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「成人年齢は引き下げるべきか」リベラルアーツ読書会開催報告

こんにちは。
日本リベラルアーツ協会では「続・大人になるためのリベラルアーツ」に準拠した読書会の第2回を9月23日(木)に実施しました。 


今回のテーマは「成人年齢は引き下げるべきか。」です。運営から前提知識をお伝えした上で、本に準拠した4つの問いについて対話しました。

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1問目
選挙権が18歳に引き下げられたことを、あなたはどう思いますか。

まず「賛成」の考え

 ・若者の政治への関心が薄いので、その起爆剤になる。
 ・若者の意見は多い方が良い。シルバー民主主義はこれからの社会を創っていくために是正する必要がある。
 ・高校を卒業すると引越・進学により投票しにくくなる。高校で一度は投票することに意味があるのでは。

続いて「反対」の考え

 ・昔に比べ、成熟が遅くなり、社会的判断がしにくいのではないか。
 ・もう少し、民主主義にどうアプローチするべきか、といった教育や周囲の環境を整備しないと、人生経験が短い若者が、ただ年長者の意見に従うことになる。
→子どもでも、選挙に行く(模擬投票)等、練習していくのも良い。社会参加や組織運営なども良い。

ここで教育、特に「先生が学校で政治的な議論をすべきか」という問いが生まれ、

 ・政治的議論もすべき。高校は義務教育でもなく、またいきなり大人の世界へ出るのは過酷。
 ・政治的議論はすべきでない。まず高校の校則問題を考えないといけない。現状では先生の意見が強過ぎて逆効果。

といった考えが出ました。

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2問目
飲酒年齢は18歳に引き下げるべきだと思いますか

「反対」の考えが多く、

 ・メリットがあるのか
 ・20歳以上でさえトラブルが多いので、より多くなる。18-19歳に責任を取らせるのも酷。

といった考えが出ました。一方で、

 ・他の基準も18歳で大人とするなら、たとえ都合が悪くてもそこは合わせるべき。

といった「賛成」の考えもありました。

また、線引きについて、

・必要だが、年齢での線引きは、日本においては学年単位で動くことが多いため、同学年で飲める人・飲めない人が居て気まずい。4月1日に一斉に飲酒を認めた方が良い。

といった面白い案も出ました。

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3問目
少年法の成人年齢を18歳に引き下げるべきだと思いますか。その理由は。

まず「賛成」の考え

 ・民事的な責任、経済的責任を負うなら、刑事的な責任もセットにした方が良い。
 ・18歳になると、きちんと責任をもって判断ができると推測されるので(結婚が認められていることがその証左)特別視される必要はない。
→ただ、社会復帰の支援や、忘れられる権利の整備はもっとすべき。


続いて「反対」の考え

 ・感情論からの引き上げには反対。
 ・犯罪加害者のほとんどは社会に出る。現状、成人に対しても、どこまで専門家による更生教育が出来てるのか。わざわざ下げる必要はない。

といった考えが出ました。

 ここまで、政治参加(立法へのアプローチ)、身近な法規制、刑事事件の場合といった、いくつかの視点から「成人」「大人」を考えた上で、結局「大人」とは何なのか、最後に対話しました。

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4問目
「大人になる」とはどういうことだと思いますか。また、あなた自身は自分が「大人」であると思いますか。

 ・自分で選択したことに、自分で責任を持つ。そして自由になる。
→最初は義務教育が終わり、高校選びをするところからか。
→社会的に「成人年齢」が必要だが、実際にはグラデーション。
→子どもと大人はグラデーション仕様で、いつまでも子供の部分があってもよい。
→複雑な社会で、そもそも一様な成人の定義は難しい。 
・大人には「なり続ける」。
→「進路」「就職・経済的自立」「税金」など、ある程度共通の「大人になる」があるが、
その後は「人生経験」を積んで人生を通して大人になり続ける。
 ・大人になる必要性ってあるのか。完全には大人になれない?
 ・「一斉18歳テスト」なんかがあっても良いかも。


 答えられそうで、大変難しい問いですが、各々の専門はもちろん価値観も含め、活発な対話ができました。

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最後に
アンケートにて感想を頂きました。

 ・「大人になること」について、難しく、もちろん一概に一言で決められるものではないと感じていたが、様々な観点から考えた。
 ・大人の明確な定義はなく、色々な面(選挙、犯罪、自由など)で大人とは何かを考える機会になりました。
 ・私は今年成人年齢である18歳になり、まだまだ大人とは言えませんが、大人になろうとすることはとても大事だと思いました。
 ・”大人になり続ける”という言葉がとても印象に残りました。だんだん大人になっていくんだなと思いました。
 ・大人って難しい。

 今回は、教育学、社会学(政治系)、工学など多様な専門を持つ人だけでなく、中学生・高校生や大学1・2年生にもご参加いただき、また学生も社会人もいらっしゃり、各々の専門や経験、立場を基に活発な対話が出来ました。お互い素敵な刺激になったようで何よりです!

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 次回は9/30(木曜)に「速く走れる人間を作っても良いか」というテーマで開催します!多くの人にご参加いただけること、楽しみにしています!

 今回参加して下さった皆様、ありがとうございます!!

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