【お金について考える】助成金についての考え方【メリット・デメリット】
先日、顧問先から「現在どんな助成金があるのかについての解説をして欲しい」という要望があり、厚生労働省管轄の助成金について解説してきました。
現在、私がおすすめする(利用し易い=会社運営に悪影響が発生しにくい)助成金は、以下で説明しております。
助成金業務は、人事労務関連業務の中に含まれているため、助成金申請を専門としている社会保険労務士の方もいらっしゃいますし、私も申請業務のお手伝いをしております。
しかし、未だに「助成金は国からお金をもらえる」=「メリットしかない!」と考えられている社長さんが多いです。
助成金についてはメリットだけでなくデメリットも発生していますので、この記事でまとめます。
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1⃣ メリット
1.一件あたり数十万円の金額。
2.従業員雇用のリスクを軽減出来る。
⇒ ①②とも、特に、中小企業にとって大きなメリットです。
2⃣ デメリット
1.助成金対象者への評価・対応がブレてしまう。
⇒ 助成金受給の要件については、入社から数カ月以上在籍している従業員に対してのものが多いです。
ですので、助成金対象者が何かしらの問題を発生した際に、「この従業員は助成金申請するつもりだしなあ。」と考えてしまうと、本来であれば、懲戒や契約満了にするところを、何もなくおとがめがなくしがちです。
また、通常でも、対象者に対して腫れ物に触るような態度を取ってしまう可能性もあります。
2.助成金受給のために無理をしてしまう。
助成金受給のためには多くの申請書の提出が必要ですし、それに伴って会社の仕組み作りが必要になります。
少なくとも、就業規則・賃金台帳・出勤簿については、国が求める最低限のレベルの書類作成(=仕組み作り)をしなくてはいけません。
現在特に問題ない会社運営だとしても、助成金受給のレベル(=国が求めるレベル)には達していない会社さんも多いです。
つまり、大きな経営判断として考えた場合に、「助成金の受給金額」と「それに関連する会社経営の(変化しなくてはいけない)リスク」とを比較する必要があります。
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目の前の数十万円という金額は、経営者にとって大きなものではありますが、それに伴う会社の仕組み作りなどの変化が必要な場合には、リスクも発生します。
「受給金額」と「会社経営の変化リスク」のどちらのメリットが大きいかについて取捨選択が必要になるのが助成金、と考えて欲しいです。
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