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【AI】就業規則診断【人事労務管理】

先日、ある顧問先から「税理士事務所から営業を受けて、就業規則診断を受けた報告書が来たんだけど、ちょっと内容を確認してくれない?」
という相談を受けました。

私自身、(おそらくAIなどのシステムを利用した)就業規則診断というものに興味がありましたので、その就業規則診断報告書をお借りして確認しました。

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※ここからは、私自身の感想&考えが中心になっていることに留意し、ご覧頂ければと思います。

それを読んだ私の感想は、

会社運営のために、報告書はほとんど役に立っていない


ということでした。

報告書を読みますと、十数か所について修正の指摘があるのですが、それを詳しく読み込むと、

法律に忠実な就業規則(国や官公庁が望む)の作成を目指しているのか、努力義務や細かい規則も入れ込もうとしています。


私の経験上、努力義務まで入れ込んでしまうと、円滑な会社運営には繋がりにくいですし、会社内で発生した出来事への対応(柔軟性)も低下してしまいます。

はっきり言うと、私が、「貴社の運営のためには(柔軟性を確保するためには)こうしたほうが良いですよ」とアドバイスしていたところを、全て法律通りの記載にしろと言われているような報告書でした。

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ただ、このような報告書になったのは、よくよく考えると当たり前のことです。

営業してきたのは税理士事務所が主体の合同事務所であり、なるべく人事労務でリスクを負いたくない、という考えのためでしょう。

正直な話し、人事労務関連業務というのは、人(経営者側)と人(従業員側)との問題ですので、法律通り(官公庁の予想通り)の背景で発生した問題であることはほとんどありませんし、その結果、法律通りの結果となってどちら側も満足して終了するということもありません。

ですので、少なくとも今の段階においては、就業規則の内容作成についてAI(某システム)を上手に利活用していくことは難しいのではないかと思います。

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しかし、「もしAIなどが就業規則類を完璧に仕上げてきたら、私の業務にも影響があるかもしれない…」とも考えていたので、少しホッとしている自分もいます笑

ただ、AIとの協業は私にとってもメリットが大きい(私が見落としていた部分の指摘など)ので、AIの人事労務分野への進出については今の流れが続いて欲しいと思います。

個人的には、AIに、

1.全国で発表された他の判例

2.他の会社や地域で上手く行っている(問題になっている)人事労務について取組み事例

などについて、対象企業にマッチしたものを収集する業務をして欲しいと思います。



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今回の画像は【番茶(50代Youtuber)】さんからお借りしました。ありがとうございます。

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