【ベストセラー】2020第3位『繊細さんの本』はニコニコ・ビームを出している。
トーハン調べによる2020年の
年間ベストセラーの
ランキングが発表されました。
ビジネス書部門は、
1位『ファクトフルネス』
2位『話し方が9割』
3位『繊細さんの本』でした。
どれもいい本ですが、
個人的には『繊細さんの本』が
読む人への愛情、いたわり、
ぬくもりで満ちていて
筆致が感動的ですらありました。
メンタルで困ってる人に向けて
書かれる本というのは、
言ってみれば、
他人の悩み事をテーマに、
その悩みに寄りかかっていく訳で、
他人の悩みごとでお金を稼ぐ
ことになってしまいます。
著者本人が意識してるか
意識してないか?は別に
結果的にはそうなる訳です。
だから、常に今苦しんでる
誰かのためにこそ、
著者の目線は行き届いているべきで、
それが『繊細さんの本』は
本当に困ってる人をなんとか
しようと一生懸命なのが、
ビンビン伝わりました。
でも、心理学にまつわる著者の
何割かは、残念ながら
あこぎな場合があります。
『発達障害に気づかない大人たち』
という本は、読者を不安に煽る
タイプの本でした。
本の趣旨からして、
あなたも発達障害かも?
というメッセージが。
意識的か?無意識的にかは
わかりませんが、
医師が自ら進んで、読者を
不安にさせる趣旨って、
人の弱みを治してしかるべき
人がする行為なのかと、、、?
治療者失格と思いました。
この本は2010年発行で、
発達障がいという病名を広めた
フロンティアな本でした。
あの本を読んでしまい、
発達障害でもないのに、
自分も発達障がいかも?
どうしよう?と私も悩んで
しまった一人です。
私は不安の底に突き落とされ、
あわてて身近のセラピストに、
私は発達障がいか?尋ねたら
彼女は笑って不安を
ふきとばしてくれました。
ただ、よく考えると、
セラピストの彼女は、
イエスともノンとも言っていない。
この辺りは、メンタルヘルスに
従事する人として、実に見事です。
不安にさせない。
相手が落ち込みそうなら、
病名の告知は避けるべき。
一番の薬は、スマイルです。
…という基本を実行しています。
無闇に病名を振り回した、
先ほどの本の著者とは大違い。
その後、心療内科の主治医にも、
訊きましたが、主治医は
それは、傾向が強いか弱いかで、
まずは、気にし過ぎないことが
大切と諭してくれました。
それに、自分が教えてる大学の
理系、特に研究者や数学者は
みんな発達障がいの傾向が強い
人ばかりだよ、それはもう長所だよ
とまたまた、ニコニコ話してくれました。
この「ニコニコ」するのが、
良い治療行為者の特徴のようです。
でも本では『ニコニコ』ビームは
出せませんね。
だからこそ、余計、メンタル本は
そうしたビームを文章によって
出さなくてはいげせん。
メンタルの本というのは、
作者の優しさがどれくらいあるか、
どうしても出てしまうみたいですね。
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