると思うけど、やっぱり、根本的には夏にアーセナルに移籍したイングランド代表FWのアレッシア・ルッソ(Alessia Russo)の穴が埋まってないこと、いわゆる9番ポジションのファースト・チョイスが固まってないことが大きいのかな。最近好調なニキータ・パリス(Nikita Parris)が8点取ってるけど、夏に補強したメルヴィン・マラード(Melvine Malard)が4点、ジェイゼ(Geyse)と宮澤ひなたが1点ずつっていうのは、期待通りとは言えないと思うんで。

そもそも、メンズ・チームも含めたオーナー問題なんかの影響もあったりしたみたいだし、監督のマーク・スキナー(Marc Skinner)に対する風当たりが強くなってるなんて話も聞くし、今後の巻き返しに期待したいけどなかなか簡単じゃなさそうかな。ただ、FAカップはベスト8まで勝ち上がってる。

籾木と宝田が存在感を放つレスター

レスター・シティに関しては、贔屓目抜きでやっぱり1月の移籍マーケットで獲得した籾木結花と宝田沙織のプレイが光ってる。2人ともウィンター・ブレイク明けのリーグ戦4試合とFAカップ2試合とコンチ・カップ1試合の公式戦7試合全てに出場してて、再開後初戦のFAカップのダービー・カウンティ戦だけは籾木結花が後半頭からの出場だったけど、それ以外の試合は2人とも全てスタメン出場で、直近のブリストル・シティ戦では2人揃ってリーグ戦初ゴールも決めてて。レスター・シティがこの期間に勝点6獲得できた原動力になったって言って間違いないはず。

宝田沙織は4-2-3-1か4-3-3のCMF、いわゆる6番での起用が基本なんだけど、強度も運動量もサイズもあるし、両足を使ってボールを捌けるし、順調に成長しながらWSLのレベルとかスタイルにフィットしていけばかなりスケールが大きなCMFになりそう。今後の伸びしろも含めて、個人的にはかなり期待してる。

籾木結花は4-2-3-1なら2列目のサイドか中央、4-3-3ならWGかインサイドMFで起用されてる感じだけど、基本的にどこのポジションで使われても違いを作れる選手として存在感抜群。年齢的にもキャリア的にも即戦力になってくれることが期待されてたとは思うけど、控えめに言っても期待通りか期待以上かってくらいのプレイは見せれてる印象かな。身体は小さいけどそこまで軽さは感じさせないし、小さい身体を上手く使って大きな相手選手の懐に入り込むようなプレイも上手いし、左足のキックは精度が高いし強くて長いボールも蹴れるし。キープ力もあってワンタッチも上手くて展開も変えられるから、個人的にはWGよりも内側の3レーンで、できれば宝田沙織をアンカーに置いた4-3-3のインサイドMFで使うとビルドアップも上手く助けてくれるし、長いボールで展開も変えてくれるから理想的だと思うけど。ただ、その辺は他の選手との兼ね合いとか対戦相手との力関係によって変わってるみたいだから、チームとしてのファースト・チョイスはまだ固まってないのかな。どんなカタチでも使われる選手って立場を確保できてるのは間違いないと思うけど。

"WSL Watch #038"でWSLでプレイする日本人選手の増加に関する『BBC』の記事を紹介した通り、レスター・シティのウィリー・カーク(Willie Kirk)監督曰く、別に日本人選手をセットで獲ったってわけじゃなくて、有望な6番タイプを探してたらスウェーデンのリンシェーピングでプレイしてた宝田沙織が目に留まって、夏に獲得しようとしたけど話がまとまらなくて、冬の獲得を目指して引き続きチェックしてたらリンシェーピングでチームメイトだった籾木結花にも気付いて同じタイミングで獲得したって経緯だったらしいけど、そこでUWCLの予選リーグのアーセナル戦の話なんかも出てて、「やっぱりヨーロッパのリーグでプレイしてるとチャンスは広がるんだな」とか思いつつ、適切なスカウティング・リソースを使って選手を探してることとか、でも、そこには偶然もあって、そこで迅速に決断してて、結果的にこんなに効果的な補強になったってのは、なかなか興味深い流れだな...なんて思ったりもして。

レスター・シティについては、個人的には今シーズンの早い時期から注目してたチームなんだけど、ちょっと認識を改めなくちゃいけないこともあって。別に悪い意味じゃないんだけど。"WSL Watch #005"だったからけっこう早い時期だったと思うけど、GKのヤニナ・ライツィヒ(Janina Leitzig)に言及した記事で「ボックス外でのプレイが印象的なGK」なんて書いたんだけど、実はウィンター・ブレイク明けの試合ではヤニナ・ライツィヒは試合に出てなくて、代わりに出てるのは25歳のオランダ人GKのリゼ・コップ(Lize Kop)なんだけど、リゼ・コップも普通にボックス外で積極的にビルドアップに関与してて。つまり、今シーズン開幕当初のレスター・シティの試合を観て、「女でもこんなに大胆にビルドアップに関わるGKがいるんだな」って思って、これはヤニナ・ライツィヒの特徴だと勝手に思っちゃったんだけど、実際はそうじゃなくて、チームとして取り組んでること、チームとしてどのGKにも求めてることだったらしい、と。少なくとも2人のGKのプレイを観る限りでは。だから、認識を改めるって言っても別に下方修正するって話じゃなくて、むしろ逆なんだけど。基本的にGKからのビルドアップに取り組む姿勢には好感を持ってたんだけど、たまたますごく適性があるGKがいたからGKも積極的に組み込んでるってことじゃなくて、とにかくGKをビルドアップに組み込むんだっていう強い意志だと思うんで。「思ってた以上に腹を据えて取り組んでるんだな」って思わざるを得ないっていうか。現状でヤニナ・ライツィヒが使われてない理由がケガなのか純粋な競争の結果なのかはわからないんだけど。

とはいえ、理想はあくまでも理想で現実は現実だって側面ももちろんあって、0-2で負けた13節のマンチェスター・シティ戦と5-2で勝った14節のブリストル・シティ戦でわかりやすいコントラストが出たっていうか、良くも悪くもレスター・シティの現状を示してたのかな...って思ったりもしたんだけど。まずシンプルに対戦相手の質が違うし、相対的な力関係が当然違ってて、ブリストル・シティ相手には存分に発揮できてたレスター・シティの狙いとか良さとかはマンチェスター・シティ相手にはほぼほぼ出せなくて、やりたいことをむしろやられちゃった感じで。点差以上の差を感じちゃったっていうか。もちろん、シンプルに個々の選手の質も違えばそのレベルの選手の数も違うし、チームとしての戦術的な練度も違うってことなんだけど。この2試合を比べながら観てみると、レスター・シティの現状が把握できる感じ。もう、けっこう残酷なくらい。基本的に終始相手を圧倒できたブリストル・シティ戦の失点がGKからのビルドアップのミスとネガティヴ・トランジションのちょっとしたズレからだった点も含めて。ただ、今シーズンのレスター・シティが面白い取り組みをしてるのは間違いないし、おそらくWSL残留は問題ないだろうから今後もチームの練度を高めることに注力できるだろうし、FAカップはベスト8に勝ち残ってることも含めて、やっぱりすごく楽しみなチームであることは間違いないかな。

代表ウィーク明けの注目の試合は?

代表ウィーク明けのスケジュールを見てみると、まずはいきなり3月3日の15節でアーセナル対トッテナム・ホットスパーのノース・ロンドン・ダービー。"WSL Watch #024"でレビューした1巡目の対戦ではトッテナム・ホットスパーがメモリアルって言っても過言じゃない勝利だったんで、いろんな意味でアーセナルとしては絶対に負けられない試合になるはず。

その翌週はちょっとトリッキーで、ミッドウィークの現地時間3月6日・7日にコンチ・カップの準決勝のアーセナル対アストン・ヴィラとマンチェスター・シティ対チェルシーがあって、週末にはFAカップの準々決勝があるんでどっちも勝ち残ってるチェルシーとマンチェスター・シティはなかなか大変そう。

その次の16節はチェルシー対アーセナルの直接対決で、"WSL Watch #020"でレビューした通り、1巡目の対戦はアーセナルが快勝してる。このタイミングでどういう状況になってるかはわかんないけど、優勝争いを左右するビッグ・マッチになることは間違いないかな、やっぱり。ただ、ちょっとだけ残念なのは、この試合は現地時間の金曜日の夜の予定されてること。週末にスタンフォード・ブリッジでやれればいいのに...ってやっぱり思っちゃうかな。キングスメドウってカメラの位置が低くてあんまり観やすくないし。ともあれ、アーセナルはリーグ戦2試合連続でビッグ・マッチで、しかも、その間にコンチ・カップの準決勝もあるんで、代表ウィーク明けの時期はアーセナルがキーになるってことなのかな。とはいえ、チェルシーはチェルシーでコンチ・カップの準決勝のマンチェスター・シティ戦があるし、アーセナル戦の後のミッドウィークにはUWCLの準々決勝のアヤックス戦の1stレグがあるから、かなり大変なことになりそうなんだけど。

その翌週、17節はマンチェスター・シティ対マンチェスター・ユナイテッドのマンチェスター・ダービー。1巡目の対戦は、"WSL Watch #015"でレビューした通り、わりとマンチェスター・シティが圧倒した試合だったって言っていいと思うけど、マンチェスター・ユナイテッドも意地は見せたいだろうし、優勝を目指すマンチェスター・シティにとっては越えなきゃいけない大きな関門の1つってことになるのかな。ちなみに、この試合は土曜日のランチタイム・キックオフで会場はエティハド・スタジアム。昨シーズンもマンチェスター・シティのホームのこの対戦はエティハド・スタジアムだったんだけど、その試合の入場者数は44,259人で、今シーズンの1巡目にオールド・トラフォードでの試合も43,615人入ってるんで、今回も熱いダービーになりそう。

3月の最終週の18節は、状況がどうなってるかわかんないけど残留争いをしてるかもしれないウェスト・ハム・ユナイテッド対ブライトン&ホーヴ・アルビオンがあったりして。もちろん、どっちも多少は余裕がある状態でこの試合を迎えてたいだろうけど。

4月の頭にまた代表ウィークが入るんで、とりあえずは3月末の18節までが一区切りになりそう。ちなみに、3月末にはコンチ・カップの決勝もあるし、FAカップもベスト4まで出揃ってるはず。

不確定要素としてのゴールド・カップ

2月の代表ウィークは、ヨーロッパでは(前に"WSL Watch #007"で触れた)オリンピック予選も兼ねてるUEFAウィメンズ・ネイションズ・リーグ(UWNL)の準決勝と3位決定戦と決勝があってフランスとドイツ、スペインとオランダが準決勝で対戦して、さらにリーグ間の入れ替え戦もあって、UWNLに絡んでない国は親善試合をやってて、アジアでもオリンピック予選があったりするんだけど、アメリカ大陸ではゴールド・カップが開催されることになってて、コレがなかなかトリッキーっていうか、WSLにも影響を与えそうな不確定要素を含んでて。

個人的に全然詳しくないからちょっと調べてから改めて近いうちに別の記事として書こうと思ってるけど、ゴールド・カップってのは北中米カリブ海地区の代表チームのチャンピオンを決める大会、つまり、ヨーロッパにおけるユーロとか南アメリカにおけるコパ・アメリカとかアジアにおけるアジア・カップとかアフリカにおけるアフリカ・カップ・オブ・ネイションズに該当する大会なんだけど、1月に行われてたメンズ・チームのアジア・カップとかアフリカ・カップ・オブ・ネイションズがそうだったように、大会日程が代表ウィークに収まってないから選ばれた選手はチームが勝ち残ってる間はクラブ・チームから抜けることになるっぽくて。大会概要自体もちょっとトリッキーだったりするし、案外あっさりチームが負けちゃったら早めに戻れたりもするみたいだし、どこのチームから誰が選ばれてるのかも含めてちゃんと確認しなきゃなんだけど、終盤に向かうWSLのリーグ戦にちょっと影響を及ぼしそうな感じっぽい。

* 2月26日 追記:「ゴールド・カップがWSLに与える影響は?」って内容の"WSL Watch #042"を公開済み。

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