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【最低賃金】全国一律・平等が全て良いという訳ではない【全国平均1000円突破】

中央最低賃金審議会は「2023年10月からの最低賃金について、全国加重平均で41円引き上げる」ことを目安に取りまとめました。

2022年度の全国加重平均が961円でしたので、史上初・全国平均での時給が1000円を超えることになりました。

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余程のことが無い限り毎年一度決定される最低賃金ですが、今のように、中央最低賃金審議会が「全国一斉」に、「業種・企業規模関わらず」決定する方法が時代に合わなくなっている時期を迎えているのではないかと思います。

財政的に、最低賃金の引き上げ金額が余程のアップ率でない限り、大企業であれば対策は問題無いと思うのですが、中小企業にとっては死活問題にもつながりかねないことなので、導入時期に差をつけることが必要だと思います。

大企業が支出を増やす⇒従業員などの給与アップ⇒中小企業など川下にも恩恵が発生

という流れを多くの方が実感出来るためには、少なくとも一年のラグが発生します。

ですので、大企業と中小企業を同列に扱うことは、少し違和感を感じます。

また、中小企業の分け方を「資本金と従業員数」で決定していますが、それを「売上げ・利益金額」で決定するというのも良いと思います。

※「中小企業向けのメリットを享受する」という目的だけのために、大手会社が減資して中小企業になったこともありました…

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現在の物価高や人手不足解消のための対策として、最低賃金を引き上げる施策自体は仕方ないというのは、ほぼ全ての事業主の方々が納得されていると思います。

しかし、大企業はともかく中小企業については、平均賃金の引き上げでかなりの悪影響を受けてしまうところもあります。

現在でも、最も高い東京都と、最も低い東北・四国・九州・沖縄とでは約200円の差がありますが、都道府県GDPによる格差をつけたり、業種や売り上げ高などによって、中小企業に対する国からの貸し出し金利を引き下げるもしくは貸し出し金額上限を引き上げる・民間銀行からの融資を得やすくする、という施策をセットにしたりすることも有効だと思います。

また、今も存在している、「特定産業別最低賃金」が各都道府県平均で4~5業種設定されていますが、これに最低賃金の引き上げの影響をモロに受ける小売業やサービス業などの業種を追加するなど、考えられる施策は多くあります。

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あまり細かい設定にしてしまうと、国として運用が大変になるということは分かるのですが、平均賃金については、中小企業の会社運営に直撃する内容ですので、細かい配慮をして欲しいです。



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今回の画像は【写真は呼吸 <こさいたろ>】さんからお借りしました。ありがとうございます。

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