実践経営ネットワーク通信

髙橋正浩、「みんなが主役でみんながサポーター」という社会に向けて中小企業経営者と伴走し…

実践経営ネットワーク通信

髙橋正浩、「みんなが主役でみんながサポーター」という社会に向けて中小企業経営者と伴走します。愛業至誠、コミュニティ、循環、新しい資本主義、中小企業診断士、宅地建物取引士、資金調達、クラウドファンディング、気功施術、カウンセリング。共感、森信三、人生二度なし、二宮尊徳、積小為大

最近の記事

アップサイクルと地産地築:中古建物再生への新たなアプローチ

1 アップサイクルって何?  アップサイクル(Upcycling)とは、使われなくなった製品や材料を単純にリサイクルするのではなく、元の材料よりも価値や品質が向上するように再加工する行為とのことです。古ビル再生プロジェクトに関与している中、パートナーとの会話の中で知りました。  最近、長男が小学校を卒業したのですが、年始にランドセルメーカーから、6年間使ったランドセルを再加工してペンケースやパスケースにしませんか?というDMが来ていました。これもアップサイクルなのですね。

    • 『生成AI活用ですぐに解ることを資格取得の勉強までして得ることの意味を探る』

      1.JOBカフェとは  大学生の卒業後の進路や仕事について、OB・OGの活動を聞き考える場として、JOBカフェという企画があります。ご縁があって、母校のJOBカフェにOBとして参加させていただく機会が先月にありました。今回のJOBカフェの企画は法学部を中心とした学生に対する国家資格の紹介でした。私は、中小企業診断士の資格保有者として学生の皆さんに活動をお伝えする機会を頂きました。  今回は、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士の仕事紹介という企画で、学生は主に1、2年生の

      • 中小企業が押さえておきたい成長戦略・出口戦略の一例「TOKYO PRO Market(TPM)」への上場

        1.上場の意義や現状について  企業が上場すると、信用力や知名度が向上し、人材の獲得もそれまで以上に有利になってきます。しかし、上場に必要な条件の厳しさから、多くの経営者がその道を諦めているのも現実です。売上数億円、利益が数百万円規模の中小企業にとっては、上場は自社には関係のない話のように感じられることでしょう。 2.TOKYO PRO Market(TPM)の紹介  しかしながら、東京証券取引所が提供するTOKYO PRO Market(TPM)は、その比較的緩やかな上

        • 中小企業における生成AIエフェクト

          1.はじめに  2024年2月22日の日経クロステックから「職場における⽣成AIの利用割合は⽇本が最下位、ベリタスが11カ国で調査」を紹介いたします。 対象とした1万1500人の会社員(日本:1000人)の結果を部分的に紹介します。  このような調査がある一方、生成AI、特にChatGPTが社会に与える影響というのは、単なる技術革新を超えたものだと思っています。ちょうど読んでいた日経ビジネス、日経クロステック、日経クロストレンド編『Chat GPT エフェクト 破壊の創造

        アップサイクルと地産地築:中古建物再生への新たなアプローチ

          「光」を見つける旅 ~「ジョハリの窓」を通じた観光地の再発見~

          1.はじめに インバウンドはコロナ前の水準に  「訪日客1月268万人、コロナ前と同水準 中国は55%回復」と2月21日の日本経済新聞は報じました。  記事の一部を紹介します。  そして、最近の傾向について、「日本を訪れた外国人は商品を買う「モノ消費」からサービスなどを体験する「コト消費」へ消費の動向が変わってきている」ということも定着してきているようです。例えば、食品サンプルや包丁づくりが観光コンテンツになっています。  外国人観光客の増加がもたらす影響は、予期せぬ

          「光」を見つける旅 ~「ジョハリの窓」を通じた観光地の再発見~

          セキュリティ・トークンを庶民が理解するに至るまで

          1.はじめに  セキュリティ・トークン(ST)は、デジタル化された資産がブロックチェーン技術を用いて取引される形式であり、伝統的な金融商品の概念を変革する可能性を秘めています。  今回は、改めてセキュリティトークンの定義、その背後にある法律の枠組み、市場における役割、そして投資家にとっての価値について考察していきます。また、STの投資手段としての可能性と将来性、一般に馴染むまで、についても考えてみます。 2.STの概念  STは、実質的な資産、例えば株式、債券、不動産などを

          セキュリティ・トークンを庶民が理解するに至るまで

          木造農業ハウスに「呼吸する」「共鳴する」「活かしあう」という一面が見えました

          1.はじめに:酒田市主催の「36 SAFARI」に参加してきました  山形県の酒田市の企業とのマッチングイベント「36 SAFARI」が1月12日に渋谷QWSで開催され、私も参加してきました。  酒田市を含む庄内地域は、私にとっても所縁のある土地です。私は出生地は山形県酒田市でもあり、両親ほか親せきが庄内地域で長年にわたり生活を営んでおります。  その庄内地域は、山形県の西部に位置し、日本海に面しています。また、後背地には出羽三山があり、きれいな山々が庄内平野を取り囲んでい

          木造農業ハウスに「呼吸する」「共鳴する」「活かしあう」という一面が見えました

          セキュリティートークンとNFTによる持続可能な社会創造への道

          1.はじめに:ペイン(苦痛)とゲイン(利得)からの社会創造へのアプローチ  社会創造の発信点には、ペイン(苦痛)とゲイン(利得)の両面のアプローチがあると言えます。苦痛や問題があることは、それ自体で変化を促す強い動機となり得えます。一方、ポジティブなビジョンや経済的機会の追求もまた、新しい価値やシステムの開発を促す重要な動機となりえます。以下にペインの観点からの社会創造とゲインの観点からの社会創造についてまとめてみます。 2. ペイン(苦痛)からの社会創造 (1)問

          セキュリティートークンとNFTによる持続可能な社会創造への道

          歩みを止めて見つめ直す : 中学受験と捻挫から学んだ家族と健康の価値

          最近、私は3年ぶりに捻挫を経験し、動けない日々を送っています。始まりは、息子の中学受験の待ち時間に少し体を動かそうとした1月25日に遡ります。日頃の運動不足がたたり、足首に無理をさせた結果、足首をベンベンと振った速歩きを1時間弱した後に痛みが発生しました。 その痛みは受験翌日から徐々に強まり、2月1日には耐え難いほどに。2月2日には何とか普通に歩こうと努めましたが、夜になると痛みで睡眠を取ることが困難に。痛みを抱えながらも、2月3日の息子の受験校には彼を送り届けました。しか

          歩みを止めて見つめ直す : 中学受験と捻挫から学んだ家族と健康の価値

          グループ企業間融資の罠

          「ゾンビ企業、3年連続の増加―帝国データバンク : ゼロゼロ融資で延命したものの… 」という記事がありました。  一方で、このゼロゼロ融資については返済も本格化しております。中小企業経営者の皆様におかれましては、足元の売上入金などの状況を見ながら、資金繰りについて頭をグルグルと巡らせていらっしゃる方も多い昨今です。そんなときにグループ経営を行っている会社であれば、会社間で資金を融通し合うということも多々あります。  グループ間企業貸付について「グループ企業だし…」「親会社

          グループ企業間融資の罠

          日本における「第4の核の時代」に向けた議論

          1.米中での原子力関連の最新ニュースの紹介  エネルギー源としての安全性と経済性は、日増しに注目を高めています。世界的には「第4の核の時代」に向けて、中国、アメリカを含む世界各国で活発に開発されており、中国では大規模な国家プロジェクトの一環として、米国では多数のベンチャー企業によって研究が進められています。最近、両国発のニュースがありました。  アメリカのケイロスパワーは現地時間の1月10日、溶融塩循環試験に成功したと発表がありました。2023年秋に実験を開始してきた中で

          日本における「第4の核の時代」に向けた議論

          サプライチェーンプラットフォームへの対応が新しい時代の地域金融の鍵

          1. サプライチェーンの基本とサプライチェーンマネジメント(SCM)  サプライチェーンは、製品が原材料から最終消費者に届くまでのプロセス全体を指します。このプロセスは、原材料の調達から製品の生産、物流、そして最終的な販売に至るまでの各段階を含みます。サプライチェーンマネジメント(SCM)については多くの所で説明されていますが、おさらいすると、プロセスを全体として最適化し、効率的かつ効果的に管理することが目的です。SCMは、個別の部門やプロセスだけでなく、企業全体の視点から

          サプライチェーンプラットフォームへの対応が新しい時代の地域金融の鍵

          地域金融機関のビジネスモデル転換~サプライチェーンファイナンスを中心としたDX戦略~

          1 中小企業はより良い資金調達環境を求め続ける  前回、資産担保貸付(ABL:Asset-Based Lending)について、私の貸付の実務経験も踏まえながら、調達をしてみたいという中小企業経営者や経理担当者向けの情報収集的な記事を書かせていただきました。  そこでは貸し手となる金融機関も借り手側のニーズに高度に応え続けていくことの重要性にも触れました。借り手側も情報を得る機会が増えています。Fintech技術の活用やクラウドファンディング等の調達手法を目にする機会も増

          有料
          500

          地域金融機関のビジネスモデル転換~サプライチェーンファ…

          お正月の家族会議の続きを。家族信託の紹介も兼ねて。

          1.はじめに(お正月の家族会議を終えると)  正月やお盆などの大型連休が明けると、一般の方からの不動産の査定や売却の相談が増える傾向にあります。親族で集まる機会があるため、親の介護や自宅の扱いについて話し合う時間を設けることが多いのです。以下では、実家周辺の空き家の状況、親の意思能力の低下による対策の遅れ、そして家族信託に関する話をしたいと思います。 2.実家に帰るたびに目にする空き家と空き地の増加  40年前の小学生時代の通学路や遊び場だった学区を歩くと、空き家のよう

          お正月の家族会議の続きを。家族信託の紹介も兼ねて。

          ABLの理解促進の一助に

          1. 中小企業向けABLの課題と東京都の取り組み  中小企業向けのABLに積極的な金融機関は現実には少ないと思います。担保評価の難しさや費用負担、担保実行後の換価の難しさ、期中管理(モニタリング)の手間が考えられます。一方で、東京都では中小企業向けのABLの活用を促進する政策を行っています。東京都と一部の地域金融機関が連携していることが特徴です。  東京都以外の状況は不明ですが、この取り組みが広まれば、ABLの普及が期待されます。    以下は、ノンバンクで動産担保融資や

          ABLの理解促進の一助に

          ABLから事業成長担保権の理解と活用へと流れる2024年

           ファクタリングは、売上が拡大している企業に適しており、拡大中であるために必要となる運転資金の迅速な資金化には有効です。しかし、一方で成熟期や衰退期に入った際には、短期的な資金手当て方法として手軽に利用し続けてしまうと、徐々に経営を圧迫するリスクもあります。  11月6日にNHKから「企業で利用増える“ファクタリング” 悪質業者とのトラブルも」という報道がありました。 概要は以下の通りです: ・コロナ禍により、中小企業が利用した「ゼロゼロ融資」の返済が始まり、倒産件数が

          ABLから事業成長担保権の理解と活用へと流れる2024年