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ジハード(ヒロ)
2020年6月18日 00:05
前回の桜の季節はこちら。 場所戻って現在の庄之助宅中庭。桜庭庄之助が一雄に語りかけている。一雄は庄之助の話しに夢中で聞き入っている。「そう約束すると桜の精は消えてしまったんじゃ、それから桜の精がわしの前に姿を表すことは無かった……。まぁ、この桜とは毎日会っていたがな。」 そう言うと庄之助は桜の木を見上げた、真似をする様に一雄も桜の木を見上げる。「いままでの人生色々な事があったが
2020年6月20日 00:14
前回のお話しはこちら。 葉子と一雄が帰った後も庄之助は縁側に座り桜の木を眺めていた。満開の桜は風でざわめき揺れていた。「今日も元気じゃな、羨ましいのう。ワシにもその元気があればのう。」庄之助はうつむき溜め息をついた。「昔に戻りたいのう。そうすれば一雄にも本当の強さってものを教えてやれるのになぁ。」 そう言って庄之助は家の中へ入っていった。日は完全に落ち辺りは真っ暗になってい
2020年6月22日 00:06
前回の桜の季節はこちら。 死神スレイブにより明日死んでしまうと告げられた庄之助、信じられない庄之助はスレイブに問いかけた。「明日で間違いないのか!」 もう一度手帳を確認し頷くスレイブ。「間違いありません。」「そんな馬鹿な……、こんなにも元気なのにか?」「そう言われましても、私は貴方の魂を迎えに来ただけですから、お身体の事までは。」「確かに最近妙に胸が痛むと……。いや
2020年6月25日 00:01
前回の桜の季節はこちらから。 死神が本物である現実を突きつけられた庄之助であった。「おじいちゃん……?」「……ああ、すまんのう。ほれ、そろそろ帰らんと、すっかり暗くなってしまった。」「……うん。それじゃ、また明日。」「ああ……。」 一雄はゆっくりと裏庭から外へと向かった。庄之助は複雑な心境だった、また明日……。今別れると明日にはもう会えないのだ、大好きな孫に……。「
2020年6月28日 09:58
前回の桜の季節はこちらから。「キミは?」 スレイブは急に現れた白い着物姿の人物に問いかけた。「ふふ、初めまして。」「私の姿が見えるのですか?」「はい、もちろんです。」 スレイブは驚いた、死神は死期の近ずいた者にしか姿が見えないのである。稀に霊感等の力が強いと言われる人間に見られる事はあるが、今回はどう理解すればいいのか。「貴方は、庄之助さんの言っていた桜の精ですか?
2020年6月29日 00:09
前回の桜の季節はこちら。 桜の精は語り始めた。 「あれは70年ほど前の事になります。涼しくなり始めた秋の事でした。庄ちゃんの住んでいるこの家を改装する事になり、庭も無くしてしまう予定の為私を切ることになりました。」 過去の桜庭家中庭。桜の木の前に立ち塞がる1人の少年がいる、幼少期の庄之助だ。『ダメだよ!この木は僕の友達なんだ!お願いだから切らないで!』「当時まだ小さ