マガジンのカバー画像

忘れられない言葉たち

216
強く共感したもの。心を突き動かされたもの。また読みたいとふいに思い出す素敵なnoteを入れさせてもらいました。やわらかな言葉に、切なさに、激しさに、もう一度スキを。
運営しているクリエイター

#言葉

十月、ジターバグ、この街の跳び方。

渋谷のハンバーガー屋さんでトイレを借りた。 ドアを開けると見たこともない光景が広がってい…

meme
7か月前
155

すべてのカタチに敬意を

こないだ参加した研修で聞いた言葉が、ずっと頭の中をリフレインしている。リフレインなんて横…

kaoru
11か月前
35

メモを手書きで取ったら、久しぶりに絵を描きたくなった

明日から梅雨入りすると聞いたので、電車に乗って出かけてきた。バッグの中には色鉛筆とスケッ…

kaoru
1年前
48

東京百歌

【あとがき】 上京して、3年が経とうとしています。 太宰の『正義と微笑』を久しぶりに読ん…

meme
1年前
165

春夏秋冬

季節を一つずつ丁寧にクソ適当に語ろうと思う。 春。あなたは、お日様が登り、辺りの草木が芽…

kaoru
2年前
45

不確かだから、愛おしい。

私は今年、39歳になる。この年まで生きてきて思うのは、過去の自分と今の自分は全く違う生き物…

碧月はる
3年前
98

結婚できないわたしが、恋人の両親に何度も頭を下げに行ったら、渡された洋服のこと

「結婚させてください」 勢いをつけるでもなく、ひたすら丁寧に。 わたしは、古い考えだっただろうか。 誰に教わったわけでもなく、そういうものだと思っていた。きっとこれ以外にも染み込んでいるものがあるだろう。何の邪心も虚飾もない、そうは言い切れない。声に出して初めてわかる本音があったとして、巻き戻せないこの「世界」を、ひどく残酷だと思ってしまう。 「そんなに好きなら持っていきなさい」 忘れていた眠気を帯びる。瞼をこすり、背筋を伸ばす。 引っ込み思案で目立ちたがり。普段

薄毛で青髭のわたしが、毎日ワンピースを着て外に出かけていたら、少年と"かけっこ"に…

「お姉さんが、うらやましい」 別にもう、"女の子"になりたいと思ってはいない。 夕日を硝子…

732

男のわたしがコスメカウンターに座って口紅を買い、初めて入ったバーで自慢した話

「しをりちゃん、俺も口紅塗ったら、可愛いと思う?」 甘えている、どこまでも。 "初めて"の…

1,178

勇気を出してワンピースを買おうとしたら、「変態じゃん」と言われた話

「似合うと思います」 攻める水滴、跳ねる音。 洋服屋で、お世辞でも言われない。 なんでも…

1,110

きっと鏡に映るから

ふとした瞬間に、あぁ、この人の言葉づかいが好きだな、と思うことがある。すごく丁寧じゃなく…

47

うつ病ではないわたしは、心療内科で4000円を払っている

「がんばりなさい」 潤う、これは幻聴だろうか。 ただどうやら、目の前にいる人がわたしの方…

634

自分の力でマニキュアを買おうと思ったら、初めて会った高校生に助けてもらった話

「わたしも最初はこれだったから」 今更来た夏に、自分を重ねる。 幸せになればなるほど、わ…

1,150

転職した会社でトラウマが蘇り、化粧室に嬉し涙を飾った

度々わたしは、自分を卑怯だと思う。 「…止められない」 演技はできないのに、全員に舞台がある。 色々と考えなければいけない年齢が27歳だとしたら、わたしの"これ"は一から始まっているのか。陽光が眉間から流れている。仄かに香る記憶を辿れば、大抵泣いていた。「いいかげんにしろ」と、太ももの横を振り子のようにして殴り、痙攣が這う。この世から鏡がなくなったとしても、わたしは足元にできる海で自分の表情を確認するだろう。 なんとかして前向きな理由を携え、辞めたかった。 "逃げる