ituka

人も自然の一部.... 人と自然をそっと繋ぐ お手伝いができますように accesso…

ituka

人も自然の一部.... 人と自然をそっと繋ぐ お手伝いができますように accessories designer/ Lomilomi therapist/painter

最近の記事

頭の中の会話が消えて 静けさの中に置かれた時 まるで 舞台の緞帳(どんちょう)が上がったかのように 目に映るもの、音、香り、皮膚感覚が 鮮やかになることがある 外側は何も変わっていない 私を覆う何かが解ける瞬間 そんな繊細な感覚から生まれる 大胆さや美しさ、驚きを 踊りや言葉やアクセサリーに映せたらと ずっと試行錯誤している

    • 生活の淡々

      息子が買ったばかりのズボンに 墨汁をこぼして帰ってきても しかも、それを洗う前に さらにチョコレートこぼしても ポケットから出し忘れたティッシュまみれになった洗濯物に突然遭遇したり 夜中に明日お弁当いる!って言われても 怒りは現状を変えないことを覚え パニックにならずに 対応出来るようになった私は 知らず知らずのうちに もしや何かパワーアップしてるのでは!? とふと感じました。 そして、その事件たちの隙間に 「光を、粒子として見ようとするか、波として見ようとするかで、ど

      • 【海花の話】月と海に向かう赤

        「この駐車場を出たら 右に行きたい?左に行きたい?」 そんなシンプルな選択すら すぐに出来ない私の戸惑いを 風で吹き飛ばすように 君はのぼりはじめた白い月の方へ ハンドルを切った しばらく車を走らせ 壁にイルカの描かれた赤いトンネルを潜ると 目の前には海が ずっと海で生きてきた君と 海を思い出しはじめた私 ゆらゆらと かすかに赤い月の明かりの中 深海と海面とを行ったり来たりしながら ぎこちなく泳いだ 「発光してるように見える人っているよね いつか光ってみたい」 と

        • 大丈夫であることを

          どうしようもなく たったひとりで生きているような感覚になってしまうことがあるけれど 嫌でも大きな繋がりの中にいることを ふとした瞬間に 生きている人、植物、風や雨が 言葉、音、香り、肌触りを通じて 思い出させてくれる そのたびに きっと大丈夫なんだと それらの出会いを小さなお守りにして また歩き出す ずっと大昔は ひとつの海の中だったんだと 呪文のように心の中で唱えながら

          海に還ってしまう前に、まだ

          毎年アクセサリーで出店させてもらっている 森、道、市場に 今年も3日間参加してきました この数年、出店場所は すぐ後ろが海へと続く川 今年も風が強かった 心構えはしていたつもりだったけど 不意の突風に 一瞬にして沢山のアクセサリーが宙を舞い あわや海へと落ちてしまいそうに! 時が止まったように見えるって 本当にあるんですね 一瞬、頭が真っ白になりかけたけれど 周りの出店者さん達やお客様がすぐに助けてくれて無事に回収できました、、、 たしかに、アクセサリー作りのコンセ

          海に還ってしまう前に、まだ

          過去は水に流れて

          POP UPの搬入のため久しぶりに京都へ 学生の時に住んでいた 良いことも嫌なことも沢山起きた街 もし過去にタイムスリップをして ひとつだけやり直せるとしたら?と聞かれたら あの大橋で起きた最低な瞬間だなと言える街 いつも、ここではないどこか 今ではない、いつか 私では無い誰か、にばかり 思いを漂わせていた20代 久しぶりに京都の街を歩いたら 今の自分はあの時とは違う自分なんだなと 当たり前のことだけど そう感じられるようになっていて あの時望んでいた、なりたい自分、なり

          過去は水に流れて

          海に恋をするようになったのは

          私はいつから海に恋をするようになったのだろう。 八重桜の花が落ちて葉桜になったいつもの郵便局からの帰り道、足元に真っ青なビー玉が落ちているのを見つけた。 小学生の頃、地元愛知の海に地引網をしに行った時、網の内側に集められた色々な魚や初めて見る海の中で泳ぐ海蛇に夢中になっていたら、足をつってしまい海に溺れかけてしまったところを少し年上の男の子が助けてくれた。 浜に上がってしばらく休んでいたら、その彼が瓶ラムネをくれて、飲み終わった後、瓶から綺麗なビー玉を取り出して渡してく

          海に恋をするようになったのは

          【東京旅行日記①】

          3月22日、新幹線に乗り名古屋から東京へ。 今回は正面向かって右側の列、窓から二席目。 左側窓からしか富士山は見れないと思ってたけれど、隣に座っていた海外の方が教えてくれて、一瞬右側窓からも見れるのを初めて知った。 今まで何度か新幹線に乗ってきたけど 「富士山を見るには左側の窓からだけ」 と思い込んでいたからびっくり。 富士山が見えると旅行客の人達が一斉に写真を撮っていた。 隣の方と、「nice 、beautifu」と、シンプルな言葉を交わす。 トンネルの合間に見える

          【東京旅行日記①】

          それではまた海で

          携帯の写真の整理をしていたら、初めてカメラマンさんと作品撮りをした写真が出てきた。 数年前に生まれ育った愛知の海で撮ってもらったもの。 もう自分に嘘をつかずに生きたいと海に願いを放った日。 あの時よりも今、「私は私を生きている」と感じられていることを、数年経って久しぶりに見返した写真が教えてくれて、まるで過去からの手紙のようだった。 写真には文字すら書かれていないのに、あの時の潮の香りや湿度まで蘇るから不思議だ。 今まであまり「残す」ことに興味がなかったし、写真に映

          それではまた海で

          雨とルーズソックス

          高校生の時に遭った東海豪雨、ルーズソックスを履いたまま歩けないほどの洪水と雷が怖くて、ひとり泣きそうになりながら学校から駅まで向かった。 3年間、どこかずっと寂しさを感じながら通った駅。 20年以上経って久しぶりに同じ駅に行ったあの日も、同じような大豪雨だった。 けれど、その日はひとりではないと感じる出来事が起き、昔の寂しさは時の境界線を越えて解けていった。 私はきっと、沢山の思い込みを纏って、世界と私は切り離されているように感じてきたのだと思う。 今も孤独感はなくなら

          雨とルーズソックス

          潮止まり

          美しさを感じて 心が動いた瞬間を残そうと どうにか切り取りたくて スマホで写真を撮るけれど 私の技術では、その美しさを 感じたままには全然残せなくて いつももどかしい けれど最近は そんな瞬間たちが 時間を経て淡くなっていくことへも 美しさを感じられるようになってきて 気がついたら、それらを絵に描くことを 去年の夏、突然はじめていた 何かに突き動かされるような激しさと 静けさとの両方が混ざり合って 内側から湧き上がるように描き続けられた 不思議な時間だった その頃に起き

          潮止まり

          背中にカミナリ

          随分と前の話。 過去の記憶にとらわれてしまっているのかなぁと思いながらも、とても強く私の記憶に残っていて、今でも時々思い出す。 それはもしかしたら、未来に繋げたい大切な記憶だからかもしれないので、こうやって文章に残しておくことにした。 あれは何年前だっただろうか、知人の紹介でトランペッターの近藤等則さんのライブに行き、打ち上げにも参加させて頂いた。 当時「地球を吹く」という国内外の大自然の中で演奏をするプロジェクトをされていて、ライブは、今まで体感したことのないパワフルなト

          背中にカミナリ

          ケモノとゴミと

          ふと、京都に住んでいた時の記憶が生温かい空気を纏って蘇ってきた 繁華街の裏路地、木屋町や三条大橋の下で迎える早朝がなんだか好きだった 深夜、昼間に溜まったものを吐き出す人達 ケモノのようなものを取り戻す時間と場所 朝になると 路地に吐き出されたゴミを掃除する人が現れる 太陽の光が強くなるにつれ ケモノの気配は また街の中に薄まって溶けていく まるで夢だったかのように 夜と朝、ケモノとヒト、当事者と傍観者 酔いと酔ったふり 様々な境界線が揺らぐ あのゴミに溢れた裏路地

          ケモノとゴミと

          終わらせるもの

          ちょうど1年前の今日、離婚をした。 今思えば生きてるだけでも奇跡的で、どこか被害者意識もまだ正直残っているけど、きっと長い年月をかけて絡まってしまったものを、私の代で終わらせられるものは終わらすと決め、自分が選択してきた結果だと腹を括る。 昔に比べると、随分と「水に流す」ことが 上手く出来るようになってきたと思う。 さらさらと滞りなく流れていく体感は、心地が良いし、前よりも健康でいられている。 ただ40歳になり、離婚を経験し、人生の終わりも少し考えるようになって、このまま

          終わらせるもの

          この先にある池

          これで最後だと掴みたくなるけれど 流れは止まらず またさらさらと過ぎていく 自分の足で歩いて進んで 確かめていくしかないものがあるのかもしれない 途中で出会う特異点 そんな存在たちにありがとうを伝え またひとりで歩き出す 答えなんてものは ずっと見つからないのかもしれないけれど 進むたびに開く扉の先にはいつも 私の思い込みや幻想が壊れて いつもの風景が新鮮さを纏って広がっている *昨日、私は2度目、友人にとっては初めての場所に行ったのですが、 「このさらに奥に、たしか

          この先にある池

          目を開ければ青

          ずっと目に焼きついている 窓からみた映像がある 高校生の時 昼食を食べた後の眠たい授業 雨上がりの湿気を含んだ生暖かい空気 気づいたらまた眠ってしまったよう うたた寝から目を開けると いつも一瞬世界が青く映る 現実と夢が溶け合うような柔らかい一瞬 運動場側の窓に目を向けると すぐ側に立つ大きな木の葉に乗った雨粒が 太陽の光に当たってゆらゆらと虹色に光っている そこだけが時が止まったように輝いて見えて  どんな宝石よりも美しいかもしれない と、心を奪われてしまった

          目を開ければ青