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世界あちこち空コレクション#2

知らない土地へ旅をして、あちこち手探りで歩き回っていると、目的地へ辿り着く前にへとへとになる。
そんな旅をしていると、迷い込んだ先や、疲れて休憩しようと足を止めた時、ふと頭を上げると思いがけず、素敵な空に巡り合うことがあります。

”目的地に、早く、効率よく辿り着くだけが人生じゃない”

色んなことにもがき、あれこれ思案しながら、自分なりのやり方でチャレンジして“自分らしい道”を歩もう!
そんなカラフルな人生の中で、きっと沢山の"思いがけない発見""幸せ"があると私は信じています。

ここでは、備忘録も兼ねて、私のカラフルな人生の旅先で巡り合った素敵な空たちを紹介します。


かわいらしい時計塔が似合うコンパクトな港町 in Catania,Italy

①かわいらしい時計塔が似合うコンパクトな港町     Catania,Italy

もうすぐお昼ということにもあり、レストラン探しを始める。
諸事情によりWi-Fiを使えなかったので、滞在先のホテルでもらった紙の地図を頼りに街歩き。カターニアの旅は、マルタで衝動的に決めたので無計画そのものだった。でも、今思い返すと旅の楽しみは”思いがけないことに出会うこと”だと思うのでWi-Fiがなくてよかったと思う。
直感を頼りに、港に近い新鮮な魚介類を提供してくれそうなレストランはないか小さな通りをくまなくチェックする。少し先に”porto”というおそらく港を意味する標識を見つけたので、いそいそと歩いていくと、この街に似合う可愛らしい時計塔を見つけ、思わずシャッターを切る。
文明の利器は、私達の生活を便利にしてくれる一方で、旅先での新たな発見や思いがけないことに出会う機会を奪ってしまうというリスクもある。自分の中の優先順位というものを大切に、上手く文明の利器と付き合っていこう。改めてそう思う旅だった。

バス停を探して彷徨い歩いた丘の上から息を飲む in Valletta,Malta

②バス停を探して彷徨い歩いた丘の上から息を飲む  Valletta,Malta

日本にいても、ローカルバスの乗り方には戸惑うことが多々ある。それが海外だとさらにハードルが高くなる。"Seek discomfort"をミッションに「新たな出会い」「気づき」を求めているが、ローカルバスに乗るのをつい躊躇ってしまう自分がいる。
マルタでの滞在は、首都バレッタの中のグジーラというエリア。グジーラは、結構頻繁にバスが通っているが、古都イムディーナへ行くには直通のバスがないため、一旦バレッタの大きなバスターミナルまで行き、イムディーナ方面へ向かうバスに乗り換える必要がある。バスは行き先と番号を表示しているが、バスターミナルが意外と大きく、尚且つ規則性がなくバス停が存在していて、観光客としては困惑するような作りになっている。海外あるあるだけど、「イムディーナに行きたいんだけど、どのバスに乗ればいいの?」と複数のバスの運転手に聞くと、みんな違う答えが返ってくる。彼らに何の悪気もないのは分かるが、こちらとしてはやはり正しい答えを教えてくれ!もしくは、分からないならテキトーな答えは言わないでくれ!と思ってしまう。そんな複数の答えを頼りに、またバス停探しを開始する。バスターミナルを歩き回り20分くらいで、「えー、もうどれなのよー!!!」と根をあげそうになった時、疲れも吹き飛ぶ息を飲む世界が広がっていた。「わぁ!!!」私、すぐにバス停が見つけられなくてよかった。彷徨ってよかった。この美しい景色に出会えてよかった。旅先での苦労は買ってでもしたほうがいいと心から思う。


伝統的な木製バルコニーがかわいい街並み in Gzira,Malta

③伝統的な木製バルコニーがかわいい Gzira,Malta

語学学校からホームステイ先に帰る途中。いつもの帰り道とは違う通りを歩いていた。マルタの至る所に、張り出しバルコニーがあってかわいいなと思っていた。カラフルなバルコニーの家が立ち並ぶ通り”オールド・ベーカリー”も写真映えスポットとしてはいいなと思っていたが、何となく歩いたグジーラの通りも素朴だけど、マルタの人々の日常が詰まっていて。私は何となくこちらの方が気に入ってしまった。


傾斜した窓から眺めるいっぱいのオレンジ屋根 in Gdansk,Poland

④傾斜した窓から眺めるいっぱいのオレンジ屋根  Gdansk,Poland

グダンスクに到着したのは、夜もだいぶ更けた頃。成田からアムステルダムを経由したので、ちょっと時間がかかってしまった。グダンスク旧市街は、あまり街灯がなく、しかも結構ヘビーな石畳の通りなのでスーツケースを転がすのに一生懸命で街の景色を見る余裕が全くなかった。
翌朝、朝食を食べるためホテルの最上階?(ちょっと記憶が曖昧だけど)へ。まだ、朝食の時間には早かったこともあり、ちょうど出来立たばかりの料理たちがビュッフェ会場を埋め尽くしていた。初めての東欧ということもあり、用意されていた料理がどれももの珍しく、「あれも美味しそう!」「これも食べてみたい!」と初めてビュッフェに連れて行ってもらった子供のように欲張りになってしまった。さて、第一弾の食事を始めようと、窓側の席に座ったら・・・オレンジ屋根で埋め尽くされていた。事前に、グダンスクを調べてあれこれと写真を見ていたが、実際に目にすると、本当におとぎの世界のようで美しかった。月並みな言葉しか出てこないけれど、食事を忘れシャッターを切りまくっていた。我に返った時、出来立てのソーセージがすっかり冷めてしまっていた。
あのホテル、何だったっけ?と思い調べてみた。そうそう、”IBB HOTEL"。


ショパンをモチーフにした壁画とそれに負けない空の芸術 in Warszawa,Poland

⑤ショパンをモチーフにした壁画とそれに負けない空の芸術  Warszawa,Poland

ピアノが大好き!音楽が大好き!という姉の要望から、ワルシャワのショパンミュージアムへ。館内には、ショパンに関する様々な展示や実際にショパンの音楽を聴くことができるデバイスがあった。ショパンに興味はないけれど、せっかく来たのだからと思い、1階から4階まで一通り見て回ったが、やっぱり興味がないものは興味がない。入館前からハイテンションだった姉には到底ついていけず、「館内のどこかにいるから勝手に見てきて。」と言って、ぼーっと外を見たら、ショパンがこんにちはしてきた。常設なのか、定期的に変わるのか分からないが、このシュールな壁画に見惚れてしまった。私にとって、ショパンの音楽よりこちらの壁画の方が価値が高い。ピアノが好き!音楽が好き!そんな姉には言えなかったが。自分の人生の優先順位は大切に。自分軸で生きよう。


かつて、第二次世界大戦があったとは思えない美しい通りと人々の日常 in Warszawa,Poland

⑥第二次世界大戦があったとは思えない美しい通りと人々の日常  Warszawa,Poland

ショパン生誕200年にあたる2010年、ワルシャワには「ショパンのベンチ 」なるものが作られた。何やらショパンにゆかりのある場所の前に設置されていて、ボタンを押すとショパンの名曲が流れるとのこと。全部で10箇所以上はあるようだが、ショパンに興味がない私にとっては「ふ〜ん」と思ってしまうが、姉は「全部周りたい!!!」と言い出した。8月も後半に差し掛かっていたが、まだまだお昼は暑く、全部回るのは正直しんどかった。
一通り、「ショパンのベンチ」を周り、ちょっとこの辺で水分補給も兼ねて休憩したいな〜と思い、カフェを探し始める。
ワルシャワの文化的エリアをふらふらしていたところ、これまた月並みな言葉しか出てこないが、おしゃれなテラス席があるカフェの通りに出くわした。
ここも、あの第二次世界大戦の舞台になっていたんだろうな・・・
だが、そんな過去を全く感じさせない美しい街並みと人々の日常がそこにあった。私に出来ること、それは、二度と悲惨なことが起こらないことをただ、祈ることだ。


ポーランドの古都、美しい旧市街と重厚感のある時計塔 in Krakow,Poland

⑦ポーランドの古都、美しい旧市街と重厚感のある時計塔  Krakow,Poland

私は中学の頃から中田英寿氏の信奉者である。
まだ、今のようにインターネットが普及していなかったため、彼の情報収集は主にサッカー雑誌かテレビだった。ある時、彼がnakata.netというインターネット媒体のサイトを立ち上げ、彼の言葉で日記のようなものが綴られるようになり、インターネットを求めて図書館通いをしたものだった。信奉者として、彼の情報をいち早く入手したい。今でいう、ある意味”推し活”のようなものだったのかもしれない。そのなnakata.netには、サッカーに関することだけではなく、休暇中に出かけた旅先でのことが綴られていた。その中の一つに、ポーランドの古都、クラコフの旧市街の美しさがあった。「いつかクラコフに行ってみたい」密かに私のクラコフ訪問熱はヒートアップしていた。
そして、ついに、このポーランド旅行は、私の長年の思いを実現することとなった。クラコフに到着した日は、すっかり日も暮れ、駅からホテルまでの道は少し怪しげな雰囲気を醸し出していた。ワルシャワから約5時間半の鉄道移動ということもあり、軽い夕食を済ませた後は、旧市街に繰り出さず、ホテルで眠りについた。
翌朝、8月だったがクラコフはひんやりした静かな朝だった。クラコフから、アウシュビッツ強制収容所のツアーに参加して、昼過ぎからクラコフ旧市街の探索に出かけた。昨晩の怪しげな雰囲気とは打って変わり、古都を感じることができる趣がある街だった。「ヒデもこの街に魅了されたのか〜」と独り感慨深く、十数年来の思いを実現することが出来たことにどこか満たされていた。
旅は、時分軸の要素も強いが、誰かの素敵な旅行記にインスパイアされるのもいいじゃない。自分の殻に閉じこもりだけではなく、時に誰かの観点を取り入れつつ、自分が昇華できることを見つけるのも、またいい。そんな新たな気づきをくれた。


嘆きの壁とフェルメールブルー in Jerusalem,Israel

⑧嘆きの壁とフェルメールブルー Jerusalem,Israel

小学生の時、アンネの日記を読んで以来、ユダヤ人に関心を持っていた。なぜ、ユダヤ人というだけで迫害を受けるの?
自分が生まれた日本という国が単一民族国家、単一言語国家ということもあり、他民族共生の難しさが良く分かっていなかった。
世界史の教科書や資料集で、「嘆きの壁」を見ていたが、宗教に疎い私にはユダヤ人やその周りにある課題というのは、どこか遠い国の問題という捉え方をしていた。しかし、その後も、やはり「ユダヤ人って何?」という問いは自分の中で続いていた。
そしてコロナ後、思い立ってイスラエルに飛んだ。出発の3日前にフライトを予約したので、ほとんど下調べというのはなかった旅だったけど、何となく行ってみて、自分の目で確かめたい!そんな気持ちが何よりも優った。
ちょうど、ユダヤ教の過越際の時期だったので、世界中から巡礼及び観光する人でごったがえしていたが、ある意味いい時期だったのかもしれないと、振り返ると思う。
ホテルから、徒歩で旧市街に向かって歩き、ヤッフォ門を通り「嘆きの壁」を目指すが、なかなか簡単に辿り着けない。お土産屋が軒を連ねる小路をくねくねと歩き、「Wailing wall」という標識に沿って進むが、日頃の運動不足からか辿り着く前に体力が限界に達してしまう・・・そう思ってしまった。
さらに噂では、「嘆きの壁」に行くためには厳重なセキュリティチェックがあるとのことだったので、「大丈夫かな?私?」と少し心配になったが、こちらは特に問題なく通過することができた。
そしていざ、「嘆きに壁」を前にすると何も言うことが出来なくなってしまった。これが、あの・・・
古代からの建築物と驚くほどの空の青さとのコントラストに言葉を失ってしまった。その空の青は、現実の世界では見た事のない色合いで、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」に出てくるターバンのブルー、フェルメールブルーのように見えた。


都市全体が手入れが行き届いた広大な庭 in Jerusalem,Israel

⑨都市全体が手入れが行き届いた広大な庭 Jerusalem,Israel

エルサレムの旧市街にはいくつかの門がある。そのうちの一つ、シオン門周辺を散策してみようと思いホテルを出た。この日、ユダヤ教の過越祭ということで公共交通機関が動いていなかった。ちょうど気候も良い4月ということで歩いて散策する。坂を下り、ヤッフォ門周辺まで来ると観光客で賑わっていた。そこを通り過ぎ、シオン門を目指し城壁に沿って進むと、だんだん人が少なくなっていった。シオン門という標識を見つけたので、少し休憩しようと城壁とは反対側を向いて腰掛けた。何と!!!その周辺一帯は、ものすごく手入れの行き届いた広大な庭のように美しかった。


この先にある空を見たい in Jerusalem,Israel

⑩この先にある空を見たい  Jerusalem,Israel

シオン門を後にし、もっと手入れが行き届いた広大な庭を散策したいと好奇心が湧いてきた。ところが、私が座った場所からは舗装された歩道が見つからない。さて、どうしたものか・・・
小学生の頃、学校の帰り道よく「近道」と言って、舗装されていない獣道を通っていたことを思い出す。今思えば、獣道を通るには結構体力が消耗し、距離的には短かったのかもしれないが、時間的に体力的に考えると、本当に「近道」だったのだろうか?
そんなことが、ふと頭に浮かんできたが、選択肢は一つ。この道なき崖?を下るしかない!そう思い、もういい大人だけど崖を下ることを決心した。時々滑り落ちそうになりながら、久しぶりの獣道を下る感覚をしばし楽しんだ。
何とか、無事に舗装された歩道に辿り着き、今度は、風車がある丘を目指して坂道を登る。見た事のない植物、手入れの行き届いた庭を眺めつつ先を目指す。風車はすぐ近くにあるように見えるが、歩くとなかなか辿り着かない。
目的地って、そういうものなのかも知れない。どこへ行くにも、何をするにも簡単にうまくいくのなら、旅の醍醐味を味わうことは出来ないのではないか。自分軸、自分にとっての優先事項を忘れずに、あれこれ思案して、自分らしい方法でチャレンジしよう。トライアンドエラーを繰り返すことで、新しい発見気づきが生まれると私は信じている。


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