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「リスク」があるからこそ仕事は楽しい

仕事はつらいもので、趣味は楽しいもの。このように考えることが普通かもしれませんが、僕は違う考えを持つ派です。仕事はつらい、これは確かに正しい。しかし同時に「仕事めちゃくちゃ楽しいものでもある」、こう思っています。

こう考えるひとつの理由に、「リスクの有無」があると思っています。仕事は、いつも何かしらのリスクと隣り合わせ。お金を失うかもしれないし、失敗して大きなダメージを受けるかもしれない。だからこそ真剣に取り組むし、その結果として成功の喜びが大きいのだ、そう考えています。

10年以上も前に読んだ、村上龍さんの『無趣味のすすめ』という本の一節が当時の自分に大きな影響を与えました。それまでなんとなく考えていたことが、見事に言語化されていたからです。

趣味の世界には、自分を脅かすものがない代わりに、人生を揺るがすような出会いも発見もない。
〜 中略 〜
真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危機感を伴った作業の中にあり、つねに失意や絶望と隣り合わせに存在している。つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。

村上龍 『無趣味のすすめ』


当時の僕は、20代で起業した後、事業を売却し、また新たな事業を立ち上げ…  と仕事ばかりしていたのですが、「人として、何か趣味を持たないとまずいのかな?」という若干の懸念や負い目みたいなものも持っていました。が、この考えに触れてから、そういった心配はすべて吹き飛んでしまいました。

仕事がいちばん楽しい、別にそれでいいのではないか。人生が進むうちに、いずれ本当に好きな趣味とも出会えるかもしれない。それまでは、自然体で、このまま仕事を楽しんでやっていこうと、そう思えるようになりました。


▶ 「リスク」をポジティブに捉える姿勢

リスクがあるからこそ仕事は楽しいという考えを持つことができると、リスクへの向き合い方も変わる気がします。リスクは、忌み嫌うばかりではなく、もっとポジティブに捉えても良いのではないかと。

確かに多くの場合において、リスクは、できるだけ避けたいものです。あまりにリスクが大きいことを手掛けていると、気持ちも重くなったり萎縮したりします。


しかし一方で、大きなリスクを目の前にすると、人間の能力は活性化するものだと思っています。これまで以上の知恵と工夫を動員し、そのリスクを乗り越えようとする。そのとき、自分でも信じられないような能力や秘められたパワーが発揮できることがあります。

また、リスクが大きいほど、その分野には手を出さない人が多くなります。それはすなわち、未開拓の領域、ブルーオーシャンだといえます。敢えてそこに踏み出すことこそが本当の価値の創出であり、クリエイティビティの発露だといえるでしょう。そこで成功したり何かを達成したときの喜びは、とても大きいものになるはずです。


逆に、リスクをすべて回避し、守りに入ってしまうと、人間としての成長がそこで止まってしまう可能性があります。失敗しないこと、過去に経験した同じようなことばかりを繰り返す日々になるからです。

そうなると、極端にいうと、その時点ですでに「老後」に入ってしまっているといえるかもしれません。そういう意味では、30代という若さですでに老後を迎えてしまっている人も存在します。


「老い」の研究において、面白い考え方があります。医学や生物学ではなく社会学的な文脈では、人が老いたかどうかというのは実年齢が重要なのではなく「認識」が重要だということです。自分自身、そして周りが「老いた」と認識すれば、すなわちそれが老いというものであると。

リスクを取ることを恐れず、チャレンジを続けることにより、いつまでも成長し続けることが可能です。それを続けられる間は、「老い」は来ないと思っています。少なくとも、自分としてはそのように認識していたい。

そもそも、「チャレンジ」の裏側には必ずリスクがあります。リスク無しのチャレンジというのは言葉の定義として矛盾します。

リスクを前向きに捉え、チャレンジを続け、そしてスリルと成功の喜びを味わう。動ける限り、そうやって働いて、そして生きていきたいと思っています。


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