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『レンタルなんもしない人』9話 人の幸せは人それぞれ

3ヶ月ぶりに再開した『レンタルなんもしない人』。先週、9話が放送される前に、1〜8話のまとめコラムを配信しました。


過去を振り返るにはこちらをご覧くださいね!

そして、今夜は10話が放送されます!今回が最終回になるのか?まだ11話の情報が出ていませが、もしかしたら、今回が最終回!?
お見逃しなく!!


第9話のあらすじ

テーマは「嘘」

今回の冒頭の依頼は、まさかの本押し売りおじさん。おじさんが売りつけている『ベターライフ』という雑誌にレンタルさんが特集されたことで、レンタルさんがご本人として看板になるも、誰も足を止めず、「詐欺師」と言われる始末。流石に、今までの不満を全てぶちまけるレンタルさん。しかし、とぼけるおじさん。

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いつも生い立ちを語るも、「色々あった人生だったなぁ」と嘘くさい。「そういう経験をしてきたからこそ、東京の中心地まで上り詰めたんだ」と。

国分寺が東京の中心?納得がいかないレンタルさんだったが、次の依頼に。今回は、交通費がかからないので、ただサービスになってしまった(笑)


惚気話を聞いてください

今回のメイン依頼は、29歳女性からの「惚気話を聞いてください」というもの。しかし、友人や同僚には相談できない、ただの惚気話ではなかった。

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カフェで待ち合わせ、まずは世間話。レンタルさんの前の依頼は、「物欲センサーが働かない人にガチャを回してほしい」という依頼。レンタルさんの鞄の中には大量のガチャポンが。失敗かと思いきや、レンタルさんは一発で当てたという。外した分をもらったそうな。おそるべし、無欲の引力。

そして、本題の惚気話が始まる。

「まっすぐで、天真爛漫で、すっごく可愛くて、大好きなんです。彼女のこと」

依頼主は、同性愛者だった為、誰にでも話せることではなかった。ただ話を聞いてほしい、ということで、レンタルさんはうってつけだった。「かわいいですね」と相槌を打ちながら聞いてもらえると嬉しいと頼むが、嘘が苦手なレンタルさんは、話を聞くも頷くだけ・・・。でも、話は面白いそうだった。

写真を見せながら、数々の惚気話を聞くが、あるエピソードの写真がない。どうしても見せたい依頼主は、自宅に来てもらうよう誘う。問題ないと、付いて行くレンタルさん。

久々に、彼女の話をできて喜ぶ依頼主。何人かにはカミングアウトしていて、理解はされるものの、依頼主には地雷があった。「地雷を踏まれた時のもやもや」というメモを作っていた。LGBTはナイーブな問題ですが、今回のテーマの一つと言えます。

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家に着くと、鍵が開いている。既に彼女は帰っていた。レンタルさんのことも知っており、悪酔いしている彼女は、レンタルさんに悪絡みし、帰ろうとするレンタルさんにリバースしてしまう。落ち着いた彼女に依頼主は反省を促すが、晴れない表情の彼女。

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ダブダブの着替えをもらったレンタルさんは、そのまま帰宅。そして、彼女は、「もやもやメモ」を目にする・・・。

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その日の依頼を終え、家に帰ると、奥さんは、イラストレーターの仕事を始めていた。

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見覚えのあるその絵は、ドラマのOPにも使われている。

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そして、その日の報告ツイートをすると、本作の裏主人公であるユーサクが、恒例となった批判リプ。すぐに「イイね」がついてご満悦の模様。

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しかし、上司に呼ばれ、仕事のミスの責任をとって、異動させられることに。本田宗一郎の言葉

「私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きることにある」

借りるが、内心は「ふざけんなよ」と強がっていた。相変わらず、人の言葉を借りるユーサク。

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翌日、同じ依頼者から連絡が入る。「彼女がいなくなった」と。奥さんは徹夜で仕事をする中、レンタルさんは依頼主の家に。

彼女は、依頼主が書いた「もやもやメモ」に赤ペンを入れていて、それがきっかけで家出をしたようだった。

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彼女が悪酔いしたのは、共通の友達もいる飲み会で、依頼主同様、地雷を踏まれまくったのだろうと気付く。彼女を探すわけではなく、また話を聞くことに。

同性愛のことを、最初のうちは人に話していたものの、地雷を踏まれ、反応が気になるようになり、誰にも言わなくなった。深刻な話の中、突然笑うレンタルさん。昨日魅せるはずだった、ホワイトボードに書かれた絵を見たからだった。

依頼主の彼女への愛は、本物だった。発言や態度がことごとくツボで、日常の何気ないことに可愛く感じ、愛おしく、幸せを感じていた。すると、家に帰ってくる彼女。家を出て行ったのは、依頼主は、レンタルさんに惚気話を聞いてもらったんだから、自分もやってきたのだと。

スマホを見せると、どこかの公園で、依頼主への思いを叫んでした。

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依頼主が彼女に感じていたように、彼女も依頼主に対して、似たような思いだったのだ。
彼女が行ったのは「東京の中心(重心)」と書かれた、国分寺にある公園。

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「東京の中心で、愛を叫んできた」と、あっけらかんに答える彼女。そのやりとりを見て、「かわいいですね」とレンタルさんは言う。まさか、ここでオープニングのおじさんの言葉の伏線が回収されようとは。

そして今後も、無視していいので、惚気話をメールすることに。

そこで思い出されたのは、誰が彼女の叫びを撮影していたのか。通りすがりの人も叫びたいからと、交代で撮影したのだが、「闇が深い」とのこと。

こいつだった。

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「ふざけんじゃねーよ!どいつもこいつ馬鹿にしやがってよ。くそったれー!」

レンタルさんと距離を近めていくユーサク。レンタルさんのツイートを眺めていた。

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そして、さらに批判コメントをする。

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「イイね」はまたも増え、承認欲求が満たされていく。

依頼主は、しつこく恋人のことを聞いてきた友達に、同性愛であることを伝えると、「いろんな伏線が回収されて、鳥肌が立ってる!」と言われる。地雷を踏まれるどころか、予想外の答えに、もやもやすることはなかった。その後も二人は、仲良く過ごしていた。


夜、帰路につくレンタルさんは、そこで、「国分寺は東京の中心」という言葉を思い出す。しかし、いつもいるその場所に、昨日はいたはずなのに、今日はいないあのおじさん。

なんとなく違和感を覚えるのだった。
どこへ行ってしまったのか。

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人それぞれある、幸せの形

今回は、同性愛が一つのテーマとして描かれました。「LGBT」は有名ですが、さらに、QIAと呼ばれるものもあります。

私自身は、男として普通に、いや、普通以上に?女性が好きです(笑)。高校生の頃は、勢いで男とキスした黒歴史もありますが(笑)、それは、学園祭の打ち上げのノリってやつです(笑)

実際問題として、笑っていいことではないですが、かといって、特別扱いするのも違う、わかったふりをするのも違うんだと思います。
それが、依頼主がもやもやしたポイントなのではないでしょうか?私の周りには、LGBTQIAはいませんが、ただ知らないだけなのかもしれないし、私に打ち明けるに至らないだけかもしれません。

また、「LGBTQIA」と、あたかも普通ではない特別なもののように言うから、変に感じるんじゃないかとも思うんですよ。

人の幸せの形は、人の数だけあるのだし、男性が女性を愛するとしても、愛し方や感じ方は人それぞれです。そこに、女性が女性を愛そうが、大きな違いはないはずです。どうせ元々違うのだから。


歴史に見る、認識による変化

物事は、「認識」すると、明確に意識するようになります。曖昧だったものでも、具体的に「定義」してしまうと、そのように認識してしまう。良くも悪くも、認識してしまえば、変えることは簡単ではありません。

歴史においても、日本はたった160年前には、「日本」という国の認識を持った人は、ほとんどいませんでした。当時は、「藩」が「国」であり、その藩を取っ払い、海外列強と太刀打ちするために、「日本」という認識が必要だった。その為に奔走したのが、坂本龍馬です。


「日本」という視点で見てしまえば、「藩」の違いは些細なものです。しかし、「藩」と「藩」で見てしまうと、全くの別物、敵、味方となってしまいます。線を引けば、明確な違いが生まれ、争いや、差別が生まれたりするものです。

違いを認めることが大事ですが、人間は、未知なるものや理解できないものに恐怖し、敵対心を持つ生き物です。違うからといって、差別したり忌避するのではなく、違いを違いとして認め、それは変でも特別なものでもなく、人と人との違いの一つ、と認識されるようにしていきたいものです。


逆を知ることで、順を知る

忙しく、何かに追われるように生きる世知辛い世の中で、「何もしない」という逆のアプローチをすることで、生き方は一つじゃないし、決まった生き方はない。むしろ、そんな生き方もあるのか!と実感するものです。

生き方にしても、働き方にしても、幸せの在り方にしても、決まった答えはありません。人それぞれ、感じ方も考え方も、能力も違います。それなのに、型にはめられた生き方をしても、本当の幸せはないと思っています。

もちろん、嫌なことだってあるし、周りに合わせなければならないこともあります。法のルール、人の道は守って然るべきではあります。それが、生きやすいなら、そう生きればいいと思います。ただ、生き苦しかったり、納得して生きられないのなら、きっと自分らしい生き方は他にあるはずです。「道楽」もその一つで、誰も彼もを幸せにするものではありません(笑)

以前、「道楽舎には手を出すな!」という、『映像研には手を出すな!』をオマージュしたコラムを配信しています。


これは、「道楽」を知ってしまったら、もう元の生き方には戻れない、という意味です。なぜなら、「道楽」に生きる私は、もう以前の生き方には戻れないからです(笑)。だって、もう既定路線には戻りたくない(笑)。というか、やっぱり戻れないんですよ。「認識が変わる」ということは、こういうことなのでしょう。


またも訃報が

幸せの形が人それぞれあるように、考え方や生き方も人それぞれです。既定路線を進もうが、独自の道を進もうが、これという正解はないし、正解は人それぞれ違います。

今なお、自ら命を断つ人が後を絶ちません。真相はわかりませんが、昨日は芦名星さんがお亡くなりになりました。おそらく、自ら命を絶ったのだろうと言われています。おこがましいですが、せめて「道楽」を伝えられていたら、もしかしたら、また違っていたのかなとも思ったりします。

死にたいほど苦しいなら、別の道を進めば良かったのに。重くて痛いものを手に持っているのなら、手放せばいいのに。「道楽」とは、楽しいことをする人生ではなく、何事も楽しむ人生を生きるということです。でも、楽しめないことを無理して楽しむのも違います。楽しめないなら、無理する必要もないし、逃げればいい。

人の人生なんて、案外大したものではないですから。それくらいの気持ちでいた方が、楽なのではないでしょうか。

改めて、ご冥福をお祈りいたします。


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