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チェルシーが早くも独走? :: TW05-08 :: WSL Watch #017

8節まで消化して代表ウィークに入ったんで、"WSL Watch 003"に続いて'TW = Table Watch'、つまり順位表の確認の第2弾、先月の代表ウィークから今月の代表ウィークまでの5節〜8節編を。全22節なんで消化率としてはもう1/3を超えた感じで、今シーズンの特徴とか傾向とかがいろいろ見えてきた感じがしてる。

実力があるチームが順当に上位に

現段階=8節終了時の順位と"WSL Watch 003"の時点=4節終了時の順位は以下の通り。

8節終了時のリーグ・テーブル
4節終了時のリーグ・テーブル

チェルシーとアーセナルが4戦全勝

5節〜8節を4連勝で駆け抜けて勝点12を稼いだのはチェルシーとアーセナルで、チェルシーは未だに負けナシの首位、7位から2位まで順位を上げたアーセナルが勝点3差で追う展開に。

並行してUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)も戦ってるチェルシーは、アウェイでのレアル・マドリード戦こそ2-2のドローだったけど、ホームでのパリFC戦は4-1で快勝しててこの期間の公式戦6戦を5勝1分、しかも、全試合複数得点で、リーグ戦でも6点、3点、5点、5点って感じで、圧倒的な得点力が爆発中。しかも、7節のリヴァプール戦ではローレン・ジェイムズ(Lauren James)、UWCLのパリFC戦ではサム・カー(Sam Kerr)がハットトリックまで達成してて、点を取るべき選手がしっかり取れてる盤石の闘いって印象かな。"WSL Watch #009"で触れた通り、今シーズン限りでエマ・ヘイズ(Emma Hayes)監督が退任することが決定してるんだけど、それもチームを団結させる要因になってる感じもあったりして。ただ、この期間にトップ4との直接対戦はなくて、1巡目のアーセナル戦とマンチェスター・ユナイテッド戦をまだ残してたりするんだけど。逆に言えば、アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドがチェルシーの勝点を削れなければ、チェルシーが独走態勢に入っちゃいそう。

シーズン序盤はちょっと躓いて4節終了時点では7位だったアーセナルも、持ち前の実力を発揮して順調に順位を上げてきてる。5節のマンチェスター・シティとの直接対決で勝てたのがメチャメチャ大きかったっつうか、ターニング・ポイントになったのかな。実は内容的にはマンチェスター・シティのほうが優勢だったと思うけど、試合終了間際にGKのミスから奪ったゴールが決勝点になったって展開も含めて、大きな意味があった気がする。その後の3試合は6点、3点、3点って複数得点も奪えてるし、直近の2試合はクリーンシート。しかも、けgで長期離脱してたベス・ミード(Beth Mead)とフィフィアネ・ミデマ(Vivianne Miedema)も復帰して、特にベス・ミードは7節のブライトン&ホーヴ・アルビオン戦で初スタメン、8節のウェスト・ハム・ユナイテッド戦では復帰後初ゴールを含む2得点を決めてるし。あと、カイラ・クーニー・クロス(Kyra Cooney-Cross)が6節のレスター・シティ戦からスタメン起用されてて、8節のウェスト・ハム・ユナイテッド戦では2アシストを記録してたりして、早くも確実に存在感を発揮してるのもちょっと嬉しかったりして。"WSL Watch #012"でも取り上げてるように、個人的に注目してるんで。ちなみに、並行して行われてるリーグカップでも2連勝しててこの期間の公式戦は6戦全勝。戦力も整ってきてるしチェルシーを追撃するポテンシャルを持つ最有力チームはやっぱりアーセナルなのかな、と。ちなみに、今シーズンのタイトルの行方を大きく左右しそうなチェルシーとの直接対決は今回の代表ウィーク明けの9節だったりするんだけど。

マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールも好調

上位2チームに次ぐ勝点7を稼いだのがマンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールで、どっちも2勝1分1敗。マンチェスター・ユナイテッドの順位は変わらず4位だけど、リヴァプールは6位から5位に順位を上げてトップ4に喰らいつく位置につけてる。

マンチェスター・ユナイテッドは、"WSL Watch #015"でレビューしたマンチェスター・シティとのダービーこそ落としちゃったけど、他の3試合ではしっかり勝点を稼げてる。"WSL Watch #013"でも取り上げたけど、チーム自体の自力はあるし、直近のブリストル・シティ戦で宮澤ひなたに待望の初ゴールが生まれたことも含めて、チーム状態は悪くない感じ。ウィンター・ブレイク明けのシーズン前半戦の最終戦でチェルシーとの直接対決があるんで、そこまでは取りこぼさずにいきたいかな。

リヴァプールはここまでトータルで12ゴールなんで得点力はちょっと物足りないけど、失点はまだ9点でトップ4とそれほど変わらない少なさ。しかも、その中の5失点はチェルシー戦だったりして、かなり堅実にしぶとく闘えてる印象かな。ちなみに、長野風花は全試合フルタイム出場継続中だったりする。

対照的なマンチェスター・シティとアストン・ヴィラ

マンチェスター・シティとアストン・ヴィラはどっちも2勝0分2敗で勝点6なんだけど、チームの状況としてはだいぶ違うっていうか、ちょっと対照的な印象かな。

"WSL Watch #008"でも取り上げたマンチェスター・シティは、アーセナル戦はともかくとしても、ブライトン&ホーヴ・アルビオンにも負けて連敗を喫したのが痛すぎた。"WSL Watch #015"でレビューしたその直後のマンチェスター・ダービーでは快勝して勢いを取り戻して、直近のトッテナム・ホットスパー戦では7ゴールの大爆発だったんだけど。それでも、近年のWSLの優勝チームを見るとシーズンで2〜3敗しかしてないんで、優勝を狙うならこれ以上の負けは避けたいところ。ちなみに、長谷川唯は相変わらず普通に主力として活躍してる。

昨シーズンはトップ4に迫る成績だったにも関わらず、開幕から4連敗、代表ウィーク明けのチェルシー戦でも大敗を喫してまさかの開幕5連敗スタートになったアストン・ヴィラだけど、6〜7節は連勝してなんとか勝点6をゲット。昨シーズンに比べればもちろん全然物足りないんだけど、とりあえず最悪の状況からは脱した印象かな。

苦しい状況のウェスト・ハム・ユナイテッド

その他のチームでは、エヴァートンとブライトン&ホーヴ・アルビオンがどっちも1勝2分1敗で勝点5、昇格チームのブリストル・シティが1勝1分2敗が勝点4を稼いだのが健闘って言えるのかな。特にブリストル・シティは残留争いの直接的なライバルになりそうなウェスト・ハム・ユナイテッドとの直接対決で嬉しい今シーズン初勝利を挙げられたのはすごく大きかったはず。負けはしたけど8節のマンチェスター・ユナイテッド戦ではクラブ・レコードの入場者数を記録したことも含めて、流れは悪くなさそう。

"WSL Watch 003"でシーズン序盤のサプライズ・チームとしてトッテナム・ホットスパーとレスター・シティを挙げたけど、両チームともちょっと足踏みって感じ。トッテナム・ホットスパーが0勝3分1敗で勝点3、レスター・シティは0勝1分3敗で勝点1なんで。ただ、個人的には、"WSL Watch #016"で取り上げた直接対決も面白かったし、他の試合も内容的にはどっちもそれほど悪いわけじゃないし、結果的にどっちも大敗だったけど直近の試合ではトッテナム・ホットスパーはマンチェスター・シティに、レスター・シティはチェルシーに真っ向勝負を挑んでたし、トッテナム・ホットスパーはドローこそ多いけどまだ2敗しかしてないし、そもそも両チームとも昨シーズンは残留争いをしてたチームだってことを考えれば、ここまでは全然上出来だと思うけど。

この期間の成績が0勝0分4敗で勝点を得られなかったのがウェスト・ハム・ユナイテッド。清水梨沙と林穂之香と植木理子は主力としてほぼほぼフル回転、特に清水梨沙はSBとCBとCMFで起用されるくらいの奮闘っぷりなんだけど、ブリストル・シティとの直接対決を落としたことも含めて、チームの状況としてはかなり厳しいって言わざるを得ないかな。もともと力があるアストン・ヴィラの調子次第では、ブリストル・シティとの残留争いになりかねないと思うんで。さっそく、1月の補強の噂なんかも出てたりするけど、いろいろテコ入れが要りそうかな。

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