【七十二候】霞始めて靆く【第五侯】
さて、二十四節気「雨水」に入ってから、
少しずつ春を実感し始めてきた頃かと思います。
今日からは「次候」に移り変わって参ります♪(^ ^)
「霞始めて靆く」(かすみはじめてたなびく)
「靆く」(たなびく)は僕でも初見では読めませんでしたが、
「霞」(かすみ)は何とか読めるでしょうか?
「霧」(きり)と漢字も意味も混ぜこぜになってしまう恐れはありますね。^^;
「春」といえば「霞」
「秋」といえば「霧」
と覚えてきましょう♪(^ ^)
『古今和歌集』春歌上・下より
以前にも『古今和歌集』より和歌を何首か取り上げました。
今回の「霞」に関する和歌も何首か取り上げて参ります!m(_ _)m
「春が霞の衣を着る」と人間に擬えた表現ですね(オシャレ♪)。
「ぬきをうすみ」とは「横糸が薄いので」の意味。
※「〜を…み」=「〜が…ので」
「風が吹くと、霞の衣が乱れてしまうようだ」と詠んだ歌でした。
「霞」が「山桜」とともに詠まれる歌も多くあり、
この歌からは「桜が散る」季節まで「霞たなびく」様子が伺えます。
「桜」にちなんだもう一首をご紹介♪(^ ^)
「色」すなわち「視覚」では「霞」に隠れて見えないけれども、
「香」すなわち「嗅覚」では「山かぜ」に乗せて「盗み出して」ほしい。
当時の日本人の五官感覚の鋭敏さとともに、
自然の風物をまるで人間と同じように捉えてコミュニケーションしていた、
そんな様子が読み取れる思いがいたします。^ ^
「春立てる霞の空に 白河の関越えんと…」
ところで、「霞」と聞いてまず思い浮かんだのは、このフレーズ。
「春」は「出会い」と「別れ」、
そして「旅立ち」の季節でもありますよね。
松尾芭蕉の有名な「おくのほそ道」の冒頭の一節です。
細かな意味は置いておいて、
声に出して唱えるのにもってこいのリズムを湛えた名文だと感じます。
「霞」と聞いてすぐに脳内再生されてしまったのもリズムゆえでしょう。
あと、2008年W杯にて突如引退を決断された中田英寿選手が
「人生とは旅である」
といわれた記憶も一緒に蘇るわけです。
言葉や音に記憶が紐づく証拠も改めて確認できました♪( ^ω^ )
「新たなる旅立ちの春」に向け、準備を整えて参りましょう!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?