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【七十二候】「黄鶯睍睆く」【第二候】

「黄鶯睍睆く」(うぐいすなく)


「立春」の「初候」が早いもので過ぎ去りました。

(「七十二」もありゃそりゃテンポ良く移り変わるもんですな…)

「七十二候」(しちじゅうにこう)に付きまとう問題として、

「???…………読めない!!!」

がありますよね。笑


「うぐいすなく」と読む【第二候】ですが、

「うぐいす」は「鶯」と漢字一文字で表せるはず。

「なく」は「鳴く」で問題なかろう?

というツッコミも至極御もっともなわけですが。笑


「鶯」(うぐいす)は、早春に鳴くことから「春告鳥」ともいわれますね。

「ホーホケキョ」と来たら「となりの山田くん」と返しそうですが。笑

(世代の人ならわかるはず)


『古今和歌集』春歌上より


さて、「初の勅撰和歌集」として有名な『古今和歌集』ですが、

「巻第一」として「春歌上」から始まります。

するとすぐに「鶯」を詠んだ歌が続々と並んでいるのがわかります。

試みにいくつか取り上げてみましょう!

二条のきさきの春のはじめの御うた
雪のうちに春はきにけり 鶯のこほれる涙いまやとくらん

『古今和歌集』「巻第一 春歌上」4番

春のはじめのうた  壬生忠岑(みぶのただみね)
春きぬと人はいへども 鶯の鳴かぬかぎりは あらじとぞ思ふ

『古今和歌集』「巻第一 春歌上」11番

鶯の谷よりいづるこゑなくは 春くることをたれか知らまし   大江千里

『古今和歌集』「巻第一 春歌上」14番

春のはじめによめる       ふぢはらのことなほ 言直
春やとき 花やおそきと きゝわかん鶯だにも 鳴かずもあるかな

『古今和歌集』「巻第一 春歌上」10番

鶯の鳴く声を聞くことによって、

春が来たかどうかを決めていたことが伺えますね。^ ^


注意散漫でただボーッと過ごしているだけでは、

季節の変化に伴う微妙な「兆し」に気づくことはできません。

「和歌を詠む」のはその「兆し」に気づくトレーニングだったのかも。。


何も変化がない日常を繰り返しているように見えたとしても、

日々刻々と自然と季節は巡り移ろうものだと知れば、

見落としがちな些細な変化に気づく感性も養われるのではないでしょうか!


自然に対する感受性が鋭敏だった日本人の暮らしぶりが、

さっそく少し垣間見えた気がした【第二候】でした!!(^ ^)

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