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『主語が大きい』言葉の切り取りに惑わされないための視点

言葉の切り取りや偏りは、一見小さな問題に見えますが、無意識のうちに人々の分断や呪縛を進行させています。

特にメディアは、マーケットに企業だけでなく個人も参入し激化したことから、言葉の切り取りや偏りが目立つようになりました。

今回は、メディアの見出しを中心とした言葉の切り取りを見抜くためのポイントをご紹介します。

情報は取捨選択の時代『鵜呑み』は毒

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今、情報はWeb、SNS、紙などさまざまなメディアで発信されるようになりました。

発信元は企業だけでなく個人でもできるようになり、情報ソースも客観的事実だけでなく個人主体が含まれています。

情報は『溢れて、錯綜するもの』となり、ひとつの情報を鵜呑みにするだけでは不十分であり不正確。情報は、全体を網羅した上で、自身に必要なものを取捨選択のすることが重要になってきているのです。


メディアの中立性は完全に崩壊した

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今の時代を生きるなかで知っておかなければならないことは『メディアの中立性は完全に崩壊している』という事実です。

これまで新聞社やテレビに独占されていた情報発信が、そのほかの企業や個人に分散され、それぞれの閲覧数が広告収入につながる時代です。中立性よりも、目に止まるキャッチーなコピーが重きを置かれるようになったのです。

そのためメディアが中立であるという認識は通用しなくなりました。

やたら主語の大きいタイトルには要注意

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前述した通り、今は中立性よりもチャッチーさに重きが置かれています。そのため、主語の誇張や、根拠のない主語を用いた見出しも多くあります。

『モテ女がみんな持ってるマストアイテム』
→誰にモテてる女?
『女の買い物は長い』
→即決買いする人もいる
『男なら知っておくべきナンパ術』
→相手によるし、男だからナンパしないといけないとも限らない

キャッチーなタイトルは目を引きますが、無意識に視野や価値観を狭めてしまう可能性があります。目に止まったら一呼吸置いて、上記のように主語にツッコミを入れてみましょう。


『ひとこと余計な情報』は罠

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事実に対して『無くてもいい・余計なの情報』を含ませるのは、情報に具体性を与えていることにはなりません。

むしろ隠れた差別意識や固定概念の刷り込みにつながっています。


「窃盗を働いたのは『〇〇国籍の男』」
→日本人でも窃盗はたくさんいる
→他の〇〇国籍の人をみると盗みを働くかもと思い込む
「クレームを言った女は『全身ブランドで固めていた』」
→ブランドセットアップで上品な人もいる…
→ブランドものの複数も多々は下品だと思うようになる

知らないうちに固定概念や差別意識を刷り込まれると、差別に鈍感になるだけでなく自分自身の言動も制限しまう可能性があります。「男(女)はこうでなきゃいけない」、「外国人は『なんか』怖い」などが典型的な刷り込みです。


数字のマジックに要注意

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数字が出ると一見、情報に具体性があるように見えます。しかし切り取り方によっては要注意です。

【全体の6割が赤いりんごが好き】
『赤いりんご』と『青いりんご』のどちらが好きかどうかアンケートを取ったところ、「赤いりんごが好き」が46%、「青いりんごが好き」が32%、「どちらも好き』が15%、「どちらも嫌い」が7%でした。

これは『赤いりんごが好き』と『どちらも好き』を合計して見出しに用いています。どちらも好きな人は、赤いりんご以外にも言及しているのに、赤いりんご派にカウントされています。

このマジックは世論調査でよく用いられています。調査結果は、見出しだけを見て判断すると不正確な情報をつかまされる可能性があるのです。

情報は事実だけを抜き出して考える

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情報を読み取るときに注目すべきは客観的事実のみです。客観的事実と、情報の発信者の主観は本来分けて伝えられるべきですが、キャッチーさ重視ゆえに余計な情報もセットで入ってしまいます。

その際は、客観的事実(fact)のみを頭の中で抜き出す練習をすると良いでしょう。

・大きな主語ではなく『個人』をとらえる
・犯罪をした人の『属性』ではなく『個人や内容』を見る
・ひとつの数字では無く『全体や内訳』に着目する

情報の取捨選択により高度なテクニックを要してしまう時代…ややこしいですが上記を意識すれば、正しく情報の受け取りを行えるかもしれません。

無意識に行われ続ける、メディアの偏見を見抜く力が身につけられるといいですね。



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