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パレスチナを訪れてみて【JVC英語ボランティアが行ってみた】


こんにちは!

今回は素敵なゲストをお招きして、記事を書いていただきました✨
JVCで英語ボランティアをしている、後藤美紀さんです。

後藤さんは2019年9月に10日間、パレスチナを訪問。渡航するまでは現地のことについて、あまり詳しくは知らなかったそうです。
実際に行ってみて、どのようなことを感じたのでしょうか。

今回の記事で出てくるのは、こちらの場所です!
(出典: Google Mapsに筆者加筆)

パレスチナの歴史や、いま起きていることについての解説記事はこちら。

パレスチナへの旅立ち

2019年9月にパレスチナに行ってきました🇵🇸

中東って危ないんじゃない?
紛争してるんでしょ?
そもそも行けるの?

はい、そう思っているそこのあなた!
大丈夫です、全然行けます!!むしろ私は現地の人の優しさと美味しいご飯のお陰で出発前より健康になって帰ってきました✌️

女の子1人で行くなんて許可できない!と家族総出で止められた渡航でしたが
どうしても自分の目と肌で
パレスチナという自治区と、現状の問題を見て、感じたくて
百聞は一見にしかずだから!!航空券もう買ったし!」と旅立ちました✈️

世界一審査が厳しいと言われる
イスラエルのベン・グリオン国際空港、
とても緊張しましたが通過してしまえばこっちのもんです。(入国審査長かった。。。)


いざパレスチナへ!

現地に着いてしまえば
とても生活しやすく、魅力的な観光地やお土産も多くありあっという間に10日間が過ぎました

ラマッラーの市場。このごちゃごちゃ感が私は大好きなんです!

ベツレヘムで有名な工芸品店。パレスチナには素敵なお土産がたくさん!

イスラエルのマサダ遺跡にて。滞在先から行くまでが大変でしたが、広大な遺跡と死海(奥に見える海が死海です)に感動しました!ところどころにイスラエルの国旗が。

ベツレヘムにバンクシーが手がけた「The walled Hotel」。占領に対する皮肉がこめられて展示品がずらり。

到着して早速感動したのが現地の人の優しさ
外国人が珍しいのもあるかもですが外を歩けばひっきりなしに
Hello!」「Welcome!」と声をかけられ
困ってキョロキョロしていると向こうから「どうしたの?」と助けてくれて
滞在中はパレスチナ人の温かさにたくさん助けられました☺️。

偶然寄ったお土産屋さんではお店の人がわざわざお店を閉めて(営業時間中)車で観光に連れて行ってくれたことも(笑)
自由だな〜

JVCがフェアトレードで刺繍を購入している難民キャンプの前にあるお土産屋さん。車を出してくれたのは笑顔がキュートなこちらのおじさま。

そしてご飯がとても美味しい!!
個人的にはクナーファ(中東スイーツ)フムス(ひよこ豆のペースト)が大好きで
一緒にいた友達と街の人に聞きまくって探し回った日もありました(笑)

探し求めたクナーファ、甘党にはたまらない美味しさです!!

しかし楽しいだけでは終われません。
パレスチナの人々の日常の中にある『占領』『分離壁』『検問所』。

イスラエルとの国境を隔てる分離壁は西岸側に大きく食い込む形で建てられ、
ベルリンの壁は崩壊されて30年経つというのにパレスチナでは日々壁が増えているという現実に衝撃を受けました。

ベツレヘムの分離壁。色々な人がペイントをしていて、日に日に絵が増えているんだとか。

パレスチナ内でさえ行き来を阻む検問所。
外国人の私も、小さい赤ちゃんでさえ例外なく通らないといけません。
滞在中ほぼ毎日通りましたが何回通っても慣れることはなく毎回緊張が走ります。

忘れられない光景

忘れられない光景が1つあって、
ベツレヘムを案内してもらっているときです。
検問所は中が見えないようになっていて、出てきた小学生くらいの男の子が服を着ながら出てきました。
ガイドの方が「中ではああやって無意味に服を脱がせたりと『占領ハラスメント』が日常茶飯事なんだ。そのせいで学校に行くのを諦める子どもも増えているんだ」と。
色んな感情がこみあがり何も言葉が出ませんでした。

ベツレヘムを案内してくれたガイドの方は家族が難民キャンプで暮らしていて
離れ離れで暮らしていると目に涙を浮かべながら話してくれました。

ベツレヘムの難民キャンプ。いつか家に帰るという願いをこめて鍵がモチーフになっているそうです。

ベツレヘムを案内してくれたガイドさん。必死に現状を説明してくれました。

ヘブロンにて。入植者による嫌がらせで上からごみが投げ捨てられとんでもない量に。中には人に当たったら怪我してしまうようなものまで。

現地の方から聞くお話は耳を塞ぎたくなるような
理不尽な仕打ちや事件ばかりで。。。
けれどこういった現状があるんだと知らなければならない、そのためにここに来たので、必死に聞いてきました。

人は温かく、観光やツアーを楽しむ反面、
毎日どこかで家を壊された、無実で逮捕された、など身近で起こる占領を見聞きし
自分は呑気に観光を楽しんでいてもいいのだろうかと悩むこともありました。

パレスチナ人は通ることを禁止された道。いたるところにイスラエルの国旗がみせしめかのように置いてあり、外国人の特権で歩いてきましたがとても切ない気持ちになりました。

パレスチナで感じた憤りと、私にできること

外国人の私にはイスラエルの兵士も
日本大好きなんだ!ようこそ!」と笑顔で話しかけてくれます。
(銃を持ちながら笑顔で言われる違和感すごい・・・)

銃を持ち冷酷に見える彼らも同じ人間。優しさを持っている。
生まれた場所が違うだけでこんなにも人への接し方が変わってしまうなんて
彼らをそんな風にした世界はどこまでも理不尽だなと、どこにもぶつけようのない憤りを感じたり。

国際協力に携わりたい、支援活動したい
そんな想いを持って現実を見に来た今回の渡航でしたが
いざ問題を目の前にすると自分にできることなんて何もないじゃないか。。。
自分はなんて無力なんだろうと思い知りました。

鼻をへし折られしばらくへこんでいましたが
へこんでいたって何も変わらない、無力さを感じるのは勝手。
もっと日本人にパレスチナの現状を知って欲しい
という、パレスチナで友達になった子の言葉を思い出し、
現在中東について勉強中です。(行く前まで知識ほぼ0だったので泣)
アラビア語は難しくて半泣き、いや号泣です。
教えてくれる人募集中です🙋🏻‍♀️

今回のパレスチナでの経験は
言語化しまとめるのが難しく今更の投稿になってしまいましたが
心の底から行って良かったと、文章を書きながら改めて思います。
経験に勝る知識はない」というのも一理あるなと。

占領下のなか生きているパレスチナの人々の優しさに触れ
こんな厳しい生活のなか、赤の他人にさえも優しく、助けてくれる彼らはなんて強いんだろうと胸を打たれ、普段の自分の人に対する接し方も見直すようになりました

機会があればまた必ず行きます!
そして今回の滞在でお世話になったJVCのスタッフさん、出会った現地のガイドさんや優しくしてくれた人たち、現地を一緒にまわってくれた友達、
嫌々ながらも渡航を許可してくれた(実際には多分されてない笑)家族には感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!!
シュクラン🙏🏻✨

エルサレムの嘆きの壁にて。

バスを待っていたら、通りかかったお兄さんたちが「ようこそパレスチナへ!」とチョコレートをくれました。本当に素敵なおもてなし精神です☺️✨

ベン・グリオン空港の洗礼の証。預け荷物、手荷物ともにくまなくチェックされます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます☺️
後藤さんが現地で見てきたこと、感じたこと、いかがでしたでしょうか。


今回の渡航を機に、後藤さんはJVCでパレスチナに関するイベントなどにも参加するようになったそうです。
その1つが、2月に開催されたパレスチナ刺繍の体験会。当時の模様は以下の記事からご覧いただけます。

⚠️新型コロナウイルス感染拡大の影響で、次回開催予定は未定です。

後藤さんが現地で虜になったというパレスチナ刺繍。
日本でもハンドメイド作品のオンラインストアminne、Creemaでご購入いただけます💐

JVCのパレスチナでの活動はこちらから。
日本からすぐにできることもご紹介しています✨

2019年度パレスチナ事業インターンが渡航して感じたことも記事にしています。
ぜひこちらも合わせてご覧ください!

JVCのパレスチナ事業では、現地に暮らす人びとの意思を応援する形での支援を行なっています。また、パレスチナの問題を日本社会にも伝えることで、一人ひとりが取り組むための橋渡し役を担うことも試みています。 サポートしていただいた分は全額、JVCのパレスチナ事業に寄付いたします。