転職した会社でトラウマが蘇り、化粧室に嬉し涙を飾った
度々わたしは、自分を卑怯だと思う。
「…止められない」
演技はできないのに、全員に舞台がある。
色々と考えなければいけない年齢が27歳だとしたら、わたしの"これ"は一から始まっているのか。陽光が眉間から流れている。仄かに香る記憶を辿れば、大抵泣いていた。「いいかげんにしろ」と、太ももの横を振り子のようにして殴り、痙攣が這う。この世から鏡がなくなったとしても、わたしは足元にできる海で自分の表情を確認するだろう。
なんとかして前向きな理由を携え、辞めたかった。
"逃げる