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セキュリティ・トークンを庶民が理解するに至るまで

1.はじめに
 セキュリティ・トークン(ST)は、デジタル化された資産がブロックチェーン技術を用いて取引される形式であり、伝統的な金融商品の概念を変革する可能性を秘めています。
 今回は、改めてセキュリティトークンの定義、その背後にある法律の枠組み、市場における役割、そして投資家にとっての価値について考察していきます。また、STの投資手段としての可能性と将来性、一般に馴染むまで、についても考えてみます。

2.STの概念
 STは、実質的な資産、例えば株式、債券、不動産などをデジタル形式で表現したものです。これらはブロックチェーン上でトークン化され、デジタル証券として機能します。この過程により、資産の分割売買が容易になり、従来の市場参加者だけでなく、より幅広い層の投資家が市場に参加できるようになります。
 2020年の金融商品取引法(金商法)の改正は、日本におけるセキュリティトークンの発行と取引を法的に可能にし、この分野の成長を加速させました。

https://www.fsa.go.jp/singi/digital/siryou/20230606/2jstoa.pdf

3.法的背景と規制環境
 このように、セキュリティトークンの発展は、法的な基盤に大きく依拠していきます。金商法の改正により、デジタル証券の発行基準、運用規則、投資家保護の目線などが定められました。これにより、投資家を含む様々なプレイヤーがセキュリティトークン市場に参入し始め、発行者は新たな資金調達手段を利用できるようになりました。
 規制環境の整備は、市場の透明性と信頼性を高め、さらなる成長を促進する重要な事項でもあり、今後のさらなる市場参入を促す基盤となっていきます。

4.STの位置づけ
 STは、不動産投資信託(J-REIT)などの従来の金融商品と比較して検討されることが多いです。不動産においては、STを通じて小口化された資産への投資が可能になり、以前は大規模投資家のみがアクセスできた投資環境が、小規模投資家にも開かれました。つまり、投資家にとっての新しい投資機会を提供したことになります。これらのトークンは、デジタルプラットフォームを通じて取引できるため、投資の手軽さは向上します。また、ブロックチェーン技術の特性上、取引の透明性とセキュリティが保証され、投資家保護が強化されることになります。

5.STの展望
 株式会社プログマの代表取締役、斎藤達哉さんの見解も含め、STの市場規模は現在、急速な拡大期にあると捉えられております。

 ブロックチェーン技術の進化により、上場の必要なく資産の小口化が可能になり、市場のアクセシビリティが大幅に向上しました。特に不動産STは、個々の資産への直接投資を可能にし、不動産投資信託のような従来の商品と比較して、より細かな投資選択が可能になります。

6.諸課題を乗り越えていきながら市場が成長するという見立て
 デジタル化が進む証券取引においては、決済の確実性や即時性は非常に重要な要素となります。その流れでステーブルコインは大きな役割を果たしていくものと考えられ、関心も集まっています。ステーブルコインは価値の安定性を持ちながら、ブロックチェーン技術を活用することになり、上記の即時性や透明性を支えていくことが期待されます。
 また、デジタルウォレットのようなサービスは、ステーブルコインだけでなく、法定通貨、暗号資産、NFTなど多様なトークンを効率的に管理し、利用するための基盤を築いていくことが期待されます。決済手段が多様化し、決済の場面や用途に応じて最適な手段を選択できるようになることは、利便性の向上はもちろん、金融包摂の促進にも寄与する可能性があります。
 もちろん、デジタルでの決済の進展には、情報セキュリティやプライバシー、法規制との整合性など、多くの課題を伴いますし、そもそも投資商品としての適切性についてもより認知されていくことが必要です。自主規制団体での議論や当局の見解を踏まえた議論等も重ねられていくなかで、市場として形成されていくので、その動向は適宜追ってみます。

7.もちろん楽観的なことばかりではないとは思います
 また、当事者からしたら技術的障害、規制上の問題など、ST関連のリスクに対する対応が重要な留意事項になります。金融商品ですので厳格さや慎重さが伴います。そのあたりの兼ね合いは当事者にない私には難しいところです。

 また、現時点での本書では、国際比較による分析、日本の立ち位置についての所見が不足しています。加えて、STを購入した投資家目線での率直な声などにも注目していく必要があります。これらデータ等をつけ合わせていかないと、実際の利便性や価値、成長可能性についての深い理解が伴ってきませんので、引き続き学んでいく中で、改めて書かせていただきます。

8.最後に
 金融事業について中小の金融事業者でも取り組めるような「淵」の部分を探り、実用化に貢献を果たしたいというのが私の立ち位置です。ですので、STそのものは、まだ私が扱うには、「大きくて」、「中心」に近いです。   
 その中でも、新しい展開に関心を寄せながら、手の届く取り組みに対しては自らでも着手していきたいと思っております。
 そんな庶民感覚の歩みで今後も発信してまいります。


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