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【Zatsu】世の中をひっくり返すもの4(完)

まじめな話。
前回の3行まとめ
頭上数十メートルにある未開拓領域
知覚リアルが理論に追いついた
おれは人間をやめるぞ! ジョジョーッ!!

自分がかつて感じた3つの「特別なワクワク感」とは実のところ何だったのか。それを順番に掘り下げていこうという企画。
あれ、おつまみないじゃん。ちょっとコンビニ行ってくる。

3.AI(ディープラーニング)

AIという言葉は、もう目にしない日はないほど浸透している。この言葉の認知度が高まったのは、たぶんスピルバーグ監督作品「A.I.」のちょっと前あたりからかもしれない(映画は2001年公開)。
ただ、当時のAI(人工知能)はイメージ戦略としてSFと不可分だったから、意思のあるロボットという扱いなんだよね。
そのほうがエンタメ的にはウケがいいし、使い勝手もいいってことで、いまだにそのイメージを引きずっている。

ロボット工学3原則というのがある。
・人間に危害を加えない
・人間の命令に従う
・自分自身を守る
ロボットに自意識が芽生えたとき、この人間に都合のいい原則が守られるのか、というのが昔からのありふれたテーマになっている。

だから、ちょっとコワイんだよね。よくAIとか人工知能っていうと、すぐにこういう画像がでてくるじゃない。

まさに電脳。何がどういう仕組みになってんだコレ


あるいは、こんなのとか。

力を制御できないプロトタイプ。指一本でやられる自信あるわ


もっというと、こんなのも。

どこのエージェントです?


ただ、浸透したのは2000年代だけれど、AI自体はすでに1950年代から提唱されていた概念だったりする。盛り上がっては技術的な壁にぶち当たって沈静化する流れを繰り返してきたものの、21世紀に入って技術革新があり、一気にブームになった。その革新的な技術が深層学習(ディープラーニング)と呼ばれるものです。

自分がAIに対して引っ掛かりを覚えたのは2点。ひとつは「未来予測のアルゴリズム」、もうひとつが「自己学習」です。

未来予測で面白いのは、「なぜだか説明はできないけど、でもたぶんこうなると思います」という予測が存在し、しかもその精度が非常に高い、というもの。
ビールの販売数は気温に比例する。
天気予報では今日は35度を超えるらしい。
だったら今日はビールが売れるはず。
そういう単純なパターンなら誰でも推測できるけど、バタフライエフェクトの効果を予想できるとしたらどうだろう。わらしべを手に入れることで長者になれる未来を予見できたとしたら? 風が吹いた時に桶屋がもうかりますと自信を持って言えたとしたら?
これってスゴイことだと思うんだ。
もちろん物事の顛末にはすべて因果関係があるんだろうけれど、パターンが多すぎて整理しきれない。それでも、「最初にこう行動したところ、結果はこうだった」という過去の実例だけはネット上に腐るほどある。その膨大な過去の履歴(ビッグデータ)から「どういう仕組みなのかよくわかんないけど、でもそれをやったら最後にはたぶんこうなる可能性が高いっぽいよ」という情報が得られるということです、ものすごく大雑把に言えば。

もうひとつの自己学習は、従来の機械がになっていた「人間様からの命令を忠実に正確に素早くこなす」だけでなく、自分で自分を強化できるということ。AIがチェスのチャンピオンを破ったとか、囲碁の世界王者に勝った、というのが話題になったじゃない。以前のAIは、それこそ教本をたくさん詰め込んで、知識量と演算スピードで人間と勝負していたんだ。それがあるとき変わる。AIに自分自身を相手にして勝負させた。自分 v.s. 自分。相手を負かそうとすると同時に、負かされまいともする。以前は教本でパタンを覚えたり、過去の棋士の名勝負から学習していたけど、そんなの不要になったんだ。自分と戦うことでものすごい上昇スパイラルが発生して、「こうして、ああして、こうしたら、ああくるから、アアァーッ!」ふつうの人間ならパニックになって頭おかしくなるところだろうけど、そこが機械の悲しい(?)さがというか、さすがというか。最近話題のディープフェイクもこの技術(GAN:敵対的生成ネットワーク)を使っています。

自分が最近のAIに興味を持ったのは、たぶん未来予測がふくんでいる「わけの分からなさ」と、自己学習がはらんでいる「底の知れない闇」な気がする。
この分野をまじめに勉強したのはもう2年前なので、技術的なところでいくつかあやふやな点があり、チョイチョイ調べつつ書きましたが間違いがあったらすみません。


以上です。
3つのワクワクを思い出しながら、それぞれ突っ込んで考えてきたけれど、共通していえることは未知のものをどうとらえるか、かもしれないですね。
常に行動して自分の中にやりたいことを抱えつつ、未知のものに対してワクワクの声がかかったとき、最後に必要なのは手を伸ばす「勇気」なのかな。入学や入社の1日目みたいな感じ。「この人だいじょうぶかな」と警戒して様子を見るか、「この人と仲良くなったら面白いことできそう」と考えて自分から声をかけるか。
未知のものはコワイ。でも、それは可能性でもあるんだ。未知のものと仲良くなる以前に、未知のものへ手を伸ばすということ自体を楽しめるようになれれば、世の中をひっくり返すような「変化の兆し」をとらえることもできるかもしれないね。

おしまい

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