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🎬スラムドッグス 感想

犬にとって最低の飼い主でダメ男のダグに飼われ、それでもダグを愛し続けていたのに捨てられたボーダーテリアの仔犬レジー。
ピュアなレジーが野良犬のボストンテリアのバグ、オーストラリアンシェパードのマギー、セラピー犬グレートデーンのハンターと友だちになることでダグの悪意に気づき、レジーのダグに対する復讐のため4匹でダグを探す旅に出る犬のロードムービー。

犬映画として自分のオールタイムベスト『僕のワンダフル・ライフ』のB面であり、ダークサイド。
作品中、明らかに『僕のワンダフル・ライフ』のベイリーをパロったナレーター犬が出てきたり(しかも飼い主がサイコパス!)、デニス・クエイドが本人役で出てきたりして『僕のワンダフル〜』シリーズをシニカルに笑い飛ばす。

一生懸命「いい子」という一言だけを聞きたいと願う健気なレジーに対し、犬に対して無責任で人間としてもクズ野郎のダグがダメ男すぎて呆れてしまう。
確かにダグは犬の飼い主としては最低なのだが、劇中出てくるほとんどの人間が、かわいいというだけで犬を飼って気に入らないことがあったらさっさと殺処分してしまおうとする人や、ステイタスだけのために犬を飼っていたりする人など、犬を本当に愛そうとはしない。
そんな人間すべてにレジーたち犬が、ダグへの復讐というかたちで反撃したくなる気持ちは当たり前のように思えてくる。

ダグへの復讐がレジーがダグのオチ○チ○を噛み切るという容赦ない下ネタなのだが、全編とにかく下ネタに溢れている。

旅の中でいろいろな危機に遭いながら冒険を続け友情を深めていく4匹の犬は、無責任な飼い主のおもちゃにされているよりもずっと生き生きしている。

しかし、ダグの家のすぐそばまで来たレジーがダグとの大切な関係の象徴であるテニスボールを咥えて、悪いのはダグではなくて「いい子」にできなかった自分だと言うシーンはやはり犬を健気な生き物として描いていて不覚にも泣いてしまった。

そんな健気に戻ってきたレジーを殺そうとする本当のクソ飼い主のダグに犬たちの天誅が下されるシーンはもはや爽快。

映画は下ネタやおバカなノリで笑わせ犬たちの友情でホロリとさせるコメディらしい作りなのだが、実は『僕のワンダフル〜』シリーズを観たりして犬を死を看取るまで飼う責任感もないのに、単純な一過性の「かわいい」という感情だけで飼ってしまうような人たちに対する意外に真面目な警鐘を鳴らしているように思えた。
映画の中で犬を本当に愛する人たちの姿も描かれているので、決して飼い主=人間と犬を対立関係にするだけの映画ではないのだが、犬に限らず生き物を飼う上でちゃんと最後まで飼えるという愛情や生活環境、年齢などに自信のない人の飼おうという安易な気持ちに対しては、いったん踏み止まることを訴えているのでは?と思えてしまったのは考えすぎだろうか?

映画全編は、特に犬愛がなくてもレジーと仲間たちの友情物語として笑って泣ける映画なので楽しく観ればいいと思う。
吹替で観たのだが、吹替でもかなりお下品なコトバが飛び出すし、犬が腰を振りまくる描写もあるので、家族での鑑賞は避けたほうがいいかもしれませんが笑

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