【読書】読まず嫌い本はないですか?
最近、本屋さんを周りながら、
手を出してない作家の存在が
やけに気になってきました。
30代40代なら、またそのうち読もうと
思うだけで通り過ぎてきた作家たち。
50を越えると、さすがに
今持ってる本や
プルースト全14巻やらを
確実に読むとしたら
この作家たちには手が回らないかな?
という作家たち。
私の場合は、
島崎藤村『夜明け前』全巻、
志賀直哉『暗夜行路』
金子光晴の放浪シリーズ、
大岡昇平『レイテ戦記』
夢野久作『ドグラ・マグラ』
北條民雄全集。
島崎藤村はどうしてだか、
現代に通じる普遍性は感じない。
ギリギリあるのが『夜明け前』ですが、
これまた長い。
まあ、これはご縁があるかどうか、
でしょうか?
突然入院した部屋で 『夜明け前』
だけが置かれてる…とか。
志賀直哉は正直、様々な
悪い人物伝ばかり聞きすぎて
今さらこのワガママ大王の
自伝的作品に何も得ないだろ?と、
思ってしまう。
その他の作家は
現代にも通じるものは
ある気がするけど、
クセが凄いというか、
かなり努力して耐えて読む感じに
なりそうだ。
『ドグラ・マグラ』は毎回、
1ページめで、読む気を失う。
でも、読んでる人は沢山いる。
大岡さんのルポルタージュは
データがあまりに緻密過ぎて、
いつも数ページで頭が疲れる。
北條民雄さんは、
若くしてハンセン病の施設で
味わった体験と悲しみを切々と
書いていて、あまりにむごく、
憤りと哀しみですぐに本を閉じてしまう。
それくらい、ハンセン病施設の
医者や施設職員らの残虐ぶりは
今まだ、冷静に読むのは難しい。
志賀直哉や武者小路実篤が
なかなか読まず嫌いなのは、
彼らが抱き続けたテーマや疑問が
今となってはあまりに
未熟で、単なるワガママであること。
昔の作家でも現代に通じる
夏目漱石や太宰治がいかに
普遍性と読みやすさを
両方キープするため、
人並みならぬ努力していたことか?
志賀直哉や武者小路実篤らは
現代に通じる普遍性がない。
人間の普遍性を照らす作品を書くのが
如何に難しいか?を痛感しますね。
しかし、どこかで、
気にはなっているんです。
武者小路実篤が如何に
太平洋戦争で戦争を賛美しようと、
志賀直哉が実人生の悩みが消えた途端に
作品を書けなくなろうと、
やはり、ひとかどの何かを
持っていたのではないか?と。
でも、残りの私の人生は限りがある。
まだまだ読みたい本はぎっしりある。
こんな事なら、18~20才で
ヘミングウェイにハマってたことが
悔やまれる。
正直言って、今読むと、
ヘミングウェイは『老人と海』以外は
ほとんど普遍性を失っている。
他はただの通俗小説ばかりだ。
なぜ、あんなに耽溺したのかが
悔やまれますが、
当時の私のレベルが通俗小説レベル
だったんでしょうね。
悔しい!
さて。読まず嫌い。
まあ、仕方ないのかなあ。汗。
(笑)
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