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ビジネス実践:CFO思考とポートフォリオマネジメント 基礎的思考を応用へ

こんにちは。AK・十四郎です。
本記事が#3となります。本記事も動画にまとめています。https://www.youtube.com/watch?v=aV4TYJ-wqBE&t=276s

さて、今回のお題に入る前に、
皆さんは、本を読んだあとに、実践してみたくなりますか?
私は、実践したくなります。ですし、本を読みながら、自分のシーンにこうやって活用できないかな?って脳内実践をしています。

といったところで、今回のお題は、「直近読んだ本を通じて、こういう考え方をするといいんだろうな」という、自分なりの解釈をした事例を記事にしてみたいと思います。

ズバリ、今回読んだ本はこちら。

徳成旨亮氏・著「CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋」

こちらを読んで、著者の伝えたい事とか、内容として大事な事が何かというのは置いておいて、個人的に「使える」と思った内容を勝手にピックアップして、勝手に解釈しますw

解釈に入る前に。。この本、面白く読ませていただきました!アニマルスピリッツ!思い切りオマージュさせていただきます!

さて、CFO=最高財務責任者の思考、何故重要なのでしょうか。そちらの解釈からまいります。

米国にはじまり、欧州やアジア圏に浸透している経営体制として、「Cスイート」と呼ばれる体制があります。
Cスイートとは、CEO、COO、COOの3名のことを指し、この3名で経営意思決定をするスタイルとなります。つまりCFOは、財務や経理の担当だけでなく、CEO同様に経営戦略や成長戦略を語れないとCFOといえないんですね。
一方の日本では、財務責任者とは、所謂、金庫番的な認識が強く、グローバルではCFOとしてみられていないケースが多いそうです。(これは日本独特の文化だそうです。)
経営に直接紐づいて最大限の会社価値に高める真のCFOが、このグローバル社会で求められています。これがCFO自体が重要だということになります。
そして、さらに一歩踏み込むと、日本は真のCFOが育つ文化でなかったため、真のCFOと呼ばれる人、もしくはそのポテンシャルを持つ人の絶対数は少なく、(そして貴重な人材費用はもちろん高く)よほど花形スタートアップでなければ、実際CFOを設置できません。ということは、CEOやCOOが、真のCFOの役割を担わなければならない場面が多い、と考えるからです。
CFOを加えた経営体制にすべきなのに、ちょっと矛盾してますよね。

ビジネスシーンに使える!CFO思考

それでは、個人的ツボにはまったところをピックアップして、思考法として4ステップにわけました。

其の壱)資本コストを把握して、明確な目標を設定しよう。
「資本コスト」とは、投資家が株式投資に対して期待するリターンを、企業サイドからみたものを「資本コスト」と呼びます。
ハイリターンを期待されるものであればあるほど、資本コストは高く(ハイリスクに)なるわけです。株式会社、資本社会である以上、必ず資本は存在します。そして、資本には、必ず期待されるリターンが存在します。期待されるリターンが存在するということは、明確な収益目標や成長目標が存在する、とういことです。先ず、これを把握することから始まります。
そして、この「資本」ですが、例えば、企業のなかの(事業部のなかの)「予算」や「人」の「資源」という捉え方に置き換えてもよいと思います。
余談①世の中にローリスク・ハイリターンというものは存在しないので、そのような話が舞い込んできたら詐欺だと思いましょうw
余談②本を買うことも「資源」を投下してます。本の値段や読む時間に対して、どれだけのリターンを得るべきか考えてみることは、超身近な実践例です。

其の弐)リスクキャパシティを考えよう。設定しよう。
リスクをとることで成長ができますが、リスクにはキャパがあります。考えてみると当たり前で、会社やプロジェクトが破綻するようなリスクが過ぎることは誰もしませんよね。しかし、最大限リスクが許容できる範囲とはどこまでか、という限界線ことを考えることは、次の其の参とあわせて重要になります。

其の参)リスクキャパの範囲内で、リターンを最大化するためのリスクテイクをとろう。
リターンを最大化するためには、それだけのリスクをとることが必要です。リスクキャパに対してリスクテイクが少なければ、保守的な経営とされるわけです。かといって、キャパオーバーしてもだめ。其の弐とあわせて、できるだけ攻めた経営をすべきということです。(「経営」を「プロジェクト管理」など、自身にあったものに置き換えてみてください)

其の四)資本を配分しよう。「資本」を「資源」に置き換えよう。
とり得るリスクテイクをしたら、資本を配分しなければなりません。
そして、「資本」を「資源」と置き換えたり、含めたり、また、「資本」とは「人的資本」や「IP」などの広義での「資本」と捉えるとよいと思います。例えば、目標とされるリターンが時間軸を長くできる場合、人的資本を厚くするための人材への投資というのが、最終的なリターンを高めることに有効かもしれませんよね。だから、広義で捉えて、様々に応用すべきです。

このCFO思考の繰り返しによって、立派な財務戦略がかける

多くの方にとって、財務戦略や事業計画って苦手意識があったり、アレルギーがあったりしませんか?
しかし、資本社会の原点にたちかえって、この思考ステップを繰り返すことで、投資家に対して説得性の高い財務戦略を描くことができます。
「財務戦略」⇒「事業計画」、「投資家」⇒「上長」に置き換えてもらってもよいです。
このCFO思考の実践は、WHATじゃなくてWHYだよ、というのと本質的には同じ源泉にあるかもしれませんね。

配分はポートフォリオマネジメントの思考で

資本(資源)の配分においては、ポートフォリオマネジメントの思考を応用します。つまり、ここまでのCFO思考と組み合わせることで、より効果を高めることができます。と考えます。
ポートフォリオマネジメントは、競争戦略において、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)というフレームワークがあるので、その考え方を使うことが便利です。また、PPMと一緒にPLC(プロダクトライフサイクル)という時間軸の概念も一緒に取り入れましょう。

プロダクト(製品やサービス)には必ず寿命があり、また、必ず儲かる時期にいたるまでには、資源の投下が必要です。
そして、複数のプロダクトを持つ場合、どのプロダクトにおいても、投下する時間もリソース量も、市場規模も、寿命(時間)も全て異なります。そのため、会社や事業部の成長目標に対して、いつ、どこに、どれだけ資源を投下するのか、(まさしく株式投資における金融投資の配分のように)配分を最適化しなければなりません。

これから資源を投下すべき事業の金の卵のような存在を「問題児」、成長にむかって突き進む事業のエース「花形」、儲かりまっせの「カネのなる木」、市場から追い出される「負け犬」に分類されます。

問題児と花形に資源を投下すべきであり、また、花形は資源ボリュームが大きくなることは想像できますよね。(言うまでもなく、利益がでているということは資源は最小限、負け犬に資源投下するなんてありえません)

このフレームワーク(考え方)によって、資源の最適配分を見極めることができます。
また、ここでも「応用」「置きかえ」の繰り返しですが、フレームワークそのままに従う必要はありません
プロダクトを事業と捉えるのか、まさしく資本と捉えるのか、さらには、プロジェクト内の課題と、自身の環境にあったものに置き換えてください。もっと身近に置き換えれば、自身の細かな「タスク」でもよいかもしれません。自分の複数のもっているタスクを優先付けする際にも、きっと役立つはずです。マルチタスクが得意な人は、自然と合理的な思考をしているから優先順位付け(自分という資源の最適配分)を理解しているのだと思います。

以上が、今回の記事でお伝えしたかった、実践のための思考法応用です。

最後に実践例として(後付け感もありますが)、
私たちの会社では、製品を4つほど扱っています。A,B,C,Dとして、Dの製品が収益と会社価値を跳ね上げる本命としています。しかし、市場状況や、ブランド力などが現状乏しく、Dを大きく成長させるだけのリソース投下はリスクキャパがオーバーです。そのため、もう少し小さなリスクで実現できる、A、B,Cを市場へ送りだす事業を展開しています。これをすることで、最終的なDへの通過点として、リターンと実現性を最大限にし、且つDに対しても現段階で必要な研究開発を行う、という戦略に基づいた両輪の経営を実践しています。
本当に、プロの経営者からみて、とりえるリスクをとっているのか?リターンが最大限なのか?というのは攻めきれているのか、足りているのかはわかりません。しかし、少なくとも、私たちなりにリスクテイクを考えた結果、現在の経営スタイルを実践していることは、最後に捕捉して終わりたいと思います。

この度も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
次の投稿で、またお会い?しましょう。是非。

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