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要らないお金を稼ぐために時間をつかってない?〜超ミニマル・ライフ/四角大輔

以前、四角さんが超ミニマル主義を世に出した際、丸善でトークショーをやっていたので見に行ったことがあります。
こっそりサインまでもらっちゃいましたw

経歴だけみると、オーラ全開の変わり者のような方を想像していましたが、想像よりはよい意味で「普通」の方でした。
自然体で、肩肘張らずに喋っている姿が印象的で、言葉の節々に芯というか考えの軸が感じれるないようでした。

要らないお金を稼ぐために時間を使うのか?

自分も40歳が近くなりました。
自分なりに仕事は一生懸命やり、何かしら後世に残るようなことをなしたい、たくさん種を蒔き1つでもものになってくれればいい。
そんな気持ちで日々を送っています。
目の前のことをがむしゃらになり、専門性を極限まで高めることを目的としていた入社直後と比べると、悪く言えば野心みたいなものが丸くなった、良くいえば大きな視点で仕事を捉えられるようになったということでしょうか。

日々の生活のうち、仕事が占める割合は相変わらず高いものの、人生全体についても考えることが多くなりました。
仮にあと40年生きるとして、ベストな時間の配分はどうなのだろうか。
自分にとって一番大切で、時間を投下すべきことは何なのか。
なんというか、自分の人生の幸福を最大にする時間配分を模索し始めたような感じです。

四角さんが本書のなかで主張しているのも、ミニマルという今流行りの単語を用いているものの、
”自分にとって一番大事なことにたくさん時間を割きましょう”
と主張じたいは至ってシンプルなもの。
この手のノウハウ本は、ものを徹底的にすてることで大事なことに集中できハッピーな生活を手に入れた!というシンプルなストーリーで、ともすると「捨てること」に重きが置かれがち。
その点、社会人生活で超多忙な時期を過ごし、今はニュージーランドで自給自足的生活を送る四角さんだからこその説得力というか、単にものを捨てる・捨てないの枠にとどまらない、主義・ライフのことが述べられていて、納得感があります。

生活全般のことに目を向けると、人生は究極、「与えられた時間をどのように配分するか?」という問いに帰着するとも言えます。
お金を稼ぐことだって、楽しむことだって、基本的には自分の時間を何かに投資した”対価”とも捉えることができる。
そうすると、時間を投資してまで自分の必要とする額以上のお金を稼ぎ出すことは、良い選択ではないのかもしれません。少なくとも、自分の周囲をみると(大企業に勤務していることあってか)仕事の時間は仕事をするし、必要だったら残業も厭わない。有事であれば会社のために、自分の時間も犠牲にします、という人が多いように思います。責任感が強い、とも言い換えられるかもしれません。

それ自体は大変に素晴らしいことではあるものの、それが当たり前になりすぎ、自分の幸せを増やす時間配分について考えることを止めてしまいがちだな、とも思わせられた読書体験でした。

ちなみに、ご紹介の2冊。
ミニマルを謳いつつ「分厚い」という反ミニマルな作りとなっております。
(ラジオ番組に出ていた四角さん自体も、読者から寄せられた評価について「そのとおり」と笑っていた)
ただ、多くの社会人は急にノマドやミニマルな生活に変えよと言われても、現実問題かなりキツい。
それを、ステップに区切り今節丁寧に(即、実行できるように)書いてくれているのも特徴の一つかと思います。

シンプルな生活に憧れるひと、時間の使い方にお悩みのかたは得るものがある一冊かと思います。
ぜひ、手に取ってみてください。

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