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春夏秋冬

季節を一つずつ丁寧にクソ適当に語ろうと思う。


春。あなたは、お日様が登り、辺りの草木が芽吹いて広がる様子を表しているそうですね。名前の響きは温かくやさしいけれど、根を「張る」力強さも感じさせます。一文字に込められた美しい物語です。

連なった横線に交わる2本の曲線は、少しずつ近づきながら天へ向かって伸びています。一層、また一層、手を合わせるようにして健気に芽吹く緑。

英語だと "spring" なのも納得です。だってバネが弾けるように新しい生命が姿を現すから。泉が "spring" なのも湧き出るゆえ。飛び出てくるんです。春は。はあ。そろそろ真面目に書くの疲れたのでもうやめます。


夏。お前めっちゃ夏だよな。音からして夏。超夏。強いねん。音が。ツだよ。"tsu" 。"haru" の大人しさどこいった。おれのharuを返せ。でもTWICEのツウィちゃんはかわいい。見つめ合いたい。TSUNAMI。

春は「日」だったのにさあ。急に一本増えて「目」になっててさあ。位置もちょっと上の方にあがっててさあ。いつの間にか大きくなったのね。あと、何それ。帽子?「ー」って帽子?お洒落なの?お洒落だよ。

緑深まる季節だからか、幹も力強くなった。下を支えてる「久」みたいなところ、随分しっかりしてる。幹じゃなかったらごめん。でも元気はつらつな学生みたいで良いよ。毎日部活ばかりポカリアクエリ。

"summer" と聞くと久石譲の曲しか思い出せない。菊次郎の夏。学生のとき、友だちがピアノで弾いてるの聴いてひと耳惚れした。ひと耳惚れなんて表現あるのかな。ぼく声に弱いんです。何の話ですか。


はい、次。秋。秋だねえ。ほんと秋ですよあなたも。「あなたも」ってどういうことですか。すみません。あなただけが秋で、秋だけがあなたです。

のぎへんに「火」です。穀物の秋、鮮やかな色の葉を飾る秋です。この漢字を考えた人、天才ですか。縦向きに細く背筋を伸ばす「禾」と「火」は、すらっとして大人びている。そりゃそうか。大人の季節だもの。秋は。

で、きみは結局 ”fall” と "autumn" のどっちなの。色付いて落葉するから "fall"(落ちる)ですかそうですか。じゃあその「アウトゥムン」みたいの誰ですか。知ってるよ。英国式と米国式の違いでしょ。スコッチとバーボンみたいだねえ。ウイスキーはお好きでしょ。いいえそんなに。


冬。冬すぎて焦りますわ。なんですかその、たおやかな佇まい。さっきまで燃えるような色で辺りを灯していたのに、突然しおらしくなって。左右へ払うように伸びる線は、まるで纏った羽織が木枯らしに棚引くようで。

風に舞った足元(ヽ)は、ふわっと浮かんで漂っている。二つ並んでて、両足でちょっとジャンプ飛び上がってるようにも見える。「ふゆ」の音もいいね。FUYU。ふゆっ。ふゅっ。ふゅっっ。

”winter” って聞くと「スポーツ」と言いたくなる。由来よう知らんけど、"water"(水) とか "wet"(湿った)と同じ "w " で、水分を表してる説があるらしいよ。どっちかっつーと冬って乾いてるけどね。今この部屋もめっちゃ乾燥してる。風呂あがりにボディクリーム塗り忘れたわ。かっさかさだよ。かっさかさ。「かっさかさ」っていいね、なんか。


今年の春はどこに行こうか。どこか行けるといいなほんと。



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