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【読書と仕事】なぜ働いていると、本が読めなくなるのか?

『なぜ働いていると
本が読めなくなるのか』
三宅香帆。

4月19日にも取り上げました
この集英社新書が
発売1週間で、
10万部を突破したそうです。

この本は、
現代人はなぜ本を読めない環境に
なってしまっているのか?

教養と労働時間の関係性について
文学オタク女子が書いた
論考的なエッセイです。

まず読んで、文章の旨さに
感銘を受けました。

三宅香帆さんという著者は
これまで、純文学をテーマに
『人生を狂わす名著50』とか
『名作小説を面白く読む方法』とか
『文芸オタクの私が教える 
 バズる文章教室』などを
書いてきた文芸評論家です。

彼女は、京都大学院まで文学を
研究し、卒業後は一流企業に
入ったのですが、
毎朝9時半から夜8時まで働き、
気がついたら、大好きな読書が
全く出来ていないことに
烈しくショックを受けます。

気づいたら、
スマホばかり見てしまってました。
そこで、彼女は会社を辞める
決断をしました。

そうして、読書を仕事にするため
文芸評論家の道につきます。

そんな本好きな彼女自身の体験に
しっかり裏打ちされたがゆえに
この集英社新書
『なぜ働いていると
本が読めなくなるのか』は
説得力が高いです。

もしかしたら、
2024年上半期のナンバー1かも
しれない。

とにかく本好き過ぎるがゆえ、
文章がまるで、文豪なみに
腰がある、芯のある文章です。

それから、
この本は、また、
働き方改革が叫ばれている
今だからこそ、
読む人のこころを打つ気がします。

そもそも、
会社勤めでは、
平均8時間というのが当たり前に
思われてきましたが、
最近は、そこにも疑いのメスが
入るようになりました。

たしかに、
なぜ8時間なのか?
それは歴史的にはいつからなのか?
労働社会学的にはなぜ8時間と
決まってしまったのか?

著書の三宅香帆さんは
そんなところからも、
調べていきます。

本当のところ、
私も会社で仕事に忙殺されると、
何かを考える事もできず、
スマホばかり見ています。

だから、余計に
この本はこころに染み入りました。

本を読めなくする仕事は、
その人を豊かにするどころか、
自分自身を痩せぎすにしている、
害悪でしかないとも言えます。

仕事は害悪だ。
イタリアの諺では、
仕事は罰だといいますが。

可能ならば、
読書4、
仕事3、
食事2、
恋愛1、
くらいのウェートで
生きて行きたいものです。
仕事7とか、8とか、
そんなウェートの時代は
あれは間違っていましたね。

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