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書評

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記事一覧

佐久間薫『お家、見せてもらっていいですか?』書評

 家に興味のない人はいない。家が気になる。他人の家が異様に気になる。散歩しながら見るもの…

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4か月前
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松岡千恵『ヘンルーダ』書評

 いったい何を読まされてるんだ、と次第に不安な気持ちになるような小説があり、松岡さんの短…

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1年前
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『いい絵だな』評

 いい絵とはなんだろうか。絵を見ている時間って人生にとってどういう意味があるのだろうか。…

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1年前
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さよ俺フェアポップコメント

二村ヒトシ『すべてはモテるためである』 熟読するとこのタイトルに著者が込めようとしたもの…

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2年前
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『音読教室』評

 言葉を伝え、他者に渡す行為は人間たちをつないでくれる。その内容に関する興味は尽きること…

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2年前
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平凡社新書『平賀源内』コメント

日本史のなかで天才といったらこの人ですね、平賀源内。だけどネームバリューのわりに実体が謎…

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2年前

駅前書評

 本屋で働いてて日々たくさんの雑誌の動向を直に感じている私としましてもこの「八画文化会館」はどうにも手に負えない。得体は知れてるんですよ。編集長の為人はああだし、珍なるものを求めた現場主義の雑誌が無かったわけではございません。私個人の嗜好としても大好物と言っていいほどのジャンルですよ。しかし!諸手をふって万人にお勧めする機運が高まらない!!  で、「駅前」です。あらゆる他人たちが絶えず往来する駅前。そこには深く分け入って来る者を選別するスポットとは全く違ったルールが存在するで

吉田聡『DADA』について

 湘南爆走族でおなじみの吉田聡先生はヤンキーマンガを描きつづけてて偉大です。ヤンキーマン…

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2年前
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『らせん階段一代記』評

 昼休み。西荻窪駅前の富士そばにいる。だいたい行く。安くて満足できるからだ。先日読みかけ…

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2年前

『しくじり審判』評

 サッカーの審判たちがとっておきの失敗エピソードを次々に披露する本。 それっておもしろい…

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2年前
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『平成のヒット曲』コメント

歌は世につれ、世は歌につれ。ですよ。みんなに聴かれた曲というのは、その時代が求めていた憧…

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2年前
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『裸のJリーガー』評

 天才に魅かれる。天才たちの天才であることによるどうしようもない生きづらさとか、不器用さ…

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2年前

『臆病な詩人、街へ出る。』評

 詩人。とは誰なんだろう。そもそも詩とはなんだろう、ということを日常的に考えている人は少…

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2年前
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『まともがゆれる』評

 私は42歳だ。42年間、もがいて生きた。もう42年くらい生きたいとおもっているし、あわよくばさらに長く生きて、世界最高齢まで達し、ギネスブックにレコードされたい。葛飾北斎はあの時代にしては、かなり長生きした。死の床で、おれはもっと長らえたらもっと凄い絵描けるぞ、みたいなことを言った。実際、そうだったに違いない。  死ぬときに自分も周囲も苦しいおもいをするだろうか。人生の最期につらく終わる、ということがすごく理不尽だ、と最近よくかんがえている。死をコントロールするのは、とても