蘭 モマ

文字にする、言葉で伝える、その難しさを感じながら、それでも移りゆく感情を残しておきたく…

蘭 モマ

文字にする、言葉で伝える、その難しさを感じながら、それでも移りゆく感情を残しておきたくて、noteを始めました。

最近の記事

ささやかな生きがい

つい先日、東京都美術館に行って、初めて知ったのだが、フェルメールの「窓辺で手紙を書く女」が修復されていたらしい。 2022年には修復されたものを、東京都美術館で観られる。なんと、背景の壁には元々キューピットが描かれていたらしく、フェルメールの死後、何者かによって上塗りされていたものを、今回の修復で蘇らせたようだ。 フェルメールの作品と確認されているものは全部で35点ほど。大学生の頃、そのうち7、8点を、一部屋で観られるという夢のような企画展があった。当時の私は印象派一択だ

    • 探し物

      探し物をしている。ただ何を探しているのか、思い出せない。 忘れてしまったもの。失くしてしまったもの。 私は独り、日々を過ごす。毎朝決まった時間に起き、会社に行き、眠りにつく。休日にはカフェに行ったり、買い物にも行く。時々、学生時代の友人に会っては、思い出ばなしに花を咲かせる。 こんなありふれた毎日。一人ではないけれど、どこまでも孤独。 孤独を紛らわす術はあるのだろう。しかし消すことはできないのだ。 昔、誰かに言われたことがあった。「孤独の穴を埋めることはできる。でも

      • 幸せについて考えることから、卒業したい。

        幸せとは何か。 この答えを見つけることが、私の人生におけるテーマだ。 大学の卒論は幸福度について書いた。 もう10年近くも前のことだけど、そのときからずっと幸福について考えてきた。 何があれば幸せなのだろう。 幸せになるために、何をすればいいのだろう。 本屋に行けば、関連する書籍を片っ端から読み漁った。 そして読んで感じたことを、ノートにメモしていった。 今読み返すと笑っちゃうんだけど、本当に真剣に、幸せについて考えてた。本気で幸せになりたかったんだと思う。 当時、幸せ

        • 彼女には彼女の地獄がある

          「私には私の地獄が、あなたにはあなたの地獄がある」 宇垣アナがTVでそう発言したらしい。闇深く聞こえるけれど、妙に共感できてしまう。 最近この言葉を、ふと思い出す出来事があった。 友人を通して知り合った20代半ばの女性。彼女は香港在住の香港人。学生時代をイギリスと日本で過ごし日本で就職。その後転職して母国に戻ったようだ。英語はもちろん日本語もペラペラ。香港では3か国語喋れる人は珍しくはないが、彼女の日本語はこれまで会った人の中でも断トツだった。 彼女からイギリスや日本で

        ささやかな生きがい

          他人に救われた話

          マイペースだけれど、割と人間関係に悩みやすい性格だ。 面と向かって怒りを表現できたら、傷ついたりモヤモヤすることも少なくなるんじゃないかなと思うんだけれど、なかなかできないんですよね。 誰かに心無いこと言われたり、裏切られたり。その度に傷ついて落ち込むし、信じることが怖くなって、自分の殻に閉じこもりたくなってしまう。 それでも、毎日外の世界に出て行って、誰かと関わり合っている。 仕事だって営業を選んでいるし、結局は好きなんだろうなと思う。 そう思えるのは、これまでたくさ

          他人に救われた話

          「ここではないどこか」を探す

          昨日から海外生活が始まった。 人生初のひとり暮らしが海外になるなんて、思いもしなかった。 この街に私のことを知っている人は誰もいないし、仕事上関わる人達は同じ立場の人ではない。 「孤独だなぁ」と、ふと思った。 実は、日本を発つ前の数週間は、不安であまりよく眠れなかった。 新しい人間関係を築くのは、人見知りには特に辛い。でも、そうしないと独りぼっちになってしまう。独りに耐えられるほど、強くない。 でも不思議なことに、空港に着いた瞬間、ワクワクした感情が込み上げてきた。新

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          恋の季節

          好きな人ができたかもしれない。 今はまだ、「もっと知りたいな」ってそんな段階だけど、なんだか恋に発展しそうな気がするのだ。 試験前なのに、いつもより時間をかけてメイクした。髪型も変えようかなと思ったけど、やりすぎかなと思って、いつも通り結った。 私は単純なので、好きな人ができると張り切ってしまう。 仕事もいつも以上に頑張るし、勉強のやる気も一気に上がる。毎日食べてるお菓子も我慢できちゃったりする。(ただし、全く食べないのは無理w) 春は始まりの季節だから 夏はうきう

          恋の季節

          未来のこと。

          自分のために『未来日記』を書いてみようと思う。 未来日記は名前の通り、未来のことを起きたこととして断定形で書くのがルール。 “引き寄せ”とか言われているけど、私はそういうスピリチュアルなことは重視してない。 ただ、将来に対する不安を和らげるというか、次どういう行動をしていくかを自分のなかで明確にするために、引っ掛かることがあるときに書いています。 では、スタート🎬 朝5時、起床。洗濯してから、簡単な朝ごはんを作る。旦那と子どもを起こして、子どもの準備をしてもらう。その間

          未来のこと。

          私が勉強する理由

          先日、中小企業診断士の一次試験に合格した。 試験前の3〜4ヶ月間は、休日は勿論、始業前や業後にも勉強していた。 そして今は二次試験の勉強をしている。それが終わったら、英語を勉強しようかなと思っている。 「なんでそんなに勉強するの?」と、周りには不思議がられる。確かに、仕事に直接関係する分野ではないし、資格を取ったところで昇給や昇進があるわけでもない。 だから、なぜかと聞かれると明確な回答ができないわけだが、あえて答えるなら、“勉強しなければよかったと後悔したことが今までなか

          私が勉強する理由

          わたしの上にある空は、何度でも晴れる。

          ついこの間、「悩みのループ」から抜け出した。 そのことについて、忘れないうちに書いておこうと思う。 まず、悩みのループがどういうものかというと、モヤモヤした感情が頭の中をぐるぐるし、現れては消え、でも決していなくならない状態のことだ。先が見えず、霧の中にいるような気分になる。どの方向に進めばいいのか分からないし、進んだその先に光が見えるとは限らない。進んだ道に落とし穴があったり、霧が晴れたと思ったら目の前が崖なんてこともある。 でも、そんなどうしようもなく辛い状態は永遠に

          わたしの上にある空は、何度でも晴れる。

          好きなひとがいること

          誰かを好きになるって素敵なことだ。 大人になって、相手を受け入れ易くはなったけれど、「好き」という感情が湧くことが減った。 例えば、「この人のこういう所すごいなぁ」、「この人のここが素敵だなぁ」と思うことは多々あるけれど、そこから「好き」に発展することはないのだ。 そんな私に好きなひとができた。 憧れとも、尊敬とも違った感情。もちろん恋愛にも当てはまらない「好き」。 「この人を裏切るような事はできない」 そういう思いにさせるのだ。 めげそうになったとき、どうしよう

          好きなひとがいること

          「置かれた場所で咲きなさい」の呪縛

          「置かれた場所で咲きなさい」という言葉が嫌いだ。 どうしても受け入れ難い。 本屋に行くとこの本が平積みになっていた時期もあったが、タイトルが気に食わなくて、一度も手に取ったことはない。だから、内容を知っているわけではないのだが、「置かれた場所で咲きなさい」という言葉から、「今あるものに感謝しろ」とか「心の持ち方を変えろ」とか言われそうで、それがどうしても受け身に聞こえてしまうのだ。 勿論、感謝することや、自分の心をコントロールすることは大切だ。でも、環境を変えるという選

          「置かれた場所で咲きなさい」の呪縛