見出し画像

積水ハウスの闇に迫る Netflix『地面師たち』

日本の大手企業はどうしてこうなってしまうのか?

こんにちは、4s Production 中沢です。
先日、リリースされたこちらの予告動画「地面師たち」

<STORY> 再び土地価格が高騰し始めた東京。辻本拓海(綾野剛)はハリソン山中(豊川悦司)と名乗る大物不動産詐欺師グループのリーダーと出会い、「情報屋」の竹下(北村一輝)、なりすまし犯をキャスティングする「手配師」の麗子(小池栄子)、「法律屋」の後藤(ピエール瀧)らとともに、拓海は「交渉役」として不動産詐欺を働いていた。次のターゲットは過去最大の100億円不動産。地主、土地開発に焦りを見せる大手デベロッパーとの狡猾な駆け引きが繰り広げられる中、警察が地面師たちの背後に迫る。次々と明らかになる拓海の過去とハリソンの非道な手口。前代未聞の綱渡りの不正取引、迫りくる捜査......果たして100億円詐欺は成功するのか?

Netflixシリーズ「地面師たち」 監督・脚本:大根仁 出演:綾野剛、豊川悦司  北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、染谷将太  松岡依都美、吉村界人、アントニー、松尾諭、駿河太郎、マキタスポーツ  池田エライザ、リリー・フランキー、山本耕史

原作:新庄耕「地面師たち」(集英社文庫刊) エグゼクティブ・プロデューサー:高橋信一 プロデューサー:吉田憲一、三宅はるえ

製作:Netflix 制作プロダクション:日活 ブースタープロジェクト ©新庄耕/集英社
話数:全7話(一挙配信)

Netflix 地面師たちより引用


原作はこちらの本

しかし、私が読んだのはこちらの本でした。

積水ハウスのクーデーター本

積水ハウスといえば大手住宅メーカーの筆頭です。
その積水ハウスの内情は?というと
「なぜ、小物ばかりトップになるのか!?」
(※本の帯に大きくかかれています)
しかし、その小物は誰しも自分の内に秘めているのでは?

保身 藤岡 雅   角川書店

難しい権力闘争

たくさん人がいればやはりトラブルはつきものなのでしょう。
話しは当時の積水ハウス社長がお世話になった会長を
追い出すところから始まります。
(※このnoteでは実名を挙げませんがググるとすぐに出てきます)

なぜ解雇しなければいけないのか?
それは自分のミスをもみ消す為。
そのミスというのが杜撰な仕事で55億5900万円の損害を会社に与えてしまった件でした。
実は取締役会議で、社長の交代を告げられるはずだった…。
それを未然に防ぐために会長を追い出す。

ドラマのような本当の話がここにあります。
このクーデターによって地面師事件は、闇に葬られるところまでいったのですが…

日経新聞電子版で北西厚一記者のスクープ記事によって明るみに出ます。
そして膨大な調査、取材によって書かれた一冊です。
こんなドラマのような話が本当にあるのかと疑いたくなるほどの事件です。

当時は知らなかった

この地面師事件は当時はだいぶ話題になったらしいのですが
私は全く知りませんでした。しかし、事件から3年後
この本が発売になります。

そして2022年本好きの書評サイト、ホンズで知ったような気がします。

このレビュアーの方は2021年に書かれていますが、成毛眞さんがシェアしたので知ったと記憶しています。
ちなみに御代こと「成毛眞」さんがやられていた「Honz」は先日の7月15日をもって終了となりました。
現在はサイトは残っていますがいずれなくなってしまうそうです。これからはnoteに引き継がれる予定とのことです。
ノンフィクション本が好きな方は一読を!


本著は一気読み!

面白そうだと早速読んでみたところ、ハマってしまい
一気読みした記憶があります。

それを忘れた頃、というかNetflixのこの予告編を見たときに
これってもしや?と思い、調べてみたら積水ハウス地面師事件を原作にしていることがわかりました。

ウソのような詐欺事件

大手企業なら各過程で厳重な審査あるはずです。
読んでいても何度もおかしな点が出てきます。
普通、数十億円規模の売買では慎重になるのが普通です。

しかし、社長案件となら話は別です。
部下のチェック体制は一気に素通りできます。
社長案件ならその辺りは平気という事らしいです。
そんな事あり得るのか?と思いますが、責任は全部、社長に行くので
部下もスルーするのでしょう。
そのようなスルーが随所にあり、これっておかしくない?という場面を
次々にするすると通過。
そして最後の最後でも決定的におかしなところが出てくるのですが
それもスルー。

そして積水ハウスは巨額のお金を騙されてしまったのです。
その詳しい経緯はこちらの本でご確認ください。



こちらの本でも同じことがありました。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

こちらの井川さんもカジノで会社のお金、106億8000万円をカジノで
熔かしてしまいました。
この時にも同じことがありました。
会社の社員も社長の井川さんに言われれば
何に使うかはよくわからないけどお金を回します。

積水ハウスと井川さんが違う点は、井川さんがかなりの凄腕という点です。
自分が理解できない話でも
井川さんがいうなら何か大事な案件なのだろう
部下たちも数十億円でも簡単にお金を動かしてしまいます。
カジノで熔かしてしまったその後は
会社法違反(特別背任)罪で実刑になり刑務所に入っています。

しかし、この時のポイントは井川さんはすぐに返済できるお金(財産)をもっていた点です。そのため、一時的に借りてただけですぐに返せるはずでした。しかし、井川家から会社を乗っ取りたいサラリーマン社長たちにはめられて実刑に至ります。

それについて書かれているのがこちらの本、熔ける再び

こちらも非常におもしろい一冊です。
106億熔かして刑務所入って出てきたけど、また熔かしてしまうって…。
と思いきや、その会社乗っ取りの様子が克明に書かれている本です。
ウソのような本当のお話です。
ってか半沢直樹のお話しってけっこうあるんだなと思わせてくれる本です。

ちなみに井川さんは大王製紙の3代目のおぼっちゃまですが
子供の頃から頭が良く、筑駒から東大にストレートで入った方です。
※筑駒:超進学校 筑波大付属駒場中高


X(Twitter)でも辛口批評が人気です


完全に井川さんの話しになってしまいましたが
現在でもドラマのような話があるものですね!

このNetflixの『地面師たち』もおもしろいと思います。
この地面師たちでは地面師側に焦点を当てているらしいので
地面師側を知るにはおもしろい作品ではないでしょうか?

キャストも豪華で綾野剛さん、豊川悦司さん、小池栄子さん、電気グループのピエール瀧さん、積水ハウスの社長役を山本耕史さんが演じます。

全7話で公開は7月25日なのでお楽しみに!
私もすぐに一気見したいと思います。
それでは、4s Production 中沢でした。
keep smiling!!


井川さんについてはこちら

大王製紙社長の長男として、幼少時代は1200坪の屋敷で過ごし、東大法学部に現役合格。27歳で赤字子会社を立て直し、42歳で本社社長就任。順調な経営、華麗なる交遊……すべてを手にしていたはずの男はなぜ〝カネの沼〟にハマり込んだのか? 創業家三代目転落の記。そして、刑期を終えたいま、何を思うのか――。出所後の独白を加え文庫化!

Amazonより引用


カジノで106億8000万円を失い、会長辞任、獄中へ。
そして懲役4年の刑期満了後に、再びカジノへ。リベンジの舞台は韓国ソウルの「WALKERHILL」
3000万円が9億円にまで増えるマジックモーメント(奇跡の時間)を迎える。果たして、負けを取り戻す夢物語か、破滅への一里塚か。
ギャンブラー井川意高によるバカラ放蕩記。
しかしその裏ではギャンブルよりも血がたぎる、現会長佐光一派による井川家排除のクーデターが実行されていた。
「大王製紙から井川家を排除し、自らの地位を盤石とするために、佐光は300億円も無駄金を上乗せして会社に損害を与えた。「他人のカネ300億円で買った社長の座」は、さぞかし温く心地良いことであろう。これこそ特別責任ではないか。しかも、私の金額の3倍である。有罪とすれば懲役12年だ。」(本文より)
大王製紙を舞台にした血みどろ裏切りノンフィクション!

Amazonより引用


よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはコーヒー代として使わせていただき、次の執筆のがんばるパワーとなります◎