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新任マネージャー研修を楽しみながら工夫する

今日は定期的にとっている有給取得での学習日、実質的には本業・副業の研修の仕込み日になってますが…。で、昨日、新任マネージャー研修をやっていたので、それについて書いてみます。
私の会社では新任課長研修とか、新任管理職研修という名前はつけていません。「新任組織管理者ライセンス研修」としています。研修タイトル自体が重要なメッセージになります。
ほとんどの日本企業では優秀なプレーヤーが抜擢されてマネージャーになります。しかし、当たり前ですが優秀なプレーヤーが即、優秀なマネージャーになれるかというと、それは無理な話です。そもそも役割が異なるのです。そして役割が異なれば、必要なスキル・能力・知識も異なり、仕事のやり方自体が異なるのです。ここに手当をしなければ、無免許運転のマネージャーが職場でのマネジメントを自己流で行うことになります。早晩、何らかの交通事故が起きかねません。交通事故は、メンバーの早期離職、メンタル問題、業績低迷といった顔で現れます。なので、マネージャーとしてのライセンスが必要なのです。きちんと免許取得の学びをして、少しの安心と自信、そしてやる気をもって日々の業務にあたっていただくようにするのが私たちHRの役割です。ちなみに、この組織管理者ライセンス研修ですが、新任だけでなく更新研修もあります。更新期間は3年です。

新任組織管理者ライセンス研修は、フルオンラインで実施します。今回の対象は新任課長ブラス最近入社されたマネージャーの方です。昔の新任管理職研修は、4月に全国の管理職を一堂に研修所に集めて、1泊2日でやる、なんて感じでした。これはこれで意味があるし、泊りの研修もいいですよね。これに対してフルオンライン研修の最大のメリットは、人を集める必要がないところです。この強みを徹底的に活用します。そうです、何回かに分散して開催するのです。何回かに分けて開催するメリットは、たくさんあります。➀1回が短時間になるので集中力が高まる、➁必要なタイミングに必要なことを届けられる、➂何度も会うので参加者同士の関係性が深まる、➃各回の間に様々な実践ができる、➄各回の間にささやかな課題も出せる。⑥何度も会うので人事と参加者との関係性が深まる。なかなか、素晴らしいメリットだと思いませんか。今回が2期目でまだまだ試行錯誤中ですが、今期は下記のような4回目メニューにしています。

➀4月……まずは、すぐにやらなければいけないメンバーの目標設定に向けて、評価と目標設定の講座です。よい目標設定をしなければ、良い評価はできません。評価制度の全体を理解した上で、目標設定面談に臨んでいただく必要があります。この研修だけは、4月すぐにやる必要があります。

➁の前に課題図書です。最適な本です。

➁5月(昨日)……いわゆるコアな新任管理職研修の日です。ただ、長々レクチャーはありません。まずは、課長になって2か月弱の振り返りの対話から始まります。ここで出る話は、私たちにもとってとても学びになります。この研修を4月にやらないのには意味があります。2か月弱の実践を経て、いろいろな戸惑い、悩み、難しさを実感し始めた時期にやるからこそ学びがあると思っています。咽喉が乾き始めてから、ドリンクを提供するのです。一番、美味しくドリンクを飲めるタイミングで。
そのあとの研修は、ショートレクチャー&対話の形式をとり、古今東西のマネジメント理論・リーダーシップ理論から、当社の今に適合性か強く、一人ひとりの日常の引き出しになり得るテーマを選んでショートレクチャーをして、それについての対話を何度も繰り返します。今、学んだことを自分に照らし合わせて語り、仲間からフィードバックとアドバイスを得て、また考えます。この繰り返しです。このプロセスで、参加者同士の関係性も、参加者と私たちの関係性も高まっていきます(と思ってるのですが)。こちらも深めたり、つないだりするために、いろいろとコメントや事例の提示が必要ですから、ここでのファシリテーションは、ある意味、腕の見せどころでもあるのでとても主催者としてもわくわくするところです。

そして➂の前にも課題図書です。組織開発とコーチングのマインドを理解できます。これ、うまくいくと大変な武器になります。

➂6月……ここは「キャリア面談ワークショップ」と称して行います。中間面談の際にメンバーとのキャリア面談を制度上求めているのですが、それが主課題です。その内容を通じて、キャリアとは何か、メンバーのキャリアを考えることがなぜ大切なのか、面談での相手の話の聴き方、なども伝えていきます。課長になって3か月、メンバーとの関係性に悩む時期です。面談のワークショップの形をとりつつ、メンバーとの対峙の仕方を考えます。絶対解などあるわけないので、自分はどうやるかを考えます。もちろん、この回も対話重視です。具体的なメンバーを意識して、具体的なキャリア支援のやり方を考えたりもしていきます。

➃7月……最終回です。対話中心とはいいながらも、ここまではいろいろなインプットが多かったので、最後はギフトです。ストレングスファインダーを使った振り返りを行います。そして、8月以降も、何かあったら人事部を使っていただけるような関係性をここまでで作っておくことが大切です。

新任マネージャー以外の階層別研修も、何回かに分散させる手法を同様にとるようにしています。これ、開催回数が増えるので、結果的にはこちら側の負担はかなり増える感じはありますが、フルオンラインの時代、できないことを嘆くのではなく、逆手をとってできることを考えることによって、導き出された結論です。

学びの場づくりは楽しいですね。


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