配偶者や恋人を『パートナー』と呼んでみる
最近日常会話やメディアで、配偶者や恋人のことを『パートナー』と呼んでいるのを耳にしたことはないでしょうか。
この他に、旦那さん/お嫁さん、ご主人/奥さんといった呼び名をなるべくやめたり、配偶者や恋人の性別を問わないようにしたりといった配慮が見られますよね。
なぜこのような呼び方に変わってきているのでしょうか。
今回は、呼び方から見えてくるアンコンシャス・バイアス(無意識の差別)や、呼び方ひとつで変えることのできる認識についてお伝えできればと思います。
呼び方を変えて見えてくるもの
これまで使われていた夫婦や恋人の呼称には
相手の性別が『異性であるだろう』と限定される
女性は比較的『下の立場』として扱われる
といった側面がありました。
「旦那さん」と説明して相手が女性だろうと思う方はいないでしょうし、嫁/奥さんといった呼び方は女性蔑視的な表現です。
旧来の呼び方には異性愛が前提であり、婚姻の有無を公にしなければならず、「男性を立てる」といったアンコンシャス・バイアス(無意識の差別)があります。
*アンコンシャス・バイアス…「男性の方がリーダーシップがある」「女性のほうが感性が豊か」といった無意識下にある潜在的な差別・圧力。
「恋人」よりも「結婚」の方がえらい?
日本では『彼氏/彼女』よりも『夫婦であること』を重要視する傾向があります。
夫婦の場合は家族と扱われ、会社では家族の看護休暇などの制度を利用することができますが、恋人では事実上「家族ではない」と扱われます。
一方で、選択的夫婦別姓や同性婚が認められていない中、入籍をしない/できないカップルもいます。それでも共に暮らし、家族としての関係性を育んでいる方々もいます。
結婚や入籍をしていなければ、家族ではないのでしょうか。婚姻の有無は、今のところ収入の計算に関わること以外では必要のない情報です。
『関係性』『相手の性別』は証明しなくていい
前述した通り、婚姻の有無や相手の性別は本人たち(あるいは給与計算に関わる方々)以外にはあまり関係のないこと。
自分が言いたくないことは言わなくていいし、相手が言わないことは深追いしないのと同じように、婚姻や相手の性別を、呼び方で証明しなくてもいいのです。
『パートナー』を使うことで社会を変える
族柄の呼称は一見、些細なことです。しかし、その言葉から与えられる認識は社会に潜在的にある差別を助長することもあります。
些細なことだからこそ、変えていくことで社会にインパクトを与えることもできます。
ぜひ、普段の会話からも『パートナー』という呼び方を使ってみてください。