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【本を選ぶ】もしも5千円で本のセレクト配送を頼まれたなら?

もしも誰か物好きな方がいて、
南の島で暇をもて余してる。
その人から、なぜか本屋さんでもない
ただの本好きである私に
5千円で何冊か本を選んで
南の島まで送ってくれ、
と依頼があったとします。
ジャンルは問わない、と。

私にとってこんなに嬉しくて
悲鳴が出そうな依頼はない(笑)。

本好きのプライドとして
依頼主を落胆させたくはない。
断じて、絶対に。

しかし、心涌き踊る話だ。
さあ、どんな本を選ぼうか?

まず南の島で暇を
持て余してるなら
ギラギラした太陽の光に
負けないタフな世界観が
いいにちがいない。

うじうじしたり
ネチネチしたものは
向かないでしょう。
ロシア文学やフランス文学は
不向きでしょうか。
また、日本の戦後文学も
向いてるとは言えない。

おそらくアメリカ文学や
イギリス文学が向いている。

まずは、イギリスのモームの
短編集『雨・赤毛』か。
舞台はみな、南洋ものだ。

それから、
ヘミングウェイはどうか?
いや、彼は20世紀という
時代の寵児だっただけで
今も読めるのは『老人と海』
くらいだけど、これで
配送枠をいっぱいにしたくない。

アメリカ文学で、
波瀾万丈な人生を
展開して魅せてくれるのは
やはりジョン・アーヴィングの
『ガープの世界』かな。

村上春樹のデビュー作
『風の歌を聴け』は
ちょっと推理小説仕立てで
短くて場もちもする。
これも加えよう。

今で金額の合計は、

『雨・赤毛』506円
『ガープの世界』上巻825円。
『ガープの世界』下巻880円。
『風の歌を聴け』495円。

しめて、2706円。
まだまだいけるなあ?

ちょっと懐かしい日本の
空気を嗅ぎたいなら
落語はどうだろう?
でも落語をまんま読むのは
好みにもよるかもしれない。
落語関係で、入りやすいのは
立川談春の半自伝『赤めだか』。
談志師匠への弟子入りなど
ユーモラスに描いたエッセイは
語り口が高座を思わせる。
扶桑社文庫で715円。

とにかく退屈させない
という意味では、
SF作家アシモフの
ネタ帳かと見まがう
『アシモフの雑学コレクション』。
新潮文庫で649円。
星新一が編集翻訳してる。
面白くない訳がない。
断片的な雑学がぎっしり
詰まった一冊で、
どのページからでも読める。

恋愛要素の読書も
楽しみたい欲求だって
涌いてくるかもしれない。
恋愛、ロマンス、エロス、
うーん、どうしよう?
大人なら直球の恋愛物語より、
恋愛も含めた人間の
心模様が読みたいかな?

とくれば、、、、
やはり、、、
『茨木のり子詩集』かな。
茨木のり子はセンチメンタルさが
全くない、大人の恋の語り手だ。
岩波文庫で770円。
谷川俊太郎が編集だから
ロマンチックな仕上がり。

さあ、これらを全て合わせて
トータル、4840円。

今回の架空依頼は、こんな
セレクトで送らせて頂こう。
気に入ってくれたら嬉しいな。

ああ、本選びって楽しかったあ~。


『雨・赤毛』モーム
『ガープの世界』アーヴィング
『風の歌を聴け』村上春樹
『赤めだか』立川談春
『アシモフの雑学コレクション』
訳は星新一。
『茨木のり子詩集』編集は谷川俊太郎。








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