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June
2021年5月26日 15:25
豪奢なオペラ座舞台の上でライトを浴びて輝いている、一人のダンサー。輝きの頂点で、少しずつ内包していたものが、兆してくる。複雑で繊細な、内に抱えているものが崩れていく。表面はとても順調で輝かしい。太陽の王のように、一点のくもりもない完璧さ。一つ一つが完璧で、破格で、前代未聞だった。才能豊かな問題児。彼が皆の前で踊れば踊るほど、歓声と狂喜、陶酔が、美しい星空のとばりのよ
2021年5月25日 21:01
ずっとずっと片思い一生片思い別の人と一緒になってもあなたは永遠の人あなたと同じ夢がみたいあなたの産み落とした世界を覗き込み くらり めまいのなかに落ちる一つの完成形どうやったら、どうやってあなたの見つめている世界を知りたい同じ世界を見たい遠い遠い憧れをずっと追い続けるあなたの視線の先どこまで深く「あなたが思っているよりずっと 退屈な人間だよ」
2021年5月16日 12:41
揺れることを許して自分がしたいように シャンパンの気泡のようにこまやかほんのり漂ってくるパヒュームの香り内から沸き立ってくる恋する感覚 ときめく感覚ほんのりした香りのままケーキに飾るうすい金箔みたいに微かなきらめき
2021年5月15日 01:54
己のことを小説に書き始めた彼のことを、周囲は彼の文学の敗北、挫折ととらえた。しかし、彼自身はそう思っていなかった。 文壇から高く評価され、短編の名手とさえ呼ばれた彼には、もう何も残っていないのを自分では知っていたから。 当時文壇の大御所であった大作家から、処女作が高く評価され、デビュー。華々しいデビュー。作家として知れわたった彼の名。 しかし、いつしか、寄木細工を作り上げるように精緻な