【書評】マンガ 企画室真子のマーケティング入門

あらすじ

本書では、閉店の危機が近付いているイタリアンレストランを舞台に、主人公が経営改善のための改善案を作るにあたって、マーケティングについて学んでいくストーリーになっています。漫画によってビジュアライズされているためサクサク読めて、内容としてもロングセラー「ドリルを売るには穴を売れ!」を原作としているのでとてもしっかりしています。
本書の中で何度も述べられているのは「お客様にとっての価値」ですが、その探り方や考え方について、本書の中ではストーリーに合わせて紹介されています。

​この本を読むことをおすすめしたい方


1.マーケティングについて学びたい人
2.企画をするときの考え方のポイントを知りたい人
3.客側としてお店選びに悩んでいる人

この本によってためになったこと

1.基本的なマーケティングの知識を得て、そのまま実際のマーケティングに生かすことができる
2.企画をする際の考え方、選定基準、実際の落とし込み方
3.お店の戦略をイメージすることで客側として選ぶ際の基準になる

私がこの本を選んだ理由

マーケティングについて初歩から学びたくて本屋に立ち寄り、本屋でこのタイトルを見つけてふと中を見てみたらとても読みやすく(マンガであるのも大きいとは思いますが)思わず購入しました。
本書で最もためになったのはマーケティングがビッグデータでなく、肌感覚からスタートして企画していくことにあり、お客様にとっての価値にあると述べられている部分です。この部分を強く実感できたことが本書の中で印象に残りました。

記憶に残った本の箇所を引用

1.”「価値」は「使い方」に現れる ベネフィットは利用場面を見ればわかるんだ”
本書はここまでに、イタリアンレストランを例にとり、料理の良さだけをウリにした企画だけではタメで、料理も含めた「お客様にとっての価値」(ベネフィット)を取り入れることについて述べています。私は飲食店の価値は料理を食べることについては当たり前であるという考え方には驚きました。そしてその方法が上記のとおり、その提供するものの「使い方」にあり、利用場面を見ることとされています。

2.”両方狙うとどっちにも刺さらない 若者が来たら騒がしくなるのは当たり前だ 静かに食べたい人はイヤがるだろ 同時に療法は狙えないし狙うとどっちにも刺さらなくなる お客様を絞るからこそ刺さるんだ”
これはマーケティングにおける考え方でも重要な「顧客ターゲット」の設定について述べられているストーリーでのセリフですが、本来の顧客ターゲット以外に働き掛けることは、このあとでも述べられているようにマーケティング戦略の中に一貫性がなくなり、本来の顧客ターゲットにウリが届かなくなってしまうということです。

3.”ベネフィット ターゲット 強み ここまでは目に見えない「概念」の話だが…この考え方を実際の現実に落とし込むのが「売り物」「売り方」「売り場」「売り値」だ それぞれの英語の頭文字を取って「4P」と呼ばれる 4Pで価値が現実に落とし込まれる”
これは、これまで本書の中で解説されてきた内容を企画に落とし込む段階での話です。ここではたとえばリピートを促進したいレストランにおいて、無料ランチクーポンを配るという「売り方」はそのマーケティング戦略に即していない方法としている。顧客ターゲットから逆算した価値を最大限実現するためには、上記4Pすべてに一貫性が必要ということでした。

その他おすすめ本を紹介


『マンガ 企画室真子のマーケティング入門』はレストランを舞台にしたマーケティングの基本的な部分が描かれていましたが、『沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲−』はWebマーケティングに焦点を絞って述べられています。合わせて読むと、多方面の知識を取り入れることができ、面白いと思いますので、ここにおすすめしておきます!

#ビジネス
#マーケティング
#読書感想文
#書評
#サラリーマン
#自己啓発
#自己成長
#ビジネス書
#良書
#企画

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?