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「〇〇者(人)」には何を聞いてもいいと思ってしまう人権感覚

障害者や性的少数者、外国人…など、あるカテゴライズができると途端に、排泄や性交渉、ルーツに関することを平然と聞く方がいます。知らなければ聞いてこなかったであろう、これらの質問攻めはなぜ起きるのでしょうか。

それは『「〇〇者(人)」ならば何を聞いてもいい』『こちらはあくまでも興味で聞いているのだから相手もにこやかに答えてくれるはずだ』という思い込みやおごりが生まれるからかもしれません。

今回は、「〇〇者(人)」に対する失礼な質問と、人権感覚についてご紹介します。


障害者に「トイレはどうしてるの?」と聞く

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トイレの仕方なんて、他人に教えることではありませんよね。しかし、なぜか車椅子ユーザーや肢体不自由がある人に対してはこの質問を投げかける人が多いのです。

「悪気はなかった」「ちょっと気になっただけ」だったとしても、相手に障害があると知らなかったら、同じ質問をしたでしょうか。


LGBTQ+当事者に「セックスはどうやるの?」と聞く

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たとえば、職場の人に突然「セックスはどうしてるの?」なんて質問を投げかけることはあるでしょうか?

そんなことを聞いたら、あなたは間違いなくセクハラで処分されます。

しかし、相手がLGBTQ+当事者だと知ると、突然このような質問を投げかける人が出てくるのです。

同性カップルや、トランスジェンダーの方に対して、突然パートナーとのスキンシップやセックスについて聞き、またそれを面白がることは差別です。


外国籍やミックスルーツ(ハーフ)の人へのいじめ

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外国籍やミックスルーツの方に対して、「何人なの?」と聞いたり「どこからきたの?」と根掘り葉掘り聞くことは、人によって差別やいじめに感じることもあります。

「興味本位で聞いただけで、そこまで傷つくことだなんて思ってもいなかった」という方もいるでしょう。

あなたにとっては『初めて出会った外国ルーツをもつ方』かもしれませんが、相手からしたら『毎回聞かれる嫌な質問』の可能性があるのです。

たとえば、「あなたは何のために生きてるの?」と毎日何度も質問されたら、少し『しんどい気持ち』になりますよね。

社会から孤立を感じる『マイクロアグレッション』

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社会から見てマイノリティ(少数派)な側面をもつ方にとって、孤立を感じる言動をマイクロアグレッションといいます。

他の人には(何も知らない状態であれば)聞かなかったような質問は「自分は他者から見て異質なんだ」という孤立を感じるマイクロアグレッションになる場合があります。


「〇〇者(人)」であるるまえに同じ人間

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私たちは、相手が「〇〇者(人)」と知ると、世間から推し固められたイメージを押し付けたコミュニケーションをしていることがあります。

あろうことか「自分に悪意がないのだから、快く答えてくれるはず」と思い込み、相手が期待と違った態度を取ると「〇〇者(人)にはロクなやつがいない」なんて言い出す方もいます。

しかし、障害者や外国人、セクシャルマイノリティなど、カテゴライズできる「〇〇者(人)」は、その人の側面でしかありません。

そして、「〇〇者(人)」である・ないに関わらず人権をもっています。言われたくないことや、質問されたくないこともあり、答える権利も答えない権利もあります。

自分や大切な人と変わらない「人である」という人権感覚を持って、接することが重要です。



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