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🎬aftersun/アフターサン 感想
※3,600字になりました。
20年前、トルコでの旅行を楽しむスコットランド人の父と娘の何気ない旅。
とにかくラストの切なさにあふれた余韻が強く印象に残る映画でした。
しかし正直に言うと、とてもわかりにくい映画であるようにも思います。
父娘の旅の様子は淡々と描かれていて、特にこれといった事件は起こりません。
その映画としての描写に二人が録画したホームビデオの映像が挟まれます。
この映画の描
🎬アステロイド・シティ 感想
※3,400字になりました。
アメリカの砂漠の町「アステロイド・シティ」を舞台に繰り広げられる群像劇。
映画はエドワード・ノートン演じる脚本家が書いたお芝居の世界とその舞台裏で構成され、お芝居の世界はカラーで、舞台裏はモノクロで描かれています。
さらに観客は舞台裏のその外側であるテレビ番組として作品を見ているという三重構造になっているので、ときどきナレーターが現れいろいろなコメントを挟みます。
🎬哀れなるものたち 感想
※また長くなりました。
2,900字
読んでいただけたら、うれしいです。
また解釈が違ってたら、ごめんなさい。
胎児の脳を移植され胎児の経験値しかない、死から生還した「人造人間」の女性・ベラの旅を描く。
独特の様式美と音楽、登場人物など、不思議な世界観の中で、人にとっての「人格形成とは?」を問いかける物語が繰り広げられます。
様式美を言うなら、ベラがダンカンと旅する世界はすべての描写が夢か
🎬コット、はじまりの夏 感想
おとなしく無口な少女・コットが母親の親戚夫妻と暮らすひと夏の忘れられない日々。
コットはおとなしく無口なため、両親など大人からはとらえどころのない少女だと思われています。
コットには他の子どもたちと比べると成長の遅れが見られ、もしかしたら「発達障害」の一つの姿なのかもしれません。
物語はそんなコットの視線で大人たちを中心とした他者を描いています。
コットの実の両親、特に父親には粗野で自堕落な側
🎬グランツーリスモ 感想
レーシング・シミュレーション・ゲーム「グランツーリスモ」のプレイヤーが、現実のレーシング・ドライバーになっていく実話。
そもそもゲームの「グランツーリスモ」が、実際のカーレースを想定したシミュレーターだったことは初めて知りました。
開発者の山内を演じる平岳大さんが、ドラマに接するパートは少ないですが重厚で印象的でした。
ゲームプレイヤー(シムレーサー)だったヤンが現実の世界でレーサーとして成長
🎬カラオケ行こ! 感想
合唱部の中学生・聡実は突然の出会いでヤクザの狂児にカラオケを教えることに。
中学生の聡実は、部活のコンクールでの成績や人間関係、変声期に悩んでるいる本当にどこにでもいる普通の中学生です。
そんな聡実が狂児というヤクザにカラオケボックスで歌を教える…という唐突な物語の始まり方に、狂児の組のカラオケ大会での屈辱的な罰則があるという、一見ヘンな理由があるのですが、意外とすんなり入っていけました。
決
🎬オッペンハイマー 独特目線のネタバレ感想(18,000字)
※この感想はあくまで映画を観て個人的に感じたことを素直に書いたものです。
1回鑑賞しただけの感想なので、セリフ、シーンなど詳細の間違いやそもそもの解釈を「間違いだ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、どうか個人の思い込みとご容赦ください。
※かなり削除しましたが、全文で18,000字程度もある長編になってしまいました。
素人の勝手な思い込みの書かれた18,000字に至る感想を読んでいただ
🎬キャタピラー 感想
戦時下、日本のある農村で暮らすシゲ子の元に、日中戦争に出征した夫・久蔵が四肢、聴覚、声帯を失い顔は焼けただれた姿で戻ってくる。
久蔵の実家の家族は変わり果てた久蔵を見て、そのおぞましさにすべての世話を嫁のシゲ子に押し付けてしまいます。
ここにかつての「家制度」の姿を見て取ることができます。
また、出征前の久蔵がシゲ子に暴力を振るっていたことも次第に明らかになり、「家制度」ゆえの「男尊女卑」という
🎬レイダース/失われたアーク《聖櫃》 感想
『インディ・ジョーンズ』シリーズの記念すべき第1作。
この後、"考古学冒険アクション映画"という新たなジャンルの作品がたくさん製作されたのは、やはりこの映画が成功したからでしょう。
でも、公開当時は興行的には失敗だったとか?
ホントですか?
当時はルーカス原案+スピルバーグ監督という二人の初タッグ作品というだけで「これは観に行かないと!」と映画少年(青年少し前)は思ったものです。
一方で、ルーカ
🎬ミステリと言う勿れ 感想
人気漫画を菅田将暉主演で実写化した連続テレビドラマ『ミステリと言う勿れ』の劇場版。
広島の名家「狩集家」の遺産相続にかかわる事件に、たまたま広島を訪れていた久能整くんが巻き込まれます。
テレビドラマ『ミステリと言う勿れ』は久しぶりに見応えのあるドラマで大好きでした。
原作は読んでないんですが、久能整=菅田将暉さんのキャラクターが本当に魅力的で、彼の言葉には毎回共感できるものがあり、テレビドラマ
🎬デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 感想
ある年の8月31日、突如飛来したUAPは分離して東京上空に。
在日米軍が撃ち込んだ新型爆弾により大田区付近は壊滅状態。
それから3年後の東京を舞台に普通の女子高生たちの日常を描く。
原作未読で映画を観ました。
この映画、おそらく前編ということで後編に向けてのたくさんのナゾや伏線で構成されていたためだと思いますが、ドラマ的な盛り上がりには少し欠けたかなー?という印象を持ちました。
かなり感情的には
🎬私ときどきレッサーパンダ 感想
13歳の普通の女の子が、ある日突然身長2メートルもの赤いレッサーパンダに⁈
主人公の女の子メイは、学校での成績もよく、家族、とりわけ教育熱心な母親ミンからは"将来は国連事務総長"と期待されるほどの優等生。
でも、本当のメイは学校の親友たちとアイドルグループにハマり、推し活に生きがいを感じている当たり前の女の子です。
それが突然赤いレッサーパンダに変身してしまうんですが、そのレッサーパンダが体は
🎬スラムドッグス 感想
犬にとって最低の飼い主でダメ男のダグに飼われ、それでもダグを愛し続けていたのに捨てられたボーダーテリアの仔犬レジー。
ピュアなレジーが野良犬のボストンテリアのバグ、オーストラリアンシェパードのマギー、セラピー犬グレートデーンのハンターと友だちになることでダグの悪意に気づき、レジーのダグに対する復讐のため4匹でダグを探す旅に出る犬のロードムービー。
犬映画として自分のオールタイムベスト『僕のワンダ