フェイスブックCEOザッカーバーグのスピーチにはあって、「多動力」にはないもの。
知らない人はいないフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ。
2017年5月、33才という若さで自身が中退したハーバード大学の卒業式でゲスト・スピーチを行った。
アメリカの大学での卒業式の名スピーチといえば、故スティーブ・ジョブスが2005年にスタンフォードで行ったもの。これは名作中の名作である。
もうほとんどの方が視聴済みだとは思うが、もし万が一まだの方は、今すぐにでも見ておきたい。
今日、私は毎日通っているスペイン語クラスをサボった(今年、南米ペルーに引っ越した)。朝はいつもの時間に起きたのだが、身体がだるかった。昨夜、少しめまいもしたしなぁ、と大事をとることにした。
そして、久しぶりにユーチューブを開いた。
たまたま辿り着いたマークのゲスト・スピーチ。
<リンク>
•オリジナルビデオ(英語)
•日本語字幕付きビデオ
•日本語書き起こし(文章)
mind-blowing
しかも、彼はまだ33才。
私のたった2つ上。
心底、感服した。
もっと利己的で、非人道的だと思っていた。
映画「ソーシャル・ネットワーク」の印象が強かった。
全然違った。
温かみ溢れた人間味。
そしてemotionalなスピーチ力。
地球上全ての人間のことまで想いを馳せる人道的観点。
圧倒された。
正直、最近ブログを始めたせいか、日本のブロガー世界に浸っていた。日本ブロガー界隈で話題になっている「人生の勝算」や「多動力」を読んで、ブックレビューなんかしていたけど、ぶっちゃけそれどころじゃなかった。
マーク・ザッカーバーグのスピーチ聞いたら、それらの本は児童書に感じた。
(失礼を承知の上。ごめんなさい)
スケールが違いすぎる。
また、マークの話の時折に出てくるハーバードで知り合ったパートナーの話題。
「パートナー」こそ、上記ふたつの本で圧倒的に欠けている要素だった。
「睡眠の確保」については「多動力」で出てくるが、どちらにせよお二人ともワーカホリックなのは明白だ。異常なほどの。
そして、私はマークの一言一言に耳を傾けながら、思い出していた。
スタンフォードへ留学する前、毎日違和感とともに生きていたことを。
「何かが違う」「何かが物足りない」と常に思っていたことを。
最初は、高校生の頃に出会った洋楽だった。
中学の時に、モー娘。全盛期だった私はカラオケにも行ったし、振り付けを練習し友達と一緒に掃除の時間に披露したりしていた。
でも、
高校生になり、洋楽に出会って、圧倒的な歌唱力とリズムの虜になっていった。歌詞を理解するため英語を勉強し、歌詞の奥深さにも感動していた。
惚れた腫れたばかりの楽曲が多い日本とは全然違った。
大学では、文献や勉強に対する姿勢だった。
量も質も英語は圧倒的だった。日本の文献も素晴らしいものがいっぱいある。ただ、ネチネチしたものが多かった。英語の文献、特に最近の文献はストレートに表現されていた。画期的な発見がシンプルにまとめられていた。
交換留学したアメリカでは学生たちが必死に勉強していた。多額のお金を投資して勉強しているんだ、と一生懸命勉強し、そして遊んでいた。バイトに明け暮れる大学生活でも、サークルに明け暮れる大学生活でもなかった。勉強することが決してかっこ悪くない学生生活がそこにはあった。
社会人になってからは、人間関係や生き方だった。
常に会社では、敬語・尊敬語・謙譲語を使い分けねばならず、ビジネスマナーという名の不必要なルールに縛られる毎日。常に空気を読み、建前ばかりで本音なんて言えない。お酒の席では若いからとか、女性だからという理由だけでお酌やサラダを取り分けた。
休日だって名刺を持ち歩き、そこに記載されている企業名ばかりが重要視され、「忙しい」ことがかっこいいとされる日本社会。高級ブランド品に身を包む人たち。
何かが違った。何かが物足りなかった。
お金を稼ぐだけなら確かに大卒でも、大学中退でも、高卒でも、構わない。
ただ、私は違う世界が見たかった。
自分がこれまで属したことのない未知の世界があると信じていた。そこの一員になりたかった。
そして、それは私にとってのスタンフォードだった。
日本ではそれなりの大学に通っていたと自負しているが、それでも私の大学では出会ったこともないような優秀な人たちが、スタンフォードでは全ての分野においてゴロゴロいた。
そんな人たちとルームメートになり、友達になり、恋人になった。
人生で初めて「この人には敵わない」という尊敬の念を抱けるクラスメートたちがいた。
今、私はスタンフォードで知り合ったパートナーと一緒になるため、ペルーにいる。
彼との生活のおかげで、留学前に感じていた「物足りなさ」を感じることは無くなった。
これは決して今住んでいるのが外国だからではない。
今ならわかる。
私にとっての「物足りなさ」というのは「寂しさ」だったのだ。
心から分かり合える誰か。
自分一人では気づけない視点を与えてくれる誰か。
もちろん、純粋に勉学に励むためにスタンフォードに私は進学し、まさか人生のパートナーとたった一年のうちに出会い、ましてや真剣な交際まで発展するとは、これっぽっちも思っていなかった。しかも日本の反対側からやってきたペルー人と。
でも、出会ったのである、スタンフォードで。
マークのスピーチには人間の温かみが溢れていた。
それは最愛なパートナーがいるから今の自分がいるという事実を、恥ずかしがることもなく、隠すこともなく、その「幸せ」が随所に散りばめられていたからだ。
このパートナーに対するリスペクトを臆することなく表現できるアメリカ。
そして、世界中の人間の幸福を、本気で唱えられるアメリカ。
私はそんな世界を無意識のうちに追っていたのかもしれない。
ずっと追っていたからこそ、パートナーと出会えたのだ。
今でも、スタンフォードに合格できたのは、私の人生最大の幸運だと思っているが、そのために周りがデートやら旅行やらに勤しむ中、がむしゃらに勉強したのも事実である。
自分の夢を大事に抱き続けていたのもまた事実である。
今の日本で、「何かが物足りない」「何かが違う」という思いを抱いている方は、ぜひ臆せずに新しい世界に飛び込んでいって欲しい。
できれば、背伸びして届くか届かないくらいの世界をぜひ目指して欲しい。
失敗をすることもあるかもしれないが、失敗しても大丈夫だ。
きっとそれまでにはマークが、いや、私たちが、失敗可能な社会を実現しているはずだから。
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