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鰯野つみれの「小説書いてみた」

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小説書きリハビリ中の鰯野つみれが「グダグタ言ってないでとにかく書いてみようぜ?」と書いてみた小説の置き場。短編中心になると思います。
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2024年6月の記事一覧

シュレディンガーはたぶん猫。[第14話]

第14話 蟲二章 「安らぎのゆりかご(第二世代)」  警戒。  警戒。  警戒。  どこから…

鰯野つみれ
23時間前
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シュレディンガーはたぶん猫。[第13話]

第13話  なので、俺も何とか、この顔を上げられる気がした。  綺麗に塗られた薄いピンクの…

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シュレディンガーはたぶん猫。[第12話]

第12話 ◇  登校直前の朝食中。まだ寝ぼけ眼のまま、朝番組のキャスターの声を聞き流しな…

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シュレディンガーはたぶん猫。[第11話]

第11話 「初日の、口の中弄られたやつ。あれは、正直……悪くなかった。驚きはしたけどな」 …

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シュレディンガーはたぶん猫。[第10話]

第10話  それから、数日後。  結局、俺は片山とシュレと一緒にいる時だけ、虫の観察が…

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シュレディンガーはたぶん猫。[第9話]

第9話 第二章 「童貞、初めての昆虫観察と男女の生態の観察をするの巻」  騒動から一夜…

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シュレディンガーはたぶん猫。[第8話]

第8話 蟲一章 「この星で最も『良くない』天敵」  蟲はひどく不快だった。長いこと宇宙空間をさ迷い飛び、やっとのことで新天地に辿り着いたというのに、突然捕らえられてしまったからだ。  ギチギチと警戒音を発し逃れようとするが、この「檻」には蟲の持つ素粒子分解力を大きく抑え込む、特別な力が働いているようだ。何度試そうとも「檻」は壊れない。  不快。  不快。  不快。  実をいうと、既に蟲はこの「手口」をとてもよく知っていた。何百、いや何千光年か昔、まだ肉体と

シュレディンガーはたぶん猫。[第7話]

第7話  結局、俺たちは学年主任に命じられて、放課後に罰の草刈りをすることになった。ちょう…

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シュレディンガーはたぶん猫。[第6話]

第6話  虫のことは先程、片山から切り出したことでザッと聞けたわけだが、「猫」自身のことと…

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シュレディンガーはたぶん猫。[第5話]

第5話 「さっきの光り方……三沢も……」  その青白っぽい光は、俺にとっては初めて見たもの…

鰯野つみれ
10日前
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シュレディンガーはたぶん猫。[第4話]

第4話 「ちなみに、この口も目も、互いに連動してる……。お前にもそれは分かっているはずだ。…

鰯野つみれ
13日前
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シュレディンガーはたぶん猫。[第3話]

第3話  あくびを噛みしめながらの一限目の数学が終わる。するとすぐに山瀬、数十秒後には松岡…

鰯野つみれ
2週間前
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シュレディンガーはたぶん猫。[第2話]

第2話 ◇  じわじわと蝉が鳴いていた。その鳴き声に混ざるのは、人の泣き声だ。真由美が、…

鰯野つみれ
2週間前
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シュレディンガーはたぶん猫。[第1話]

見切り発車ですが、創作大賞「ホラー小説部門」に参加してみることにしました。応募期間は4月23日(火)から7月23日(火)までということなので、期限いっぱいまで、しばしお付き合い頂けると幸いです。 ジャンル説明・あらすじ。 第1話 第一章 「手に包帯巻いて異形を隠すのを、厨二病みたいって言うな」  学校から帰って自室で部屋着に着替えたところで、ふいに左の手のひらに違和感があることに気付いた。何の気なしに見てみたそれだけのはずが、俺は再度、今度はまじまじと自らの左手を凝視す