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夏のむくみに干し椎茸

暑い夏、つい冷たいものを摂りすぎたり、エアコンのきいた部屋で体を冷やしてしまうことも少なくありません。冷えは体の機能のコントロールを妨げがちで、腸の運動低下で便秘になったり、余分な塩分や水分を体外にうまく排出できずむくみがでたりと、いい影響を与えない。と、わかっていも我慢できない時や、職場環境でどうにもならないこともある。そんな時は、食生活を工夫するのも一つの方法です。


女性は体質的にむくみやすい

一般的に、男性よりも筋肉量が少なく心臓から血液を送り出す力が弱いことと、毎月ホルモンのバランスが変わることからも、水分が溜まりやすいと言われます。男性よりもオフィスワーカーが多く、一日座っていることも少なくありません。そのため女性は男性よりも、むくみやすく便秘になりやすいのだそうです。


むくみ、便秘に役立つ干し椎茸

むくみ、便秘は不快でしかありません。
オフィスワークで一日座りっぱなしの夕方の脚、朝起きた時のパツンパツンの顔、下腹が重くて固いようなあの感覚、何とかしたいと思う瞬間ありますよね。はじめはそれほど気にしてなくても、何日もその状態が続くとさすがにストレス。そんな不快感の改善に、干し椎茸が役に立つかもしれません。

干し椎茸に栄養がギュッと詰まっていることはよく知られていますが、実際こんなにたくさんの栄養素が含まれています。

干し椎茸に含まれる栄養素
 ★ カリウム(生椎茸の約7倍)
 ★ 食物繊維(生椎茸の約9倍)
 ★ ビタミンD(生椎茸の約30倍)
 ★ グアニル酸
 ★ レンチオニン
 ★ エリタデニン

このなかで
特に、むくみ、便秘の解消に一役かってくれる主な栄養素はこの2つ。
 ★★ カリウム … 余分な塩分を排出し細胞の働きを正常に保つ
          血圧を調整する作用がある
 ★★ 食物繊維 … 腸のぜん動運動を促し排便を助ける
          血糖値の上昇を緩やかにする
          免疫の向上

ビタミンDやグアニル酸など、動脈硬化や血栓予防作用のあることも書きたいのは山々ですが、これを書いている私がそもそも長い文章を読まないことが多いので、「むくみ」にしぼってまとめています。


干し椎茸のイメージ

むくみ、便秘の解消にお役立ち食材である干し椎茸も、20代30代の方100名にアンケートをとった、あるサイトの結果では「美味しい」「出汁がでる」「栄養が豊富」「体にいい」「保存がきく」「煮物など和食に使う」「手間がかかる」「戻すのが面倒」「高価」という回答。手間がかかる、面倒というイメージもあるようです。


放置すると旨味が増す干し椎茸の戻し方

そこで、原木椎茸を育てている農家さんから教わった、手間をかけずさらに美味しくなる干し椎茸の戻し方をまとめました。

1、密閉容器に干し椎茸を入れ水を入れます
2、なるべく空気を残さないように蓋をしめ、冷蔵庫へ
3、約24時間~48時間そのまま放置

とっても簡単、手間はかかりません。
使う数時間前に戻す、急いでいる時はレンチンという方法もあり、それはそれで美味しいのですが、冷蔵庫でじっくり戻すと旨味がじわじわ抽出され、香りと味の深みが増します。

48時間後 ※色補正なし

出汁だけ使って戻した椎茸が残ってしまいそうな時は、サッと茹でジップロックに入れておくと冷蔵庫で2~3日は保存できます。薄くスライスしておくと、炒め物、煮物にスグ使えます。出汁は癖がないので、焼きそば、炒飯、野菜炒め、うどん、炊込みご飯、何にでも使えて便利。


干し椎茸とベーコンの塩バター炊込みご飯

じわじわ抽出した干し椎茸の出汁で作る炊込みご飯は、とてもシンプルなのに、何杯でもいけてしまうほど美味しい。

細かく刻んだ干し椎茸とベーコンを、干し椎茸の出汁と塩のみで炊込みご飯にし、炊きあがりにバターを混ぜ込み蒸らすだけ。器に盛ってから、ブラックペッパーや山椒など好みの香辛料をふったり、胡麻や桜エビをトッピングをしたりといろいろ楽しめます。残った炊込みご飯は、焼きおにぎりにしてお弁当に入れても美味。

干し椎茸とベーコンの塩バター炊込みご飯


干し椎茸のルーツ

和のイメージを抱かれやすい干し椎茸は、中華料理、台湾料理、韓国料理にもよく使われます。『四川、広東、上海、北京』の四大中華料理や台湾料理でも、スープや炒め物などの出汁であり、餃子、包子、春巻きの具材としてもお馴染み。韓国料理では、スンドゥブに入れたりナムルにしたりと、とてもポピュラー。

それもそのはず。もともと干し椎茸は、中国から帰国した弘法大師(空海)が伝えたことが始まりなのだそうです。干し椎茸だけでなく、乾物の多くは中国で生まれているようで、乾燥させることで保存がきくだけでなく旨味が増す、栄養価がさらに上がることをよくわかっていたのでしょう。医食同源の国の知恵です。

日本では、旬の野菜を食すことでその時期に必要な栄養素を摂るのが基本でした。だから夏には茄子や胡瓜といった、体内に熱がこもらないよう水分の多い野菜が旬を迎えます。ですがライフスタイルが大きく変わり、夏でも体が冷える機会が増えました。水分の多い野菜でさらに、体を冷やすことにならないように、食生活、少し気をつけたいですね。


農家さんと関わって

この数年で地元の農家さんと関わる機会が増え、いろんなことを教わりました。野菜の育てかた、土壌のこと、農業を続ける理由や考えを聞き、食に対する意識も考えも大きく変わりました。

これから大きく二極化しそうな農業。
化学の力で育てるか、自然の再生能力を引き出して育てるか。消費者にどんな野菜を届けたいかによって、同じ野菜でも、美味しさも栄養価も違うものが店頭に並ぶ日は、そう遠くないようです。

私たち消費者も、どちらを選ぶのかよく考える必要があるかもしれません。

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