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正欲

鑑賞:2023年11月@TOHOシネマズ新宿

理解されない者。

時間を短く感じる作品で、生きづらい人々を見させてもらえました。

稲垣吾郎さん主演ですが、話を主導するのは新垣結衣さんです。稲垣吾郎さんに小児性愛犯罪をブッこむのは役を越えた向き合いが求められそうです。
新垣結衣さんは、不自然なほど「美しくない方へ」「可愛くない方へ」施されてました。それでも可愛いんですけども。
磯村勇斗さんとの組合せは、馴れ馴れしくもなく、ドライでもない距離感が良かったです。
宇野祥平さん、美味しいなあ。
みんな、記号のように奥行きが薄くて、それは身近な人に深いバックグラウンドを感じないのと同じリアリティなんでしょう。時間も足りないし。そのへんがモヤっとポイントでした。学生時代の新垣結衣さん・磯村勇斗さん役が、うまく雰囲気を寄せてあって、感心しました。

さて、ストーリーは。
上手い。テクニックの勝利。それでいて伝えたいテーマを届けられていると思います。大学生をどこまで深く取り上げるかで作品のまとまりが変わってくるんだろうと感じました。逮捕させるために出て来た人物は、本当に取ってつけた分かりやすさがあって、そこも上手いです。LGBTQを引き合いに出すような部分もありますけど、世相に媚びるため・企画として成立させるために入れ込んでいると感じます。入れなくても良かったと思います。

この作品は、キャストを替えると魅力が大きく変わる気がします。稲垣吾郎さん、新垣結衣さん、磯村優斗さんの魅力で面白く見させてもらえました。無名の役者さんで作ったとしたら、テーマがより濃く伝わったのではないでしょうか。

とにかくお話のテクニックが素晴らしい作品。

▲原作小説です。未読です。

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