見出し画像

【地面師たち】ハリソン山中の狂気!ネタバレあり

追記あり08102024

公開前の前情報はこちら


商談の緊迫感とハリソン山中の狂気がすごい!

今回は以前より楽しみにしていた「地面師たち」のレビューてす。
ネタバレを含みますのでご注意ください。

こんにちは、4s Production 中沢です。

画像引用下:映画ナタリー

「地面師たち」とは?

地面師たち』(じめんしたち)は、新庄耕小説、およびそれを原作として2024年7月25日Netflixで配信が開始された日本の配信ドラマ。土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く。2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている[注

Wikipediaより引用



原作はこちら

これは積水ハウスが55億円ものお金を騙し取られた事件を元に作られたフィクションです。
地面師たち側からの物語なので、そこがおもしろいと評判のようです。

個人的には原作というか実際の物語を知ったのはこちらの本でした。

単行本は品切れなのか?
元値2090円から転売価格の3080円まで値上がりしています。
こちらはノンフィクションのルポとなっています。
事実を知りたい方はこちらの方がおもしろいと思います。
ちなみにルポとは?

取材記者・ジャーナリストなどが現地に赴いて取材した内容を放送新聞雑誌などメディアに報告すること。略してルポとも表現。現地報告。

Wikipediaより引用


着実に騙していく「地面師たち」

巧妙に準備をして、最後の最後まできっちり騙していく!
あっ、やばい!と思ったところでも、準備していた奇策で切り抜けていく。
そこがこの「地面師たち」のおもしろいところです。

予告編はこちら


リリーフランキーさんの名演技も

リリーフランキーさん演じる刑事の辰(タツ)さん。
ひょんなことから事件を嗅ぎつけ、あと一歩のところまで迫ります。
しかし、「地面師たち」のリーダー、豊川悦司さん演じるハリソン山中は
抜かりありません。
リリーフランキーさん演じる辰さんを追い詰め
『家族を守るか、飛び降り自殺するか?』の2択を迫ります。
家族が大事。
それは分かってはいるけど自分から飛び降りるのは怖いモノ。
飛び降りられないリリーフランキーさんに理解を示したハリソン山中は
「私が3、2、1で押してあげましょう!」と呟きます。

そして3で突き落とします。

このシーンでは『えっ? 3で? 死んじゃうの?』
リリーさんは最後まで残しておくのでは?
これにはびっくりした方も多いのではないでしょうか?

この伏線はドラマ前半にハリソン山中が語ります。

映画『ダイハード』が名作だった理由はラストに
悪役が落ちるシーンの撮影で
3、2、1で突き落とす予定でした。
しかし、実際の撮影では3、2で落としたから
なんとも言えない良い表情が撮影できたのです。
だからダイハードの映画はよくなったのです。

確かこのようなセリフだったはず

これ、「地面師たち」では撮影時に
綾野剛さんが3、2より、3で押した方がいいのでは?と
言ったので3で押したそうです。

リリーフランキーさんのあの表情…
なかなか見れないのではないでしょうか?

ハリソン山中という男の狂気

ハリソン山中という得体の知れない人物を怖く見せる場面が多々あります。
なんかインテリのような武闘派のような、どちらとも言えない出立ちの
「地面師たち」のリーダー、ハリソン山中。
「地面師たち」の秘密基地は殺風景ではあるが高級ウイスキーが並んでいる部屋もあり、どこか異空間のようです。
何かあったらさっと逃げられるように生活感はゼロ。

でも汚いわけではなく、必要最小限のモノしかない秘密基地。
男の子は好きな人も多いのでは?と思います。これも見どころ。

私が狂気を感じたシーン

なりすまし役の女性が究極、商談行けなくなってしまい、チームが揉め始めます。
商談は翌日、間に合う対処策はただひとつ。そこでハリソン山中がキレます。
小池栄子さん演じるレイコさんの髪の毛を鷲掴みにして
『カンタンに殺すとか言うのに虫唾が走る、やるのか?やらないのか?』
小池栄子さん演じるレイコさんが本気でビビっている感じが非常に伝わるシーンでした。

もうひとつの狂気

これはみた人は満場一致ではないでしょうか?
図面師の竹下(北村一輝)をブーツで踏み殺すシーン。
あれだけ踏みつけると顎が砕けるのでしょうか?
最後にはプシューという効果音も入っていてゾッとしました。
ハリソン山中がビデオ撮影しながら踏み潰しているのも狂気を感じます。
非常に狂気に満ちているシーンでした。

昔の長渕剛さん主演のドラマ『とんぼ』でも同じようなシーンがありました。
とんぼでは長渕剛さんが膝下をバットで何度も何度も殴られるシーン。
周りの人もモドしてしまうほど狂気に満ちたシーンでした。


皆さん良い演技

ピエール瀧さんも良い感じの怪しい関西弁で、怪しい感じが◎
チームが危なくなると関西弁でまくしたてながらフォローに入る。
この怪しい感じが出せる人も少ないのでないでしょうか?
図面師の竹下さん(北村一輝)にシャブ食い過ぎとちゃうかー?というシーンは、ピエール瀧さんならでは?というか地上波では絶対にできないセリフです。

綾野剛さんも難しい役どころでしたが、感情の起伏を上手に演じられていてすごいなぁと感心。
不幸そな焦燥感あふれる演技。
メガネを色々と変えているようですが、かなりの闇が深そうな顔、雰囲気の作り方は素晴らしいと思います。

積水ハウスの開発事業部 部長の青柳(山本耕史)さんも迫真の演技でした。
会社の大事なプロジェクト用の土地を買収予定が失敗してしまい、猛烈な勢いで他の土地を探していいたところに、問題の土地を見つけます。
そして良いタイミングで地面師たちの情報が入ります。
やっとの思いで見つけた土地、運良く交渉に持ち込み、ようやく土地を手に入れた!
これで出世も間違いないし、自分は人生の勝ち組だ!
と思っていた矢先。
人は騙されたと気づいたらどのような表情になるのか?
これがこのドラマのいちばんの見どころではないでしょうか?


そういう見方もあるのか?

井川意高さんがYouTubeでふれていましたが問題になった
百田尚樹さんのこちらのツイート

確かに詐欺映画であれば、詐欺だけで完結した方がおもしろい部分もあると思います。
詐欺なら詐欺のみという縛りがあるからおもしろいかもしれません。
サッカーは手を使わないルールと同じように。

人それぞれ考え方が違うということですね。
ちなみにスティングの映画はこちららしいです。かなり古そう…
1973年にアカデミーショーを受賞したらしい。


ちょっと気になる点も

その1

他の方も言っていましたが、ちょっと池田エライザさんがキレイすぎて警察っぽくない気が…。もう少し地味目な人でも良かったのでは?

その2

本当に見たかったのはこちらでした。

リアルの方が怖い!

Netflixドラマ、地面師たち では、地面師たちが騙したところで終わっていますが、本当の積水ハウスの地面師詐欺事件では、当初、隠蔽されます。

それは社長案件で進めていて、55億を騙されてしまったことが社内で発覚。
会長もさすがに黙認できず、取締役会議で社長交代を告げる予定でした。
しかし、その会議で社長が、クーデターを起こして会長を首にします。
会長を首にして、自分の55億円詐欺にあった事を揉み消したのです。

実際に会長は首になり、55億円の詐欺案件も揉み消されたかにみえたのですが日経新聞電子版で北西厚一記者のスクープ記事によって一連の経緯が明るみに出ます。

その壮絶なクーデターの深層がわかる一冊が上記の「保身」です。

ってこんなドラマのような話しが実在するのが
ノンフィクションのおもしろいところです。
事実は小説よりも奇なりとはよく言ったモノです。

こちらのレビューを読んでみるだけでもおもしろいと思いますよ。

地面師たちを読んだ方はこちらの本も是非、読んでみてはいかがでしょうか?
地面師たちのドラマに負けないぐらいおもしろい一冊ですよ!

それでは、4s Production 中沢でした。
keep smiling!!


ブルーレイもでているようです。


よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはコーヒー代として使わせていただき、次の執筆のがんばるパワーとなります◎