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【就活記1】M1の7月に外資系戦略コンサルから内定をもらった話【前編】

24卒として就職活動を行い、夏インターンが始まる前の7月というかなり早い段階に内定を頂けた限界院生のメモ。「研究ガッツリやるぞ!」というモチベーションで院進したのだがいつの間にか就活に没頭してガチ勢になってしまったため、論文投稿の代わりに就活記を綴ることで後に続く就活生への貢献としたい。

……と高尚な目的を掲げたものの、内容としては自己満足の日記である。そのため、再現性のある就活ノウハウを求めている方々にはちょっと冗長な内容かもしれない。一応、今回お伝えしたい内容のまとめをエグゼクティブサマリーとしてすぐ下に記したため、結論ファースト原理主義者の人もまずは安心してほしい。

なお完全に余談だがこの記事を書いている2023年4月現在、私は研究を放置しすぎたしわ寄せをモロにくらって死にかけている。研究室の後輩に就活記を書くようにつつかれてしまい大急ぎで手を動かしている状況なので、誤字脱字とか意味の分からない文章とかがあるかもしれない。もしそういった箇所があれば後で修正したいため、こっそり教えていただけるとありがたい。

今回お伝えしたいこと

俗に言うエグゼクティブサマリー。結論、今回の記事で主張したいことは以下の4つである。

  1. 就活序盤は業界・職種を幅広く見ると良い。世の中にある企業・仕事の解像度を高めるのは重要。

  2. 就活開始は早ければ早いほど有利。目安としては B3 or M1 の4月までに準備してスタートダッシュを切れると良い。

  3. ES も面接も、まずは基本的な型を身につけるところからスタートするべき。

  4. PDCA をぶん回して成長しよう。成功も失敗も分析して改善につなげるべき。

(改めて文字にすると当たり前のことしか言ってないなあ……)

前提共有

さっそくお伝えしたいことの具体的な理由を述べていく……の前に、前提となる知識について共通認識を取っておきたい。主に私の属性志望業界大まかなスケジュールの3つについて説明しておく。

まず属性だが、私が所属しているのは東京大学大学院の学際情報学府という何をやっているのか謎な研究科だ。文理は理系で専攻は情報系24卒の修士である。(大学名はボカそうかと思ったのだが、1つ前の記事で院試体験記を書いてしまったため隠す意味がなくなってしまった)

次に志望業界と職種。私が見ていたのは主に3つあり、コンサル・シンクタンク業界の戦略コンサルタント職、IT 業界(ちょっと粒度感あら目)のエンジニア・プロダクトマネジメント職、自身の研究と関連する大手メーカー研究開発職である。なお、PdM 職については夏インターンで初めて存在を知って志望するようになった。

最後に大まかなスケジュール。就活を本格的に意識し始めたのはだいたい B4 の2月で、夏インターンの選考が始まったのが M1 の4月。5月から6月にかけてインターン選考が進むと同時に、内定ルート直結のジョブを実施する企業も極僅かに存在し、ここで外資系戦略コンサルファームから1つ目の内定を頂く。
その後も就活を続け8月9月は 計 18 社のインターンに参加、夏季休暇 61 日中の 48 日がインターン・ジョブで潰れた(最長で 19 連勤)。その後は夏インターンで興味を持った企業を中心に本選考をチマチマと受け、年内には計 6 社ほどから内定を頂いた。年が明けてからも選考の遅いメーカーを中心に数社だけ受けている……といった感じだ。

今回は夏インターンの選考が本格化する前の5月までを振り返りながら、感じたこと・ノウハウを雑に共有していきたい。次回は内定を頂くに至った6月7月のお話をして、その次に夏インターンの話、最後に秋以降の就活について書く感じになりそうだ。

2月までにやったこと

というわけで、ようやく本編開始。最初に就活を本格的に意識し始めた B4 の2月までにやったことを2つ紹介する。

ES ガクチカ

まず、この頃には ES や面接の土台となるガクチカ(学生時代力を入れたこと)の洗い出し・言語化をある程度済ませていた。私の場合、高校から大学を振り返ってみると「成果出たわ!」というエピソードが3つほどあり、まずはその中の1つをブラッシュアップさせていった感じだ。

大前提としてガクチカを聞かれる目的は、入社後の業務でどのように活躍できるのかその人の能力人間性を知ることである。で、会社の業務というのは基本的に複数人で連携しながら関係者のニーズを満たしていくものだ。ということは、ガクチカのエピソードとして効果的なのはチームで課題を解決した経験になる。留学とか資格勉強とかはなかなかアピールしづらいのが正直なところだ。

企業が知りたいのが「能力・人間性」であるということから、ガクチカでは自身の頑張りによる before after でどういった能力があるのかを示し、さらにどういった価値観どういった事象にモチベーションが湧くのかも言及できると良い。面接でも深掘りされるのはだいたいこのあたりだろう。このあたりの具体的なお話は次の「3月にやったこと」で触れたい。

情報収集

もう1つ2月までやっていたことは、情報収集だ。就活サイトを通じて業界・企業分析をしたり、就活のスケジュールや HowTo に関する情報を集めていた。特に使用していたのが外資就活ドットコムで、企業情報や就活コラムを読み漁っていた。なお、外資と名前に付くものの日系企業も満遍なく掲載されている。まだ使っていない人はいますぐ登録してみよう!(……と、アフィリエイトに誘導していく)

この段階で広く浅く業界知識をインプットしておくことはけっこう重要だ。というのも、今後エントリーをするにあたって業界・企業を比較しながら選んでいくわけだが、ここで知識が足りてないと判断軸が不明瞭になり精度良く意思決定することが難しくなる。まずは世の中にどんな業界が存在しどんな企業が存在しどんな業務が存在するのか、理解を深めていくことが大事だ。

ちなみに、私の場合この時期になって初めてコンサル業界というものの存在を知った。マッキンゼーとかアクセンチュアとか、社名は知っていたけれども何をしているのかは知らなかったし、BIG4 に至っては4月あたりまで社名すらよくわかっていなかった。

(資本的には Big4 は日系だけど、就活生としては企業文化的な意味で
外資系コンサルと認識して良いと思う)

3月にやったこと

次に B4 の3月にやったことを2つ紹介する。

ES ガクチカ・ES 志望動機

1つ目は ES の執筆で、2月から進めていたガクチカのブラッシュアップを実際の選考で ES に書いてみたり、ES のフィードバックをいただけるサービスに提出してみたりした。ES 制作は個人作業になりがちだが、なるべく外部からの視点を導入できると情報の過不足が明確になりさらなる改善に繋げやすい。実際、私もこの段階で初めて定量評価の情報が抜けていたことに気づき、急遽付け足したという経験がある。

ガクチカのフレームワークについては探せばいろいろ出てくると思うが、私は以下のような型がわかりやすいと感じる。

  1. 概要:結論ファーストマジ大事。どんな経験をしたのか1行で簡潔に伝える。

  2. 背景:アクションを起こすに至った背景について前提となる情報を 2-3 行程度で共有する。(e.g. どんな組織に所属していたか、どんな問題が生じていたか、解決すべき課題は何か)

  3. 施策:前述の背景を踏まえ、どのような思いでどのようなアクションを実行したのか具体的に示す。設問の内容や文字数に応じて、困難だったことや工夫したことも盛り込むと良い。

  4. 結果:アクションの結果、 before after で何が変化したのか(できれば)定量的に示す。

  5. まとめ:経験から学んだことや発揮された強みを示す。

ES の設問としてガクチカに並んで定番なのが志望動機だ。正直なところ夏インターン選考の段階で「御社に入社したいです!!」という動機はないと思うので、素直にインターンを通じて何を達成したいか、どんな人間に成りたいかを示せれば十分だろう。

個人的な解釈だが、インターンで得られる要素を因数分解すると企業理解自己成長に分かれる。さらに企業理解は業務理解社風理解に分かれ、自己成長は普遍的能力専門的能力に分かれる(この話の深掘りは次々回のインターンシップ編で触れようと思う)。この4つのうちいくつかを軸に書いていくとわかりやすい文章になるはずだ。

Web テスト

3月にやったことの2つ目は、Web テスト対策だ。まずは Web テストにどのような形式があるのかを把握し、その中でも特に SPI について言語・非言語の問題形式を一通り理解した。書籍としては定番のナツメ社と SPI ノートの会のどちらも使用した。

……といっても実は問題演習はほとんどやってなく、本当に出題される問題形式と難易度をなんとなく把握しただけである。4月以降は玉手箱など SPI 以外の形式も書籍を購入したが、やはり時間がなく問題演習はできずにけっこう苦労した。Web テストの対策は2月までにやっておくべきだったなあ……。

ちなみに、この時期から本選考直結の夏インターン・ジョブ選考の1次締切を設けている企業が極僅かに存在するため要チェックだ。もちろん4月以降もn次締切があるが、こういうのは早い方が選考通過率は高い傾向にある。また、戦コンガチ勢は選抜コミュニティに参加する人も多いと思われるが、その選考も 2-3 月あたりから開始している。私は選抜コミュニティ参加者でないためその良し悪しについて何とも言えないが、参加を目指す人は選考時期に合わせて早め早めの準備を進めておくと良いだろう。

4月にやったこと

環境がいろいろと変わりドッタンバッタン大騒ぎなこの時期、やっていたことは主に4つある。

面接対策

1つ目は、(普通の)面接対策。この時期から選考がぼちぼち始まっていたこともあり、実際の選考に参加しながらブラッシュアップを重ねた。質問内容は ES を土台としたガクチカに関するものが多いが、会話のキャッチボールを通じてわかりやすく論理的に応えるというのは意識的に行わないと難しい。
面接官の表情や質問を通じて「あ……この伝え方だと理解できないか」とか「この情報は気になるだろうから軽く説明したほうが良いな」などがわかり、改善に繋げることができた。また、内容以外にも表情や声のトーンなどコミュニケーションスキルについても改めて確認した。特にオンラインだと表情が伝わりづらいため、意識しておくと良い。また、顔が(物理的に)明るくなるようデスクライトを設置するのもオススメだ。

なお、私は利用しなかったが模擬面接などに参加してフィードバックを貰うのも効果的だと思う。また、ワンキャリアなどで過去の面接体験記などに目を通しておくのも良いだろう。面接の定番質問はいくつか存在するため、そのあたりはイメトレしてスラスラと答えられるようにしておこう。もちろん、想定外の質問に対して即座にロジックを組んで答えるという経験も重要なので、まずは練習だと思って気楽に面接へ参加すると良いだろう。

ケース対策

続いて2つ目はケース面接対策だ。コンサルを中心によく出題されるのが、〇〇の市場規模を推定して(フェルミ推定)その売上向上施策を考えるというビジネスケースだ。慣れないと難しい部分ではあるが、基本的な解法の型を身に着けて面接官と良い議論ができれば問題ないと思う。

意識すべきことは2つで、1つは因数分解を論理的に行うこと。例えば売上について考える場合は売上=客数×客単価の式が基本だが、さらに客数を分解する際には需要側から見るか供給側から見るか考える必要がある。また、客層を年齢で分けるか、性別で分けるかなどといった分解にも、意味のある分け方でないとその後の施策立案が筋の悪いものになってしまうため注意しよう。

もう1つは面接官との議論を楽しむこと。(ファームの文化にもよるが)面接官は論破すべき相手ではなく、ヒントをくれるビジネスパートナーである。正直なところ最終的な結果はわりとどうでもよく、うまく意見を取り入れながら施策をブラッシュアップしていく過程が重要だ。

ケースの対策としては、外資就活ドットコムなどのネット上に転がっている演習問題やお作法を紹介している記事で勉強した。もちろん書籍で体系的に演習するのも効果的だと思うが、私の場合あまりにも時間がなかったのでケース関連の書籍は一切買わなかった。

……と書いてしまうと「グヘヘ……私は天才チャンだからケースの本なんて買わずに面接突破しちゃったよ~~ん( ・´ー・`)ドヤア」と言っているように聞こえるかもしれないが、そんなつもりは全くない。おそらく、学部時代にディスカッション形式の講義でバリバリに鍛えられたのが効いているのだろう。

余談だが、コンサル業界ではケース面接の突破に必要な要素として先天的な「地頭」がよく挙げられる。正直なところ、私はこの言葉が嫌いだ。もちろんセンスが必要な部分もないわけではないが、基本的に型を身につければ解ける問題がほとんどだし、何より「ケース面接を突破してるコンサル業界の人間は先天的に優れているのぜぇ!」という選民意識がモリモリと溢れ出てて気分が悪い。

ES 提出・説明会参加 

4月にやったことの前半がちょっと長くなってしまったため、後半の2つはサクッと紹介して終わりにしたい。3つ目は ES の提出で、この頃から夏インターンの募集を始める企業がポツポツ出現していたため、わりと見境なく提出していた。4つ目は説明会・セミナーへの参加で、ES と同様にこの時期から説明会を開く企業がちらほらいたほか、就活講座的なセミナーも開催されていたため積極的に参加して情報収集した。オンラインだとこのあたりの時間・労力的コストが低くありがたい。

5月にやったこと

就活力向上

やったことは主に2つ。1つは目的意識を持って選考に参加し、確実に振り返りを行ったことだ。4月まではエントリーできる企業数も少ないため練習目的で片っ端から受けても良いと思うが、5月になるとさすがに企業が増えてくるため絞って選考に参加することになる。その際、「面接で〇〇を意識する」といった自己成長以外に業界・企業理解の側面でも何か収穫が得られるよう意識すると良い。
面接を通じて「意外とこの企業雰囲気良いし面白いな」となることもあるし、「あ~……やっぱりこの業界はテック系のガクチカ刺さらんわ!」ということもわかったりする。

後のインターンでも同様だが、目的意識が明確だと成功・失敗に関わらず学びが極めて大きくなる。「今回の面接でうまくできたのはなぜか」「なぜ落選チュアしたのか」などの原因を明らかにすることで次への改善と繋げることができる。PDCA サイクルをぶん回して圧倒的な成長を実現しよう!(ちなみに、圧倒的成長みたいなパッション 100% ゴリ押しベンチャーな言葉を使う企業には注意が必要だ)

振り返りは頭の中で済ますのではなく言語化しておくのがオススメだ。私は下のようなスプレッドシートに敗因を列挙していた。

なお、選考が進むに連れてマイページの URL とか選考状況とかごちゃごちゃしてくるため、スプシでの管理はかなりオススメ。書いた ES を Drive で管理してリンク貼っておくのも良さそう。

心理的な側面からアドバイスを加えておくと、失敗を悲観的に捉えないというのがかなり重要だ。前述の通り失敗は原因を深掘りして改善につなげる絶好の機会だし、そもそも成長曲線的な考えだと最初はかけた労力に対してなかなか結果が返ってこないのが普通である。まあお祈りされると人格否定されたような気持ちになるのもよくわかるが「人生オワタ\(^o^)/」と考える必要は一切ない、マジで

とはいえ、自分よりもゴリゴリできる就活つよつよプレイヤーが周りにたくさんいるとヘコむのも事実。だからこそ、初心者の多い時期に失敗を繰り返して強くなっておくのが心理的にも良いだろう。私が「就活開始は早ければ早いほど有利」と主張する理由の1つ。

GD 対策

5月にやったことの2つ目は GD (グループディスカッション)対策だ。これも面接などと同様に基本的な型を抑えるのが良いだろう。基本的には以下のような流れになる。

  1. 前提共有:言葉の定義に関して認識のすり合わせ、論点の洗い出しと時間配分の確認を行う。

  2. 課題特定:現状(AsIs)と理想状態(ToBe)の Gap が何であるかを導き出し、課題とする。

  3. 施策立案:課題を解決するための施策を考える。アイディアを出していく発散フェーズと判断軸を設けて優先度を付けたり1つに絞る収束フェーズに分かれる。

  4. まとめ:発表が必要な場合は発表の準備を行う。

基本的には3の施策立案に多くの時間を割くことになる(具体的には全体の4割くらい)。インターンやジョブで扱う経営戦略策定や新規事業立案なんかも上記と同様のプロセスで進めていくため、この型に慣れておくことは極めて重要だ

なお、因数分解を駆使して課題を特定し施策へ繋げていく流れはケースと全く同じである。そのため、ケース対策をゴリゴリやっている人にとっては普段1人で解いている問題を複数人で時間かけて解くイメージだ。とはいえ、GD で重要となるのは論理的思考力(IQ)だけでなくチームで協力してアウトプットの質を高めていくコミュニケーション能力(EQ)。仲間へのリスペクトは超重要!クラッシャーにはなるな!

私はやらなかったがこの時期までにやっておくと良いこととして、ビジネスの基礎知識を身に着けておくことが挙げられる。というのも GD や今後の夏インターンでは、ペルソナとか AIDMA とか 3C 分析・SWOT 分析などの単語が平然と飛び交うことになる。とにかく意味を知っておくだけで良いのでインプットしておくべきだろう。なお、私は幸いにも学部時代にマーケティングや経営組織論に関する講義を履修していたため時間を使わずに済んだ。

おわりに

今回は夏インターンの選考が本格化する前の5月までを振り返りながら、感じたこと・ノウハウを雑に共有した。途中あっちこっちに話が脱線したため文字数がとんでもなく膨れ上がってしまったが、次回以降はコンパクトにまとめる予定である。

本来この記事はもっと早い段階で書くべきだったが、忙しさにかまけて遅くなってしまい大変申し訳無い。次回、6月7月に関する内容は GW を削って1週間後を目処に公開する予定だ。

……といったところで今回はここまで。

(最後に意地汚くアフィリエイトを再掲しておく)


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